物質環境工学特別研究Ⅱ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物質環境工学特別研究Ⅱ
科目番号 0029 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 8
開設学科 物質環境工学専攻 対象学年 専2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材
担当教員 松永 智子,伊藤 穂高,小原 寿幸,清野 晃之,宇月原 貴光,寺門 修,小林 淳哉,藤本 寿々,水野 章敏

到達目標

 指導教員の指導のもとで高度な研究を行うことによって、専門的な知識を深め、創造力や問題解決能力を修得する。さらに、特別研究Ⅰ、Ⅱを通して指導教員との議論に加え、学内外での発表会で他者と討論し、研究成果を論文にまとめる。以下に具体的な目標を記す。
①自ら仕事を計画して継続的に実行し、まとめまとめ上げることができる(A-1)。
②専門分野(材料・物性、バイオ・環境、農学など)の基礎知識を持っている(B-2)。
③情報の収集や整理などに、コンピューターなどの情報技術を用いることができる(C-1)。
④データの分析や解析、グラフ化などにコンピューターを活用することができる(C-2)。
⑤技術的課題について自分の考えをまとめ、他者と討論できる(E-1)。
⑥技術的成果を正確な日本語を用いて論理的な文書にまとめることができる(E-2)。
⑦技術的成果を的確にプレゼンテーションすることができる(E-3)。
⑧問題解決のために複数の解決手法を考案し、その中から最適な解決策を提案できる(F-2)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1成果を的確にまとめ、論理的な考察や討論ができる。成果をまとめ、基本的な討論ができる。左記に達していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 A-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 B-2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 C-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 C-2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 E-1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 E-2 説明 閉じる
学習・教育到達目標 E-3 説明 閉じる
学習・教育到達目標 F-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
専攻科1年までに修得した知識や技術を基礎として、研究課題を指導教員とともに計画し、自分自身の力で継続的に創意工夫を行いながら実行する。その過程で、専門分野の基礎技術を身につけてゆく。さらに、得られたデータについて情報技術を用いて整理したり、他者との討論から問題に際しての解決策を考える。また、その成果を正確な日本語を用いて論理的な文書にまとめ、特別研究Ⅱ発表会で的確にプレゼンテーションすることを目標とする
授業の進め方・方法:
特別研究は,2年間で一つのテーマに取り組むことになる.長期間にわたるので,しっかりとした計画のもとに,指導教員とは綿密なコンタクトを取り,自発的・積極的に行動することが必要である.所属,研究テーマは専門性を深めたい研究分野の教員と相談の上決定すること.
注意点:
「物質環境工学専攻」学習・教育到達目標の評価:論文評価:30%(B-2:33%, E-2:33%, F-2:33%)/継続的な研究活動:30%(A-1:33%,B-2:33% F-2:33%)/発表会:40%(C-1:25%,C-2:25%,E-1:25%,E-3:25%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 担当:小原 寿幸
微生物バイオテクノロジーによる水産系未利用資源の資源化に関する研究
ホタテガイの食品加工時に派生する様々な非可食組織は、現在、水産系未利用資源として扱われており、その資源化・有効利用は北海道の水産業界において最重要課題である。これらタンパク質系の未利用資源から微生物や酵素を用いて、エキス性の物質の製造を目的とした水産系未利用資源の可溶化技術を開発することを目的とする。
2週 担当:松永 智子
機能性生体分子に関する研究
生物がつくる機能性有機分子は多岐にわたり、その活性と構造の新規性から生命科学の発展に貢献してきた。本研究では、これらに続く新規生理活性物質を見出すことを目的に、バイオアッセイの開発、あるいは各種生物からの未知化合物の分離・精製・構造解析を行う。また、有機化学、生化学、分子生物学などの手法を用いて、得られた化合物とそれを含有する生物との関わりについても明らかにしていく。
3週 担当:伊藤 穂高
非イオン型高分子抗菌剤の合成と抗菌評価
抗菌性分子を高分子化することにより皮膚内部への浸透を抑制した高分子抗菌剤の開発を目指す。ただし、イオン性の物質が多数存在する媒体へイオン型抗菌剤を添加するするとキレート形成などにより抗菌性が失活することがある。そこで非イオン型高分子抗菌剤の開発とその物性評価を目的とする。
4週 担当:寺門 修
リサイクル環境工学に関する研究
現在,品位の高い資源は次々と採掘されており,リサイクル容易な廃棄物についても,様々な再生利用がされている。今後は,リサイクル困難な廃棄物からの資源回収が重要になると考えられる.当研究室では化学工学,プロセス工学,材料工学などの手法により,レアメタルやプラスチックなどのリサイクル環境工学に関する研究を行う.
5週 担当:水野 章敏
高融点機能性物質の創製と評価に関する研究
1500℃以上の高融点合金や高融点酸化物を主な対象とし,バル
クアモルファスや高温半導体の新たな創製法の開発を目指す.特に,無容器浮遊 法と呼ばれる手法を用いた研究を中心として進め,高温過冷却液体の凝固過程や 凝固後に生成した物質について,微視的構造の観点から評価を行う.
6週 担当:清野 晃之
ニラの冷凍保存による鮮度の評価について
最近,料理レシピ検索サイトで“ニラは冷凍できる野菜で約1ヵ月間保存可能”と紹介されている。しかし,冷凍保存の仕方により,細胞壁がダメージを受け,臭いにも影響を与えている。そこで,本研究では各種方法で冷凍保存したニラを用いて,臭いの前駆体物質量の変化を分析することで,鮮度の評価を行うことを目的としている。
7週 担当:藤本 寿々
水産生物の高付加価値化に向けた研究
函館の基幹産業である水産業活性化のため,1)バイオテクノロジーを用いて作出した新規サケ科品種の栄養学的分析と遺伝子資源保存技術の確立,2)生物学的・生化学的方法による水産系廃棄物や未利用資源の有効資源化に向けた利用法の開発など,水産生物の高付加価値化を目指した研究を行う。
8週 担当:宇月原 貴光
グリーンケミストリーを指向した有機合成手法
環境に優しい触媒として生体触媒を用いた物質変換や、金属触媒や有機溶媒を使用しない有機合成法など、環境に配慮した新たな物質変換について検討を行う。
2ndQ
9週 担当:小林 淳哉
無機機能性材料の調製および埋蔵文化財の化学分析に関する研究
持続可能な循環型社会を築く上で重要なリサイクル技術・環境浄化技術に関連して、リサイクル材料開発、環境関連材料開発を行う。また、埋蔵文化財等の新規分析手法の開発を目的とする。
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

継続的な研究活動発表論文評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合304030000100
基礎的能力10101000030
専門的能力20302000070
分野横断的能力0000000