測量学・測量実習Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 測量学・測量実習Ⅰ
科目番号 0034 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 測量学 第2版,内田 修ほか,東京電機大学出版局
担当教員 菊池 幸恵,山﨑 俊夫

到達目標

1. 平面測量(主に距離測量,水準測量及び角測量)で用いられる各種測量方法に関して,各種測量器械、器具の構造、調整方法および使用方法を理解し,基礎的な各種測量の学習により測量の基礎的な知識,技能を身に付ける.
2. 等高線の性質やその利用法について理解している.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1平面測量(主に距離測量,水準測量,角測量)で用いられる各種測量方法に関し,各種測量器械、器具の構造、調整方法および使用方法を説明でき,基礎的な各種測量の学習により測量の基礎的な知識,技能を身に付けている.平面測量(主に距離測量,水準測量,角測量)で用いられる各種測量方法に関して,各種測量器械,器具の構造,調整方法および使用方法がおおむね説明できる.平面測量(主に距離測量,水準測量,角測量)で用いられる各種測量方法に関して,各種測量器械,器具の構造,調整方法および使用方法を説明できない.
評価項目2等高線の特性について理解した上で,座標点から地形図を作成し等高線から体積の計算ができる.等高線の特性について理解している.測量の基準,等高線について理解していない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 測量は計画,設計,施工,維持・管理など土木工事において非常に重要な作業である.本科目は,平面測量(主に距離測量,水準測量,角測量)で用いられる各種測量方法に関して、各種測量器械、器具の構造、調整方法および使用方法を理解し,基礎的な各種測量の学習により測量の基礎的な知識,技能を習得するとともに,工事の設計,施工に応用できる能力を身に付けることが到達レベルである.また実習では,班に分かれ協力して作業を行うため,自分の役割と責任を理解した上で,自主的に行動することを目的とする.
授業の進め方・方法:
講義部門の試験は,測量の方法や特徴を問うため,その意味や目的を十分に理解していること.また,各種計算問題においてもやり方を覚えるのではなく,その導出方法についても理解しておくこと.実習部門については,班単位で実習を行うが,試験において各自実習で行った作業内容を問う.さらに,実習開始前と終了後には器械を検査し,格納時の調整方法を理解する.なお,天候により授業の順序を変更する場合があるため注意すること.
本科目は,基礎数学,三角関数,代数・幾何などの数学の基礎知識が必要とされる予備知識である.また,講義部門においては,前回までのノートを見直しておくこと.また実習部門においては,実習で行う測量の内容について講義ノートを見直し,実習に備えること.
注意点:
評価は試験(100%)により評価する.試験に関しては、前期期末試験,後期中テスト,学年末試験である.前期期末試験,後期中テストに関しては,講義部門(試験 45%,課題5%),実習部門(試験 25%,実習報告書 25%)で評価する。ただし,学年末試験については,講義部門(試験 45%,課題5%),実習部門(試験 25%,(製図)課題等 25%)で評価する.(注意!)課題,実習報告書,製図が一つでも未提出の場合は,学年末成績における評定で合格点を与えない.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス (1.0h)
【講義部門】 (7.0h)
測量の定義(コア)

距離測量 1. 目的・方法 (コア)
     2. 距離測量の誤差 (コア)
水準測量 1. 目的・方法
2. 使用機具
3. 観測 (コア)
区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類を理解できる
距離測量の目的と方法,種類を説明できる.
巻尺による測量で生じる誤差を説明できる.
水準測量の目的と方法を説明できる.
レベルの構造,スタッフの読み方を理解している.
直接水準測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
2週 ガイダンス (1.0h)
【講義部門】 (7.0h)
測量の定義(コア)

距離測量 1. 目的・方法 (コア)
     2. 距離測量の誤差 (コア)
水準測量 1. 目的・方法
2. 使用機具
3. 観測 (コア)
区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類を理解できる
距離測量の目的と方法,種類を説明できる.
巻尺による測量で生じる誤差を説明できる.
水準測量の目的と方法を説明できる.
レベルの構造,スタッフの読み方を理解している.
直接水準測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
3週 ガイダンス (1.0h)
【講義部門】 (7.0h)
測量の定義(コア)

距離測量 1. 目的・方法 (コア)
     2. 距離測量の誤差 (コア)
水準測量 1. 目的・方法
2. 使用機具
3. 観測 (コア)
区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類を理解できる
距離測量の目的と方法,種類を説明できる.
巻尺による測量で生じる誤差を説明できる.
水準測量の目的と方法を説明できる.
レベルの構造,スタッフの読み方を理解している.
直接水準測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
4週 ガイダンス (1.0h)
【講義部門】 (7.0h)
測量の定義(コア)

