1. 実社会における材料開発や材料設計に関する課題に関して、無機材料工学の知識を適用でき2.機能性材料の分析評価手法に関して説明できる。
2.機能性材料の分析評価手法に関して説明できる。
概要:
これまで学んだ無機化学、分析化学、物理化学等の知識を、実社会での材料開発に適用することができるようになるための科目である。このため、代表的な無機材料の合成方法、物性評価方法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
本講義は、無機化学、有機化学、分析化学、環境工学が複合した内容といえる。すなわち、ある機能を持つ材料を合成しようとした時、その合成反応は無機化学反応あるいは有機化学反応であり、作成した材料の物性は、分析化学の手法として評価される。また、その材料の持つ機能(例えば環境改善)は、合成した材料の構造と深い関連があることが起こりうるからである。
注意点:
このため、本講義を受講するにあたり無機化学と有機化学、さらには分析化学の知識を必要とするので事前に予習や復習しておくこと。
「物質環境工学専攻」学習・教育到達目標の評価:中試験45%(B-2)、期末試験45%(B-2),宿題10%(B-2)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
機能材料合成法 |
ゾルゲル法のメカニズムとその特徴を説明できる
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2週 |
同上 |
ゾルゲル法によるガラスの合成やゾルゲル法による効果を説明できる。
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3週 |
同上 |
薄膜化技術としてのCVD法、スパッタリング法についての特徴を説明できる。
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4週 |
半導体とは何か |
p-,n-型の半導体材料について説明でき、バンドギャップから励起エネルギーが計算できる。
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5週 |
半導体の機能性材料としての利用 |
半導体における電子とホールの振舞いが説明でき、CO2固定化など、環境浄化材料としての将来性を説明できる。
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6週 |
同上 |
センサ等の半導体材料の実社会での使用例から、その構造上の特徴や作動メカニズムを説明できる。
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7週 |
酸化物機能性材料 |
誘電体セラミックスの機能発現の原理を説明でき、諸物性の計算ができる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
答案返却・解答・解説 |
試験問題に関する間違った点を解けるようになる。
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10週 |
結晶格子 |
代表的な結晶格子の構造を挙げることができ、ミラー指数を決定できる。
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11週 |
同上 |
最小イオン半径比の計算ができるようになり,イオン結合性の結晶の格子の構造を予測できる。
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12週 |
分析装置による材料分析 |
無機および有機物に関する代表的な機器分析装置(構造解析、形態観察、定性、定量)についてその用途を理解し、化学系の分析用途に応じた適切な分析機器を選定するための基礎知識を身に付けている。
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13週 |
同上 |
同上
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14週 |
同上 |
同上
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15週 |
同上 |
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16週 |
期末試験 |
学習内容を確認できる
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。 | 3 | |
一般角の三角関数の値を求めることができる。 | 3 | |
自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 4 | |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 4 | |
イオン結合について説明できる。 | 4 | |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 4 | |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | |
分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 4 | |
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。 | 4 | |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 4 | |
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。 | 4 | |