工業力学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 工業力学
科目番号 0079 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産システム工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 機械設計法 豊橋技術科学大学・高等専門学校教育連携プロジェクト 実教出版
担当教員 山田 誠

到達目標

1. 速度・加速度の意味を理解し.時間,距離,速度,加速度の関係を説明できる.
2. 運動方程式を用いて物体の運動を説明できる.
3. 回転運動に関する運動および力に関する説明ができる.
4. 仕事,エネルギーおよび動力について意味を理解し計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1速度・加速度の意味を理解し,等速直線運動および等加速度運動における時間と距離の関係を説明できるとともに,関係式を導出し,速度,加速度を計算できる.速度・加速度の意味を理解し,等速直線運動における時間と距離の関係を説明でき,与えられた時間の関数式から速度,加速度を計算できる.速度・加速度の意味を理解し,等速直線運動における時間と距離の関係を説明できない.
評価項目2運動の第一,第二,第三法則を理解し,力,質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる.運動方程式を用いた物体の運動を計算することができる.物体の運動を求めることができない.
評価項目3回転運動に関して,周速度,角速度,回転速度の関係を理解し,与えられた条件から角運動方程式を導出でき,それらの計算をできる.回転運動に関して,周速度,角速度,回転速度の関係,を理解し,計算をすることができる.与えられた条件から回転運動に関する計算をできない.
評価項目4物体の持つ運動量とエネルギーを理解し,これを用いて物体の運動を計算できる.運動量とエネルギーを求めることができる.物体の運動量,エネルギーを計算できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工学で必要とする力学の基礎知識である物体の運動に関する基本法則を理解し,実際の機械や機構の力学に関する基礎的な問題を解くことができることを目標とする.
授業の進め方・方法:
数学や物理などの基礎知識に基づき,動力学の基本原理を理解したうえで基礎的な事柄に関して定量的な計算が出来るようにすることを目標としている.第1学年および第2学年で履修した「物理」,「数学」,「工業力学基礎」の内容を基本としているので,これらの内容を復習し,十分理解しておく必要がある.また,各授業内容は継続的な内容であるため,各回の授業内容についてしっかりと予習・復習することが必要である.
注意点:
※本講義で扱う内容はすべてコアである. 授業態度が悪い場合は減点する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(30min)
直線運動(60min)
<CAD演習室>
学習意義,授業計画,評価方法,諸注意を理解する。速度,加速度を通して,微分の意味を再確認し,それをExcelを用いてシミュレートできる。
2週 直線運動(90min)
<CAD演習室>
直線運動に関して,変位,速度,加速度の関係を理解し,計算できる。
Excelで運動をシミュレートできる。
3週 等加速度運動(45min)
円運動(45min)
等加速度運動の問題を解くことができる。
円運動の変位,速度,加速度の関係を理解し,行列を用いて位置を計算できる。
4週 円運動(90min)
<CAD演習室>
円運動について,変位,速度,加速度の関係を理解し,回転行列を用いてExcelでそのシミュレートができる。
5週 円運動(30min)
従属運動(60min)
円運動に関する問題を解くことができる。
滑車に関する従属運動の問題を解くことができる。
6週 放物運動(90min)
〇課題提示
放物運動を理解し,その問題を解くことができる。
7週 放物運動(90min)
運動シミュレート
<CAD演習室>
放物運動を理解し,その問題を解くことができ,Excelで運動シミュレートができる。
8週 運動学に関する中試験 運動学(kinematics)に関する問題を解くことができる。
2ndQ
9週 試験答案返却・解答解説(90min) 試験問題の解説を通じて正しい解答を理解できる
10週 力と運動法則(90min) ニュートンの運動の3法則を理解できる
運動方程式を理解し,式を誘導できる。
11週 重心・慣性モーメント(2h) 積分を用いた重心・慣性モーメントの導出方法を理解し,それを導出することができる。
12週 慣性モーメントの導出 慣性モーメントに関する定理を理解し,それを用いて,問題を解くことができる。
慣性モーメントを考慮した運動方程式を誘導できる。
13週 仕事・エネルギー・動力・運動量・力積(90h)
〇運動力学(kinetics)課題提示
エネルギー,動力,運動量,力積を理解し,それらの計算ができる。
14週 運動力学に関する演習 運動力学(kinetics)に関する問題を解くことができる。
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解答解説(2h) 試験問題の解説を通じて正しい解答を理解し,解くことができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4前2,前3,前4,前5
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4前10
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4前10,前11,前12
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4前10
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4前3,前4,前5
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4前3,前4,前5
仕事の意味を理解し、計算できる。4前13
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4前5,前11,前12
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前13
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前13
動力の意味を理解し、計算できる。4前13
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4前13
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4前11,前12
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4前12

評価割合

定期試験小テスト相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合701000020100
基礎的能力0000000
専門的能力701000020100
分野横断的能力0000000