距離測量 1. 目的・方法 (コア)
     2. 距離測量の誤差 (コア)
水準測量 1. 目的・方法
2. 使用機具
3. 観測 (コア)
区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類を理解できる
距離測量の目的と方法,種類を説明できる.
巻尺による測量で生じる誤差を説明できる.
水準測量の目的と方法を説明できる.
レベルの構造,スタッフの読み方を理解している.
直接水準測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
5週 実習部門】 (6.0h)
距離測量 1. 巻尺定数の決定 (コア)

2. 平坦地の距離測量 (コア)
3. 傾斜地の距離測量 (コア)
巻尺による測量で生じる誤差を説明でき,測量結果から計算ができる.
平坦地の距離測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
傾斜地の距離測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
6週 実習部門】 (6.0h)
距離測量 1. 巻尺定数の決定 (コア)

2. 平坦地の距離測量 (コア)
3. 傾斜地の距離測量 (コア)
巻尺による測量で生じる誤差を説明でき,測量結果から計算ができる.
平坦地の距離測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
傾斜地の距離測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
7週 実習部門】 (6.0h)
距離測量 1. 巻尺定数の決定 (コア)

2. 平坦地の距離測量 (コア)
3. 傾斜地の距離測量 (コア)
巻尺による測量で生じる誤差を説明でき,測量結果から計算ができる.
平坦地の距離測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
傾斜地の距離測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
8週 【講義部門】 (8.0h)
水準測量 4. 水準測量の誤差 (コア)
5. 誤差の補正 (コア)
6. 水準測量の平均 (コア)

水準測量で生じる誤差の原因と消去法を理解している.
生じる誤差の取扱いを理解している.
水準測量における重量と誤差の関係を理解している.
2ndQ
9週 【講義部門】 (8.0h)
水準測量 4. 水準測量の誤差 (コア)
5. 誤差の補正 (コア)
6. 水準測量の平均 (コア)

水準測量で生じる誤差の原因と消去法を理解している.
生じる誤差の取扱いを理解している.
水準測量における重量と誤差の関係を理解している.
10週 【講義部門】 (8.0h)
水準測量 4. 水準測量の誤差 (コア)
5. 誤差の補正 (コア)
6. 水準測量の平均 (コア)

水準測量で生じる誤差の原因と消去法を理解している.
生じる誤差の取扱いを理解している.
水準測量における重量と誤差の関係を理解している.
11週 【講義部門】 (8.0h)
水準測量 4. 水準測量の誤差 (コア)
5. 誤差の補正 (コア)
6. 水準測量の平均 (コア)

水準測量で生じる誤差の原因と消去法を理解している.
生じる誤差の取扱いを理解している.
水準測量における重量と誤差の関係を理解している.
12週 【実習部門】 (6.0h)
水準測量 1. 測定方法
 
2. 平坦地の水準測量Ⅰ (コア)
3. 傾斜地の水準測量 (コア)
器械の据付と取扱い(レベルの使用方法)と水準測量の原理を理解し,高低差を計算できる.
昇降式の水準測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
器高式の水準測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
13週 【実習部門】 (6.0h)
水準測量 1. 測定方法
 
2. 平坦地の水準測量Ⅰ (コア)
3. 傾斜地の水準測量 (コア)
器械の据付と取扱い(レベルの使用方法)と水準測量の原理を理解し,高低差を計算できる.
昇降式の水準測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
器高式の水準測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
14週 【実習部門】 (6.0h)
水準測量 1. 測定方法
 
2. 平坦地の水準測量Ⅰ (コア)
3. 傾斜地の水準測量 (コア)
器械の据付と取扱い(レベルの使用方法)と水準測量の原理を理解し,高低差を計算できる.
昇降式の水準測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
器高式の水準測量を説明でき,測量結果から計算ができる.
15週 前期期末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる.
後期
3rdQ
1週 【講義部門】 (8.0h)
角測量  1. トランシットの構造 (コア)
2. バーニアの原理
3.観測(単測法,倍角法) (コア)
4. 角測量の誤差 (コア)
5. スタジア測量
器械の据付と取扱いを説明できる.
バーニアの原理を理解している.
単測法,倍角法を説明でき,測量結果から計算ができる.
生じる誤差の取扱いを理解している.
トランシットによるスタジア測量を理解している.
2週 【講義部門】 (8.0h)
角測量  1. トランシットの構造 (コア)
2. バーニアの原理
3.観測(単測法,倍角法) (コア)
4. 角測量の誤差 (コア)
5. スタジア測量
器械の据付と取扱いを説明できる.
バーニアの原理を理解している.
単測法,倍角法を説明でき,測量結果から計算ができる.
生じる誤差の取扱いを理解している.
トランシットによるスタジア測量を理解している.
3週 【講義部門】 (8.0h)
角測量  1. トランシットの構造 (コア)
2. バーニアの原理
3.観測(単測法,倍角法) (コア)
4. 角測量の誤差 (コア)
5. スタジア測量
器械の据付と取扱いを説明できる.
バーニアの原理を理解している.
単測法,倍角法を説明でき,測量結果から計算ができる.
生じる誤差の取扱いを理解している.
トランシットによるスタジア測量を理解している.
4週 【講義部門】 (8.0h)
角測量  1. トランシットの構造 (コア)
2. バーニアの原理
3.観測(単測法,倍角法) (コア)
4. 角測量の誤差 (コア)
5. スタジア測量
器械の据付と取扱いを説明できる.
バーニアの原理を理解している.
単測法,倍角法を説明でき,測量結果から計算ができる.
生じる誤差の取扱いを理解している.
トランシットによるスタジア測量を理解している.
5週 【実習部門】 (6.0h)
角測量  1. 測定方法Ⅰ

