ロボット制御論

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 ロボット制御論
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 豊橋技科大・高専制御工学教育連携プロジェクト編「制御工学」(実教出版),小高知宏「機械学習と深層学習」(オーム社)/プリント等
担当教員 浜 克己,鈴木 学

到達目標

1. 現代制御におけるシステムの表現方法及び特性について理解し,現代制御理論を用いて制御器を設計することができる。
2.現代制御理論を用いて,応用的なシステムを構成することができる。
3.教師あり学習について説明し,階層型のニューラルネットワークを構築することができる。
4.教師なし学習について説明し,Q学習の各構成要素を実装することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1現代制御におけるシステムの表現方法、特性及び制御器について、これまで学習した制御の知識と結び付け、実システムを挙げて説明できる。現代制御におけるシステムの表現方法、特性及び制御器について説明できる。現代制御におけるシステムの表現方法、特性及び制御器について説明できない。
評価項目2現代制御理論を用いて実システムに使用できる応用的なシステムを構成できる。現代制御理論を用いて基本的なシステムを構成できる。現代制御理論を用いてシステムを構成できない。
評価項目3教師あり学習の特徴を説明でき,3層構造のニューラルネットワークを構築してシステムに実装できる。教師あり学習の特徴を説明でき,3層構造のニューラルネットワークを構築できる。教師あり学習の特徴を説明できず,3層構造のニューラルネットワークも構築できない。
評価項目4教師なし学習の特徴を説明でき,Q学習の各構成要素を決定してシステムに実装できる。教師なし学習の特徴を説明でき,Q学習の各構成要素を決定できる。教師なし学習の特徴を説明できず,Q学習の各構成要素も決定できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義はロボットを制御する際に必要とある『現代制御理論』と『機械学習』について教科書を用いた座学形式で学ぶ。
・現代制御理論は本科で学んだ本科で学んだ古典制御理論の知識をベースに,状態変数表現,システムの特徴となる可制御と可観測性,内部安定性を理解し,極配置法によるレギュレータとオブザーバの設計法について学習する。教科書は本科の制御工学で使用したものである。
・機械学習は,人工知能における研究課題の一つで,人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術・手法のことであり,ロボットを知能システムと捉えて,その実装方法について学習する。
授業の進め方・方法:
本講義は前期中間までを『現代制御工学』について、前期期末までを『知能機械』について学ぶ。
中テストは現代制御工学の範囲で実施し,前期期末試験は機械学習の範囲で実施する。
注意点:
・古典,現代によらず制御理論は数学的に厳密に厳密で精微な美しい理論体系を備えており,授業においても数学的な記述が多いが,その物理的な意味を把握するように努めること。
・機械の知能化について,単に知識として習得するのではなく,実際の問題に対して応用できる能力を身につけること。

教育到達目標評価 定期試験40%(B:100%),小テスト20%(B:100%),課題40%(B:100%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・ガイダンス(0.5h)
・現代制御と状態方程式(1.0h)
・座標変換(0.5h)
担当:鈴木
・教科の概要,年間予定,評価方法を説明できる
・現代制御とは何かを説明できる
・状態変数を用いて各種物理現象の動的な特性を記述できる.
・状態変換行列を用いた座標変換を説明できる.
2週 ・可制御性と可観測性(2.0h) ・可制御性と可観測性の概念を理解し,説明できる.
・システムの可制御性,可観測性を判別できる.
・システムを可制御正準形,可観測正準形で記述できる.
3週 ・システムの応答(1.0h)
・システムの安定性(1.0h)
・状態方程式を解き,出力を求めることができる.
・安定と漸近安定について理解し,システムの判別ができる.
4週 ・状態フィードバック(2.0h)

・レギュレータの概念を理解し,説明できる.
・極配置による状態フィードバックを求めることができる.
5週 ・最適制御による状態フィードバック(2.0h)
・最適制御法について説明できる.
・最適制御による状態フィードバックを求めることができる.
6週 ・サーボ系への拡張(2.0h) ・拡大系によるサーボ系の状態方程式を説明できる.
・拡大系による状態フィードバックを構成することができる.
7週 ・出力フィードバック(2.0h) ・オブザーバの概念を理解し,説明できる.
・オブザーバを用いてシステムを構成できる.
8週 小テスト 現代制御についての問題に答えられる
2ndQ
9週 機械学習と知能システム 担当:浜
機械学習の基本と知能システムの概要について理解できる。
10週 ニューラルネット
・ニューラルネットワークの基礎
ニューラルネットの原理や表現方法を理解できる。
11週 ニューラルネット
・教師あり学習
教師あり学習の代表であるバックプロパゲーションによるニューラルネットの学習について理解できる。
12週 強化学習
・強化学習とは
教師なし学習の代表である強化学習の概要を
理解できる。
13週 強化学習
・Q学習
Q学習の構成要素である政策,報酬関数,価値関数などの実装方法とその解法について理解できる。
14週 進化的手法
・進化的手法とは
進化的計算の概要について理解できる。
15週 進化的手法
・遺伝アルゴリズム
遺伝的アルゴリズムの実装と知識獲得の方法について理解できる。
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御制御系の過渡特性について説明できる。4前5,前6
制御系の定常特性について説明できる。4前7
制御系の周波数特性について説明できる。4前6
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4前2,前3,前4,前5

評価割合

試験小テスト相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合402000040100
基礎的能力0000000
専門的能力402000040100
分野横断的能力0000000