無機工業化学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 無機工業化学
科目番号 0114 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質環境工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 安藤淳平,佐治 孝 著「無機工業化学 第4版」(東京化学同人)を参考にプリント
担当教員 小林 淳哉

到達目標

1.窯業生産物である無機材料(セラミックス)の製造原理・用途、工業的な製造方法、環境への配慮などについて説明できる
2.電池の原理・起電力の算出ができる
3.代表的な一次電池や二次電池の特徴や開発の動向を説明できる.
4.金属製錬方法や金属メッキの方法について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1さまざまな無機材料の製法、環境への配慮について十分に説明できる特定の無機材料の製造原理、製法、環境への配慮について説明できる左記に達していない
評価項目2様々な電極の組み合わせでの電池の原理・起電力が算出できる特定の電極の組み合わせでの電池の原理・起電力が算出できる左記に達していない.
評価項目3いくつかの一次電池、二次電池の特徴が説明でき、電気自動車時代を見据えた電池開発の動向について多面的に説明できる。一次電池、二次電池の特徴が説明でき、電気自動車時代の電池の開発の動向についてある側面から説明できる左記に達していない.
評価項目4金属製錬の原理と方法、環境への配慮さらに目的に応じたメッキ方法を選択できる金属製錬の原理と方法、環境への配慮さらに特定のメッキ方法について用途を説明できる左記に達していない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
技術者として工業の立場から無機化学工業全体を理解するため,セラミックスなどの基本的無機化学工業製品をはじめ,電気化学工業や金属化学工業で生産される製品の製造方法とプロセス,物性,装置,用途等についての基礎的な知識を得ること.さらに,環境に配慮した製造プロセスについて説明できるようになることで、技術者としての社会的責任について学ぶ.
<実務との関係>
 この科目は企業で無機材料開発の研究に従事していた教員が,その経験を活かし,企業における無機材料製造プロセスについて講義形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
無機化学や物理化学の理論を良く理解している事が必要である.暗記だけに頼らず、教科書等の知識をどのように用いて物事を考えるかに視点を当てて、グループワークも行う。傍観者にならず積極的にグループに貢献すること。
この授業は学修単位なので、出題される課題に取り組み、これまでの授業内容を確認する事前課題などに取り組み提出しなければならない。
注意点:
JABEE教育到達目標評価 定期試験(B-3:80%),宿題(B-3:10%,D-2:10%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、無機酸の用途・製法・今後の動向予測、環境への配慮① 硝酸、塩酸、硫酸など無機酸の製法や今後の動向予測ができる。
2週 無機酸の用途・製法・今後の動向予測、環境への配慮② 硝酸、塩酸、硫酸など無機酸の製法や今後の動向予測ができる
3週 無機塩基の用途・製法・今後の動向予測、環境への配慮① アンモニアの製法や製造量、肥料製造と環境への影響について説明できる
4週 無機材料(セラミックス)の製造 代表的なセラミックスの製造と用途、現状の市場動向について説明できる。
5週 電気化学工業
電気化学の基礎理論・特徴・今後の動向予測①
一次電池

・起電力を求めることができる.
・電池の作動原理を説明できる.
・各種電池の構成,特徴,用途を説明できる.
6週 二次電池 ・起電力を求めることができる.
・電池の作動原理を説明できる.
・各種電池の構成,特徴,用途を説明できる.
7週 電気自動車時代を見据えた電池開発 世界的な電気自動車シフト(EVシフト)への電池開発・インフラ整備の状況と日本の対応について説明できる
8週 後期中間試験
4thQ
9週 ・試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる.
10週 ・メッキの原理とその用途 ・電解メッキ、無電解メッキの特徴と原理、用途を説明できる
11週 金属工業化学①
鉄鉱石の製錬
鉄鉱の製錬原理と実際のプロセス、鉄鋼の製造に関する日本の動向を説明できる
12週 金属工業化学②
銅、アルミニウムの製錬
銅およびアルミ地金の製錬原理と実際のプロセス、これらの金属製造の日本の動向を説明できる
13週 金属のリサイクル① 代表的な金属の鉱石資源状況とリサイクル、我が国としての今後の予測について動向について資料から読み取ることができる。
14週 金属のリサイクル② 代表的な金属の鉱石資源状況とリサイクル、我が国としての今後の予測について動向について資料から読み取ることができる。
15週 学年末試験 ・間違った問題の正答を求めることができる.
16週 試験答案返却・解答解説 ・間違った問題の正答を求めることができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)鉛蓄電池についてその反応を説明できる。4後3,後5
一次電池の種類を説明できる。4後4,後5
二次電池の種類を説明できる。4後5,後6
電気分解反応を説明できる。4後9
ファラデーの法則による計算ができる。4後10,後11
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。3後13
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3後14
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4後1,後2,後3,後14
物理化学電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4後5
化学工学化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。2
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4

評価割合

試験宿題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力0500005
専門的能力905000095
分野横断的能力0000000