機械工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 機械工学実験Ⅰ
科目番号 0198 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産システム工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 各実験室で用意する実験マニュアルおよびテキスト
担当教員 川上 健作,本村 真治,剱地 利昭,鈴木 学,中村 尚彦

到達目標

1. 実験に使用する機材や装置を操作して安全に実験を実施できる。
2. 各実験の目標と意義を理解し,説明できる。
3. 実験テーマに関する原理や理論を理解してテキストに従って実験を実施できる。
4. 実験の結果について考察ことができ,実験内容やデータ,考察をレポートにまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験に使用する機材や装置を適切に操作し,既定の時間内に安全に実験を完了できる。実験に使用する機材や装置を,指導のもとで操作して安全に実験を実施できる。実験に使用する機材や装置を操作できず,安全に実験を実施できない。
評価項目2機械工学に関連した各実験の目標と意義を理解し,これまで学習した知識と関連させることができる.機械工学に関連した各実験の目標と意義を理解できる.機械工学に関連した各実験の目標と意義を理解できない.
評価項目3実験テーマに関する専門分野の原理や理論を理解して自ら実験を実施できる.実験テーマに関する原理や理論を理解してテキストに従って実験を実施できる。実験テーマに関する原理や理論を理解できない。
評価項目4実験の結果についてこれまでの工学知識を用いて考察ことができ,実験内容やデータ,考察を適切な文章や図,表を用いてレポートにまとめることができる。実験の結果について考察ことができ,実験内容やデータ,考察をレポートにまとめることができる。実験の内容をレポートにまとめることができない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
機械工学に関連した基本実験(材料力学実験,流体力学実験,機械工作実験,精密測定実験,ロボット制御実験)を行い,得られた実験結果を基に報告書を作成することにより,実験方法,実験結果等を理解するとともに,これまで学習した理論に基づく実験報告書のまとめ方を習得する.実際に実験を行う際に実験方法の検討ができ,結果を報告書にまとめ,他者と討論できることを到達レベルとする.
授業の進め方・方法:
本実験では,複数のグループに分かれて,それぞれ材料力学実験,流体力学実験,機械工作実験,精密測定実験,ロボット制御実験を1グループずつ順番に行う.実験に際しては,それぞれの実験に関連する材料力学,流体力学,機構学,機械工作法,力学,計測,プログラミングの内容を予習または復習しておくべきです.
注意点:
実際の実験に関しては以下の点に留意してください.
◎ それぞれの実験の目的,実験報告書の形式,提出方法,評価基準,実験に適切な服装などを十分理解して行うこと.
◎ これまで学んだ講義内容と実験内容の有機的な関連に留意して実験を行うこと.
◎ 欠席,欠課,遅刻は絶対にしないこと.
◎ 実験報告書の提出期限を厳守すること.
◎ 安全に十分注意し,担当教員の指示に従い実験すること.

学習・教育目標評価:レポート100%(A:20%,B:40%,E:20%,F:20%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
※班ごとに5テーマをローテーションする。以下に実験テーマを示す。
・実験の目標と,心構えがわかる.
2週 材料力学実験
1)熱処理作業,硬さ試験(4h,コア)
担当:川上
・熱処理作業および金属の硬さ特性を理解する.
3週 2)引張試験(4h,コア) ・引張試験による材料の機械的性質とその計測方法を理解する.
4週 機械工作実験
1)ドリルによる切削力測定(4h,コア)
担当:剱地
・ドリル径や速度を変えたときの切削抵抗,切削動力を理解する.
5週 2)超音波探傷(4h,コア) ・超音波探傷器による材料の非破壊試験法を理解する
6週 流体力学実験
1)円柱の抗力測定とピトー管による風速測定(4h,コア)
担当:本村
・流体の計測として一般的な値の計測原理を理解する.
7週 2) 水力発電の実験(4h,コア) ・水力発電の原理を理解する.
8週 追実験,実験報告書の指導(4h,コア) ・実験の内容をレポートにまとめることができる.また,不足がある場合は追実験を行う.
4thQ
9週 精密測定実験
1)片持ち梁の振動モード測定(4h,コア
担当:中村
・ 微小変位測定を用いた非定常測定を通して計測工学と振動工学に関する基礎知識と技術を習得する
10週 2)AD変換による温度測定(4h,コア) ・A/D変換用ICの使い方とディジタル温度計の仕組み,並びに制御方法を理解し,基礎知識と技術を身につける.
11週 ロボット制御実験
1)ロボットアームの制御(4h,コア)
・ロボットアームの制御手法,順運動学,逆運動学の基礎知識および計算方法について理解する.
・プログラミングによるロボットアームの制御方法を理解する.
12週 2)ステップモータ2軸位置決めユニットの制御(4h,コア) ・2軸制御による基本的な位置決め方法とパルス列によるステップモータの制御方法を理解し,基礎知識と技術を身につける.
13週 追実験,実験報告書の指導(4h,コア) ・実験の内容をレポートにまとめることができる.また,不足がある場合は追実験を行う.
14週 追実験,実験報告書の指導(4h,コア) ・実験の内容をレポートにまとめることができる.また,不足がある場合は追実験を行う.
15週 機械系施設等の実地見学(4h) ・地域の実際の機械系施設等を見学して知識の定着を図る。
16週 学年末試験無し

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。3後2,後3,後4,後5,後9,後10,後12
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3後3
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3後2
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。2後2,後3
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。2後2,後3
焼きなましの目的と操作を説明できる。3後2
焼きならしの目的と操作を説明できる。3後2
焼入れの目的と操作を説明できる。3後2
焼戻しの目的と操作を説明できる。3後2
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後12,後13,後14
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後12,後13,後14
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後12,後13,後14
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12
自動制御の定義と種類を説明できる。3後11,後12
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。3後11,後12
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4後2,後3,後4,後5,後9
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4後2,後3,後4,後5,後9
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4後2,後3,後4,後5
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000