海岸・海洋工学

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 海岸・海洋工学
科目番号 0633 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 社会基盤工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 海岸工学 平山 秀夫 共著 コロナ社
担当教員 宮武 誠

到達目標

1.波の基本的性質(浅水変形,砕波,屈折・回折等)が説明でき,波の特性量を計算できる.
2.津波と高潮などの長周期波の特徴について説明できる.
3.沿岸域の流れが説明でき,海岸の海浜変形現象とその保全対策の外力設計ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1海の基本的性質を説明でき,波の特性量が計算できる.海の基本的性質を理解でき,波の特性量が計算できる.海の基本的性質を理解できない.
評価項目2津波と高潮などの長周期波の特徴を説明できる.津波と高潮などの長周期波の特徴を理解できる.津波と高潮などの長周期波の特徴を理解できない.
評価項目3沿岸域の流れが説明でき,海岸の海浜変形現象とその保全対策の外力設計ができる.沿岸域の流れが説明でき,海岸の海浜変形現象とその保全対策が理解できる.沿岸域の流れとそれに伴う海岸の海浜変形現象,また,その保全対策が理解できない.

学科の到達目標項目との関係

函館高専教育目標 B 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
周囲が海に囲まれる我が国は,津波や高潮のように短期で甚大な被害が発生する災害から,海岸侵食のように長期に渡り除々に被害が拡大する災害と様々な問題を抱えている.そのような海岸・海洋環境を利用,保全,開発するにあたり,必要不可欠な海岸・海洋水理の諸現象,海の波の基本的性質を理解し,これらを外力とする海岸・海洋構造物の基本的な設計法の基礎的知識を習得する.また,現状の海岸・海洋に関する諸問題について理解し,自然環境と調和のとれた高い防災機能を有する海岸環境の創造ができる素養を身につける.なお,当該科目は,海岸・海洋に関わるコンサルタント業務(主に港湾の漂砂対策や静穏度評価,沿岸域の防災対策)に従事した教員が経験を活かし,実際に実務で行われている諸解析や理論を座学形式で講義する.
授業の進め方・方法:
講義内容の理解を深めるため,講義の中では演習を取り入れる場合が多いので,必ず電卓を持参すること.講義は主に板書によって進めていくが,スライドや口頭で説明したことも十分に注意してノートにとること.自学自習の継続性や当該科目に対する応用力を確認するため,講義中に課せられるレポートでは,講義内容をもとに実海域に適用させた課題を出題するので,日頃からの自学自習は必須である.レポートは「専門的能力」の「その他」の項目として評価し,総合成績に加味する.
注意点:
学年成績は,中試験(40%)定期試験(40%)レポート(20%)により評価する.
但し,再試験は普段の当該科目に対する学習意欲や授業態度を総合的に判断し,教員が必要と認めた場合に実施するものとし,100点満点の上限を60点として各期の試験を評価する.また,レポートは計2~3回程度予定しているが,すべて提出され,完全解答の場合を満点とし,一つでも未提出の場合,評価を零点とするので注意が必要である.
JABEE教育到達目標評価 中試験,定期試験80%(B-2:100%),レポート20%(B-2:100%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス(1hr)
総論(1hr)
授業の進め方や評価方法が理解できる.
我が国の海岸に関する諸問題や法律が理解できる.
2週 波の基本的性質(1)(コア)(2hr) 海の波の定義,分類,理論的な取扱いが理解できる.
3週 波の基本的性質(2)(コア)(2hr) 微小振幅波理論により波の特性量を計算できる.
4週 波の基本的性質(3)(コア)(2hr) 確率統計に基づく現地の波浪特性が理解できる.
5週 波の変形(1)(コア)(2hr) 波の伝播に伴う変形(浅水変形,砕波)を理解できる.
6週 波の変形(2)(コア)(2hr) 波の伝播に伴う変形(回折・屈折)を理解できる.
7週 長周期波(1)(コア)(2hr) 潮汐の物理的な特性が理解できる.
8週 中試験(2hr) 波の基本的性質や変形を理解し,説明できる.
2ndQ
9週 長周期波(2)(コア) (2hr)
高潮,津波,セイシュなどの物理的な特性が理解できる.
10週 沿岸域の流れ(2hr) 海流や海浜流の発生メカニズムが説明できる.
11週 漂砂と海浜変形(1) (2hr) 漂砂に伴う海浜変形の発生メカニズムを説明できる.
12週 漂砂と海浜変形(2) (2hr) 海岸保全工法と面的漂砂制御について理解できる.
13週 波と構造物(1) (2hr) 構造物が波に作用する場合の波圧や波力の理論的な取り扱いが理解できる.
14週 波と構造物(2) (2hr) サンフルー波力算定式,ハドソン公式により構造物に作用する波力や波圧を計算できる.
15週 定期試験(2hr) 長周期波の特性,沿岸域の流れ,漂砂問題と海洋構造物を理解し,説明できる.
16週 試験答案返却・解答解説(2hr) 中試験,定期試験で間違った問題の正答を求めることができる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理津波と高潮の特徴を説明できる。4前7,前8,前9

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000