電子工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子工学Ⅱ
科目番号 0130 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 [前期]西村信雄、落合謙三 共著 「改訂 電子工学」、コロナ社、[後期]鹿子嶋 憲一 著 「光・電磁波工学」、コロナ社
担当教員 山田 一雅,中津川 征士

到達目標

1. バイポーラトランジスタの構造と動作を説明できる
2. 電界効果トランジスタ(FET)の構造と動作を説明できる
3. 電界または磁界の中での電子の運動軌跡を説明できる
4. 分布定数線路を理解しインピーダンスの計算ができる
5. 同軸ケーブルとストリップ線路の計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1バイポーラトランジスタの構造を理解し、その動作をエネルギーバンド図を用いて説明できるバイポーラトランジスタの構造に基づいて動作を説明できるバイポーラトランジスタの構造に基づいて動作を説明できない
評価項目2FETの構造を描け、それをもとに動作を説明できるFETの構造に基づいて動作を説明できるFETの構造に基づいて動作を説明できない
評価項目3電界または磁界の中での電子の運動軌跡の説明と、その軌道計算ができる電界または磁界の中での電子の運動軌跡について基本的な説明までができる電界または磁界の中での電子の運動軌跡について基本的な説明までもできない
評価項目4分布定数線路を理解しスミスチャートを用いてインピーダンスの計算をすることができる分布定数線路を理解しインピーダンスの計算をすることができる。またスミスチャートを用いてインピーダンスの値を読み取ることができる分布定数線路のインピーダンスの計算をすることができない。また、スミスチャートからインピーダンスの値を読み取ることができない
評価項目5集中定数共振回路の計算式を導き解くことができる与えられた集中定数回路の計算式を解くことができる与えられた集中定数回路の計算式を解くことができない

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
[前期]結晶における電子の運動と電気伝導の関係や真空中における電子の振る舞いなどの学習に基づいて、半導体素子の動作原理を理解するための基礎知識を身につけることを目標とする。
[後期] 情報通信分野において使用される高周波に関する基礎的な知識を身につけ、分布定数回路、高周波回路の特徴を理解することを目標とする. この科目は企業において無線装置の研究開発での高周波回路設計を担当していた教員が、その経験を活かして高周波回路設計の基本であるスミスチャート、Sパラメータ、分布定数回路、集中定数回路に関する授業を行うものである。
※実務との関係
この科目は企業で電子工学の材料系の研究・製造を担当していた教員が、その経験を生かし、各種機能性材料(電子工学系)の諸特性および最新の電子工学材料設計手法等に関連した内容について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
[前期] ・「暗記」ではなく「理解すること」を常にここがけること。
・図を書きながら考える習慣を身に着けるように努力すること。
◎事前準備:前年次までの化学と物理に関する内容,3年次の電子工学Iの知識が必要になる。これらの授業で使ったテキストなどを復習しておくこと。

[後期]
式の計算がどのような概念に基づいているのか意識してイメージを持つように心がける.
基礎的な理論を土台として,論理的に考えて理解することを心がける.
演習問題等については必ず自分で取り組み,わからない点は担当教員に質問すること.
電気磁気学,電気回路などの基礎科目との関係を意識して学習する.
注意点:
教育到達目標評価:定期試験80%(B-3),課題20%(B-3)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス (1.0h) ・電子工学の概要と評価方法がわかる。
2週 バイポーラトランジスタの構造(コア)(2.0h) ・PNP,NPNトランジスタの構造ならびに、その動作をエネ
ルギーバンド図を用いて説明できる。
3週 バイポーラトランジスタの構造(コア)(2.0h) ・PNP,NPNトランジスタの構造ならびに、その動作をエネ
ルギーバンド図を用いて説明できる。
4週 バイポーラトランジスタの増幅作用(2.0h) ・電流増幅の原理を説明できる。
5週 FETの構造と動作(コア)(2.0h) ・FETの構造を説明できる。
6週 接合型FETとMOSFET (2.0h) ・接合型とMOS型それぞれのバイアス方法および動作を説
明できる。
7週 接合型FETとMOSFET (2.0h) ・接合型とMOS型それぞれのバイアス方法および動作を説
明できる。
8週 前期中間試験(2.0h)
2ndQ
9週 電界中および磁界中の電子の運動(4.0h) ・電界または磁界の中での電子の運動軌跡を説明できる。
10週 電界中および磁界中の電子の運動(4.0h) ・電界または磁界の中での電子の運動軌跡を説明できる。
11週 光エレクトロニクス:光導電素子等(2.0h) ・光電効果について説明できる。
12週 フォトダイオードと太陽電池(3.0h) ・フォトダイオードと太陽電池の動作原理と応用について
説明できる。
13週 フォトダイオードと太陽電池(3.0h) ・フォトダイオードと太陽電池の動作原理と応用について
説明できる。
14週 LED, レーザなどの発光素子(3.0h) ・LEDやレーザの動作原理と応用について説明できる。
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる
後期
3rdQ
1週 後期 高周波工学 ガイダンス ・後期に実施する高周波工学の講義の概要と評価方法を理解する
2週 分布定数線路 (1)概論 ・分布定数線路とは何かを理解する。
3週 (2) 伝送線方程式 ・無損失での伝送線路方程式を導出し,波動方程式を導出できる.
・線路の特性インピーダンスと伝搬定数を計算できる.
4週 (2) 伝送線方程式 ・損失のある伝送線路方程式を導出し,波動方程式を導出できる.
・線路の特性インピーダンスと伝搬定数を計算できる.
5週 (3) 進行波と定在波 ・線路中の前進波と後進波の式を導出し,定在波が発生することを理解できる.
6週 (4) インピーダンス ・線路から負荷側をみた入力インピーダンスを計算できる.
7週 (5) 反射係数と定在波比 ・負荷の条件による反射係数,定在波比を計算できる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 高周波ツール (1) スミスチャートの基礎
・スミスチャートと定在波比の関係を理解しインピーダンスの値をスミスチャート上に記入することができる。
・スミスチャート上のインピーダンスの値から定在波比を求めることができる。
10週 高周波ツール (2) スミスチャートの利用 ・スミスチャート上のインピーダンスの値から定在波比を求めることができる。
・スミスチャートを用いた整合回路の設計ができる。
11週 高周波ツール (3) Sパラメータ ・SパラメータにおいてS11,S22,S21の意味を説明することができる。
・S11,S22,S21の値を計算することができる。
12週 導波管の基礎 ・導波管について理解できる。
・マクスウェルの方程式から導波管の電界,磁界が導出できる。
13週 導波管による電磁波の伝送 ・導波管の電界,磁界の分布をグラフ化できる。
・導波管の電界,磁界から電磁波が伝送されることを理解できる。
14週 導波管共振器 ・導波管を利用した共振器を理解し,電界,磁界をグラフ化できる。
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000