到達目標
1. 電力量の測定原理を理解している.
2. オシロスコープの動作原理を理解し,波形観測原理を説明できる.
3. オペアンプの基礎増幅回路について出力電圧を計算できる.
4. A/D変換を用いたディジタル計器の原理を理解できる.
5. 各種調査,課題,議論において適切に実行・参加することができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
電力量 | 電力量の測定原理を説明でき,数式等を用いて定量的に示すことができる. | 電力量の測定原理を説明できる. | 電力量の測定原理を説明できない. |
オシロスコーオプの原理 | オシロスコープの動作原理を理解し,オルタネートや遅延掃引などの応用的な機能の原理についても説明できる. | オシロスコープの基本的な動作原理を理解し,波形観測原理を説明できる. | オシロスコープの基本的な掃引原理を説明できない. |
OPAmp回路の基礎 | 資料等を参考にしながら.目的に応じてオペアンプの基礎回路を組み合わせて選択して目的を達成することができる. | オペアンプの基礎回路について出力電圧を示すことができる. | オペアンプの基礎回路の出力計算が全くできない. |
A/D, D/A変換回路 | D/A変換,A/D変換の原理にもとづいて定量的に示すことができる. | A/D変換の基本的な原理を説明できる. | bitやA/D変換の概念を理解できず,アナログとデジタルの違いについても説明できない. |
グループワーク | 各種課題や調査において積極的に取り組むことができ,グループワークでは議論に参加して他者の意見も取り入れてまとめ事ができる. | 各種課題や調査において適切に取り組むことができ,グループワークでは議論に参加して自分の意見を述べる事ができる. | 各種課題や調査を行わない,議論に参加しない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
電気電子計測は,適切な計測器を用いて種々の電気諸量を測る手段である。本講義では微小信号計測や波形の観測,ディジタル計測のための基礎としてオシロスコープの原理,オペアンプ回路やA/D変換等の原理を扱う.これらの基礎を理解し,電気計測Iでの知識と合わせ実社会における様々な課題に対しても電気電子計測関連の基礎知識を適用できるようになるのが到達レベルである.
授業の進め方・方法:
本講義の内容は「計測システム工学」につながるオペアンプの基礎と、波形観測およびA/D,D/A変換について扱う。
オペアンプに関しては電子回路IIIにおいても学習するが,重要なポイントであるので本講義でも扱っている.常に実際に使用する場合を想定してデータシートを読む重要性を理解してほしい.また,試験においては実際に計測するならば,実際に回路を組むならば,という形式で出題されることが多いので実験とリンクして理解するよう努めること.
◎試験は中間試験50%、期末試験50%とする。
◎本講義では課題調査発表やグループワークによる発表により理解を深め合う.この発表は専門的内容50%、プレゼン50%で評価される.ただし、取り組みや発表に欠席した場合や発表態度が悪い場合は減点対象とする.
◎小テストは「確認テスト」のことであり,合計点を20点満点に換算して評価する.
注意点:
教育到達目標評価:
・試験60%(B)
・オペぺアンプ基礎回路到達度確認課題20%(B)
・A/D変換、D/A変換に関する発表20%(B)
※本科目で扱う内容はすべてコアであり,企業や大学からは高専の電気電子系出身者は習得している項目と判断されるのでしっかり学んで欲しい.
※本講義を受講するに当たり,電気回路I,II,,電子回路Iの基礎的内容を復習しておくこと
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス(0.5h) 1. 電力と電力量 |
・科目の位置づけ,必要性、学習の到達目標および留意点を理解できる ・誘導型電力量計の基本原理を理解できる
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2週 |
・誘導型積算電力計 2.オシロスコープの原理(5h) ・オシロスコープの基本原理 ・同期と遅延掃引
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・誘導型電力量計の基本原理を理解できる ・オシロスコープの基本原理を説明できる ・同期,遅延掃引の原理を説明できる
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3週 |
・ディジタルオシロ:量子化とサンプリング |
・デジタルサンプリングの基礎を説明できる
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4週 |
・GNDショート,観測モードなど |
・実際の機器を扱う際の注意事項について説明できる
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5週 |
3. オペアンプ回路の基礎 ・オペアンプの特徴 ・デシベル表記について
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・オペアンプの理想条件や用語などを説明できる ・デシベル表記を説明できる.比較基準を説明できる
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6週 |
・反転増幅と非反転増幅 |
・(理想上の)反転・非反転増幅回路を解析できる
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7週 |
・バッファ回路 |
・バッファ回路の重要性を説明できる(何を解決するために役立つのか説明できる)
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8週 |
確認テスト |
確認テスト
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2ndQ |
9週 |
・コンパレータの基礎 |
コンパレータ回路の出力を求めることができる
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10週 |
・差動増幅回路 |
・差動増幅回路の出力を求めることができ、CMRRについて説明できる。
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11週 |
・積分・微分回路の基礎
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・(理想上の)積分・微分回路の出力を式で表すことができる
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12週 |
4. A/D変換とD/A変換の基礎 ・D/A変換 1. 重みつきD/A変換器
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・2進数,bit表現の基礎を理解できる ・重みつきD/A変換器の基本原理を理解できる
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13週 |
2. R-2R型D/A変換器
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・R-2R型D/A変換器の基本原理を理解できる
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14週 |
・.A/D変換 1. 逐次比較型A/D変換器 2. 2重積分型A/D変換器 3. サンプリング定理
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・逐次比較型A/D変換器の基本原理を理解できる ・2重積分型A/D変換器の基本原理を理解できる ・信号周波数とサンプリング周波数の関係を理解できる
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15週 |
前期期末試験 |
前期期末試験
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16週 |
答案返却・解答解説 |
・間違った問題の正答を求めることができる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子回路 | 演算増幅器の特性を説明できる。 | 4 | 前5,前6,前8 |
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。 | 4 | 前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前15 |
計測 | A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。 | 4 | 前12,前13,前14,前15 |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 4 | 前1,前8 |
電力量の測定原理を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前8 |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前8 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 課題・小テスト | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 20 | 20 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 20 | 20 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |