社会基盤工学特別研究Ⅰ

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 社会基盤工学特別研究Ⅰ
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 社会基盤工学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 小玉 齊明,澤村 秀治,平沢 秀之,宮武 誠,渡辺 力

到達目標

①自主的に課題を見出して研究計画を立案・実行し、まとめ上げることができる(A-1)。
②研究テーマに関する情報の収集,データの整理や分析に情報技術を利用できる(C-1)。
③報告書の作成を通して論理的文章を作成することができる(E-2)。
④研究成果について自分の考えをまとめ,学内外の発表会で他者と討論できる (E-1)。
⑤研究成果について,学内外の発表会で効果的にプレゼンテーションできる (E-3)。
⑥研究過程において,問題解決のため、土木工学に関する基礎知識及び地域系またはデザイン系に関する専門知識を活用していろいろな解決手法を考案し、最適な解決策を見出すことができる(B-3、F-1、F-2)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標①自主的に課題を見出し,研究計画の立案,実行,まとめができる.指示された課題に対し,自主的に課題を見出し,研究計画の立案,実行,まとめができる.研究計画の立案,実行,まとめを,十分な水準で行うことができない.
到達目標②情報の収集,データの整理や分析などに情報技術を駆使している.情報の収集,データの整理や分析などにコンピュータを使用した.情報の収集,データの整理や分析などにコンピュータを活用できない.
到達目標③報告書が正確かつ論理的に記述されており,説明に必要な図表等も高いクオリティーで掲載されている.報告書が正確かつ十分な内容で記述されている.文章,図表,レイアウトなどが,報告書としてのレベルに達していない.
到達目標④研究発表の場で,質問等の趣旨を十分に理解し,自分の考えを示して議論できる.研究発表の場で,質問等に対応できる.研究発表の場で,質問等に対して対応できない.
到達目標⑤研究成果を効果的な資料を駆使して,正確かつ分かりやすくプレゼンテーションすることができる.研究成果を正確にプレゼンテーションすることができる.プレゼンテーションが,研究発表と言えるレベルに達していない.
到達目標⑥自ら課題解決の方法を考え,その中から最適な解決策を提案し実行できる.示唆された課題解決方法を試し,最適な方法を用いて実行できる.指示された課題解決方法も十分なレベルで実行できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (A-1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (B-3) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (C-1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (E-1) 説明 閉じる
学習・教育到達目標 (E-2) 説明 閉じる
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学習・教育到達目標 (F-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (A-1) 説明 閉じる
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JABEE学習・教育到達目標 (F-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 指導教員の指導のもとで高度な研究を行うことによって、専門的な知識を深め、創造力や問題解決能力を修得する。さらに、特別研究Ⅰを通して指導教員との議論に加え、学内外の発表会で他者との討論をし、研究成果を報告書にまとめる。
授業の進め方・方法:
 特別研究Iと次年度の特別研究Ⅱにおいて、2年間で一つのテーマに取り組むことになる。長期間にわたるのでしっかりとした計画のもと、指導教員とは綿密なコンタクトを取り、自発的・積極的に行動することが必要である。
注意点:
「社会基盤工学専攻」学習・教育到達目標の評価:
 継続的な研究活動:50%(A-1:40%、E-1:20%、F-2:40%)
 発表会     :50%(B-3:20%、C-1:20%、E-1:10%、E-2:30%、E-3:10%、Fー1:10%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 澤村秀治 「超音波伝播速度による強度発現途上にあるコンクリートの弾性係数評価方法に関する研究」
 本研究では超音波伝播速度計測を応用し,強度発現途上にある若材齢コンクリートの弾性係数の変化を,①正確に,②非破壊で,③連続自動的に測定することができる計測システムを開発し,それらの④計測結果を評価するための汎用的手方法を確立することを目的とする.その中では特に,コンクリート中の骨材の体積濃度,骨材の粒径・粒度など,骨材の配合条件がコンクリートの超音波速度に及ぼす影響に着目し,それらの定量化を試みる.また,フライアッシュコンクリートの強度発現特性,膨張コンクリートの強度発現特性など,超音波計測システムを応用したテーマへの展開を行う.
2週 渡辺力 「複合構造のための精密な構造解析法の開発に関する研究」
 鋼やコンクリートに加え,近年,繊維強化プラスチック(FRP)などの複合材料が建設材料として盛んに用いられるようになった。これらの材料を組み合わせた複合構造の設計では,疲労破壊の原因となる応力集中などに配慮するため精密な構造解析が要求される。本研究では,等方性ならびに異方性の平板や積層板に対する精密な厚板理論を研究し,それらを用いた効率的な構造解析法の開発を行う。
3週 平沢秀之 「災害時等に役立つ応急橋の開発的研究」
 自然災害が多発する我が国においては,災害時の物資輸送のための交通路の確保は重要である.本研究では,災害時に一時的に使用するための橋梁を開発する.応急橋の要求性能は,材料の調達が容易であること,軽量で運搬が容易であること,施工に重機などを必要とせず,人力で組立てが可能なこと,耐久性はそれほど高くなくても良いこと等である.このような性能を有する新しい形式の橋梁を検討し,実用化への課題を探る.

「材料の特質を生かした新しい橋梁の開発的研究」
 橋梁構造物に使用される材料は、主として鋼とコンクリートである。このほか、木材、アルミニウム、FRP等が用いられるケースもある。本課題では、近年使用実績が増えつつあるSBHS鋼による鋼橋の高性能化の検討、および木材(構造用製材、大断面集成材)を用いた新しい橋梁構造の開発を行う。SBHS鋼は従来鋼と比較して強度面での性能向上と構造の合理化が期待できる。一方、木材は耐久性が鋼と比較して劣るが、一時的な使用に限定される応急橋に用いれば、適用範囲が大きく広がる可能性がある。自然災害が多発する日本において、木製応急橋の必要性が高まると考えられる。
4週 宮武誠 「前浜浸透流を考慮に入れた波打ち帯漂砂の定量的評価法に関する研究」
 これまでの波打ち帯漂砂に関する既往研究で考慮されてこなかった前浜浸透流を考慮した模型実験及び現地実験のデータをもとにして,新しい数値解析モデルを構築する.また構築したモデルに対し,波打ち帯での前浜勾配の急峻化や浜がけの形成といった侵食現象の再現性や妥当性を定量的に検証し,地形変化モデルの高精度化に資する知見を得る.
5週 小玉齊明 「岩盤の風化と地形の関係に関する研究」
 山地の地形は,長い年月をかけて岩盤が風化・浸食されながら変化するが,その過程で周辺の住民に対して落石や土石流などの災害をもたらす.本研究では寒冷地を対象として原位置載荷試験を行って岩石の風化状況を調査し,その結果ならびにDEM,地質,リモートセンシングデータ等の地理情報を元に,災害に至る危険性の高い地形条件の特定方法を考察する.
6週
7週
8週
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

継続的な研究活動発表会合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力000
分野横断的能力5050100