海岸・海洋工学特講

科目基礎情報

学校 函館工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 海岸・海洋工学特講
科目番号 0024 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 社会基盤工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 講義中に配布するプリント等
担当教員 宮武 誠

到達目標

1.波の特性量を波動論を用いて計算でき,基本的性質(浅水変形,砕波,屈折・回折等)が説明できる.
2.津波と高潮などの長周期波による災害及びその防災対策について説明できる.
3.沿岸域の流れと海浜変形現象を説明でき,効果的な保全対策工について議論できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1波の特性量を波動論を用いて計算でき,基本的性質(浅水変形,砕波,屈折・回折等)が説明できる.波の特性量を波動論を用いて計算できる.波の特性量を波動論を用いて計算できない.
評価項目2津波と高潮などの長周期波による災害及びその防災対策について説明できる.津波と高潮などの長周期波による災害及びその防災対策について理解できる.津波と高潮などの長周期波による災害及びその防災対策について理解できない.
評価項目3沿岸域の流れと海浜変形現象を説明でき,効果的な保全対策工について議論できる.沿岸域の流れと海浜変形現象を説明できる.沿岸域の流れと海浜変形現象を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる
JABEE学習・教育到達目標 (B-2) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
周囲が海に囲まれる我が国は,津波や高潮のように短期で甚大な被害が発生する災害から,海岸侵食のように長期に渡り除々に被害が拡大する災害と様々な問題を抱えている.本講義では,このような海岸災害から国土を保全する基本的知識を身に付ける.また,自然環境との調和のとれた海岸環境が創造できる素養を身に付ける.
授業の進め方・方法:
講義内容の理解を深めるため,講義の中では演習を取り入れる場合が多いので,必ず電卓を持参すること.講義は主に板書によって進めていくが,スライドや口頭で説明したことも十分に注意してノートにとること.講義中に課せられるレポートでは,講義内容をもとに実海域に適用させた課題を出題するので,日頃からの自学自習は必須である.
注意点:
学年成績は,期末試験(80%),課題(B-2) (20%)で評価する.
但し,再試験は普段の当該科目に対する学習意欲や授業態度を総合的に判断し,教員が必要と認めた場合に実施するも
のとし,100点満点の上限を60点として各期の試験を評価する.また,レポートは計2~3回程度予定しているが,すべて提出され,完全解答の場合を満点とし,一つでも未提出の場合,評価を零点とするので注意が必要である.
「社会基盤工学」学習教育到達目標:
期末試験80%(B-2:100%),レポート20%(B-2:100%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1.ガイダンス・総論
(1) ガイダンス(1hr)
(2) 総論
○授業の進め方や評価方法が理解できる.
○我が国の海岸に関する諸問題や法律が説明できる.
2週 2.海岸波動の基礎
(1) 波の定義,分類,理論
○海の波の定義,分類,理論的な取扱いが説明できる.
3週 (2) 微小振幅波理論 ○微小振幅波理論により波の特性量を計算でき,諸現象を説明できる.
4週 (3) 波浪統計 ○確率統計を用いて現地の不規則な波浪特性を説明できる.
5週 3.波の変形特性
(1) 浅水変形
○波の伝播に伴う変形(浅水変形,砕波)を説明できる.
6週 (2) 屈折と回折 ○波の伝播に伴う変形(回折・屈折)を説明できる.
7週 4.長周期波
(1) 潮汐・セイシュ
○潮汐やセイシュなどの長周期波の物理的な特性が説明できる.
8週 (2) 津波・高潮 ○高潮,津波などの長周期波の物理的な特性が理解できる.
2ndQ
9週 5.沿岸域の流れ特性
(1)海浜流
○海浜流の発生メカニズムが説明できる.
10週 (2)海流 ○海流の発生メカニズムが説明できる.
11週 6.漂砂と海浜変形過程
(1) 海浜変形のメカニズム
○漂砂に伴う海浜変形の発生メカニズムを説明できる.
12週 (2) 海浜保全工法 ○海岸保全工法と面的漂砂制御について説明できる.
13週 7.海洋構造物の水理
(1) 波による流体力
○構造物が波に作用する場合の波圧や波力の理論的な取り扱いが説明できる.
14週 (2) 波圧公式の運用(1) ○サンフルー波力算定式,ハドソン公式により構造物に作用する波力や波圧を計算できる.
15週 (2) 波圧公式の運用(2) ○サンフルー波力算定式,ハドソン公式により構造物に作用する波力や波圧を計算できる.
16週 期末試験 海岸工学に関わる基礎的知識をもとに海岸環境に応用できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
専門的能力8020100