     2. 測定方法Ⅱ
3. 水平角の観測Ⅰ (コア)
4. 水平角の観測Ⅱ (コア)
器械の据付と取扱い(トランシットの使用方法,測定方法)を説明できる.
バーニア目盛の読み取りができ、野帳が記帳できる
単測法を説明でき,測量結果から計算ができる.
倍角法を説明でき,測量結果から計算ができる.
6週 【実習部門】 (6.0h)
角測量  1. 測定方法Ⅰ

     2. 測定方法Ⅱ
3. 水平角の観測Ⅰ (コア)
4. 水平角の観測Ⅱ (コア)
器械の据付と取扱い(トランシットの使用方法,測定方法)を説明できる.
バーニア目盛の読み取りができ、野帳が記帳できる
単測法を説明でき,測量結果から計算ができる.
倍角法を説明でき,測量結果から計算ができる.
7週 【実習部門】 (6.0h)
角測量  1. 測定方法Ⅰ

     2. 測定方法Ⅱ
3. 水平角の観測Ⅰ (コア)
4. 水平角の観測Ⅱ (コア)
器械の据付と取扱い(トランシットの使用方法,測定方法)を説明できる.
バーニア目盛の読み取りができ、野帳が記帳できる
単測法を説明でき,測量結果から計算ができる.
倍角法を説明でき,測量結果から計算ができる.
8週 後期中テスト 後期前半の講義・実習に関する確認テスト
4thQ
9週 【講義部門】 (6.0h)
測量の定義(コア)
測量体系(国家基準点等)を説明できる.
10週 【講義部門】 (6.0h)
測量の定義(コア)
測量体系(国家基準点等)を説明できる.
11週 【講義部門】 (6.0h)
測量の定義(コア)
測量体系(国家基準点等)を説明できる.
12週 【実習部門】 (6.0h)
座標点高法による地形図の作成 (コア)

等高線法による体積の計算 (コア)
座標点高法により地形図を作成でき,等高線の性質とその利用を理解している.
等高線法により測定結果から体積の計算ができる.
13週 【実習部門】 (6.0h)
座標点高法による地形図の作成 (コア)

等高線法による体積の計算 (コア)
座標点高法により地形図を作成でき,等高線の性質とその利用を理解している.
等高線法により測定結果から体積の計算ができる.
14週 【実習部門】 (6.0h)
座標点高法による地形図の作成 (コア)

等高線法による体積の計算 (コア)
座標点高法により地形図を作成でき,等高線の性質とその利用を理解している.
等高線法により測定結果から体積の計算ができる.
15週 学年末試験
16週 試験答案返却・解答解説 間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。4前1,前2,前3,前4
測量体系(国家基準点等)を説明できる。2後9,後10,後11
巻尺による測量で生じる誤差を説明でき、測量結果から計算ができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7
単測法、倍角法、方向法を説明でき、測量結果から計算ができる。4後1,後3,後4,後5,後6,後7
生じる誤差の取扱いを説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
昇降式や器高式による直接水準測量を説明でき、測量結果から計算ができる。4前1,前2,前3,前4,前9,前10,前11,前12,前13,前14
生じる誤差の取扱いを説明できる。4前9,前10,前11
測定結果から、面積や体積の計算ができる。2
等高線の性質とその利用について、説明できる。2後12,後13,後14
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。2
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】距離測量について理解し、器具を使って測量できる。4前5,前6,前7
水準測量について理解し、器具を使って測量できる。4前12,前13,前14
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート成果品実技合計
総合評価割合700000525100
基礎的能力35000051050
専門的能力2000000525
分野横断的能力15000001025