電子デバイス

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子デバイス
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気電子系共通科目) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:古川静二郎 他 共著「電子デバイス工学【第2版】」森北出版/参考図書:三船陽介 著「トランジスタと半導体入門基本18章」電波新聞社,東芝セミコンダクター社 編「図解半導体ガイド」誠文堂新光社
担当教員 山田 昭弥

到達目標

1.原子,物質の構造について理解し,その内容を説明できる.
2.エネルギーバンド図の意味や物質による違いについて説明できる.
3.pn接合の構造とその応用について理解し,その概要を説明できる.
4.バイポーラトランジスタの構造や特徴,動作原理について説明できる.
5.電界効果トランジスタの構造と動作原理について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子,物質の構造について理解し,その内容を図等を用いて説明できる.原子,物質の構造について理解し,その内容を説明できる.原子,物質の構造について説明できない.
評価項目2物質によるエネルギーバンドの違いやそれに基づく性質の違いについて説明できる.物質によるエネルギーバンドの違いについて説明できる.エネルギーバンドに関する説明ができない.
評価項目3pn接合の構造とその動作原理,特徴について説明できる.pn接合の構造と特徴について説明できる.pn接合について,その概要を説明できない.
評価項目4バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタの構造,動作原理及びその応用事例について説明できる.バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタの構造,動作原理及びその特徴について説明できる.バイポーラトランジスタ,電界効果トランジスタに関する説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
各種電気電子機器の構成要素である電子デバイスについて,半導体材料の基礎を中心に学習を行う.本科目の基本概念となる原子の構造や固体中での電子の振る舞いから学習を始め,ダイオード,各種トランジスタを例に具体的な半導体素子の特徴,動作原理等について理解することを目標とする.
授業の進め方・方法:
授業は座学中心で行い,適宜参考となる自作プリントを配布する.
各授業内容に対する到達目標に関する試験及び自学自習で努めた演習・課題レポート等で総合的に達成度を評価する.
学業成績評価は,定期試験:50%,中間達成度確認試験:30%,演習・課題レポート:20%の割合で行い,合格点は60点以上である.
学業成績評価が60点未満の場合,再試験を実施することがある.この再試験の成績は,中間達成度確認試験及び定期試験の成績に置き換えて再評価を行う.
注意点:
物理Ⅰ・Ⅱ,化学Ⅰ・Ⅱで学んだ原子の構造や物質の性質が本科目の基礎となるため,自学自習時間等を活用し,復習に努めること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 原子の成り立ちと電子軌道(1) 原子の構造について説明できる.
2週 原子の成り立ちと電子軌道(2) エレクトロンボルトの定義を理解し,単位換算等の計算ができる.
3週 原子内の電子配置(1) ボーアの水素原子モデルについて,図を描いて説明できる.
4週 原子内の電子配置(2) 量子数,パウリの排他律を理解し,原子の電子配置について説明できる.
5週 原子の結合と結晶構造 代表的な原子の結合様式とその特徴について説明できる.
6週 金属の電気伝導(1) 金属の導電現象の特徴について説明できる.
7週 金属の電気伝導(2) 金属中での電子の運動を基に,移動度や抵抗率の計算ができる.
8週 金属の電気伝導(3) 金属の電気抵抗の原因について,結晶格子の乱れを用いて説明できる.
2ndQ
9週 エネルギーバンド理論(1) エネルギーバンドの成り立ちについて説明できる.
10週 エネルギーバンド理論(2) フェルミ・ディラック分布を理解し,金属と絶縁体のエネルギーバンド図の違いについて説明できる.
11週 真性半導体,不純物半導体(1) 真性半導体と不純物半導体の違いについて説明できる.
12週 真性半導体,不純物半導体(2) 不純物半導体の成り立ちについて,原子の結合を踏まえて説明できる.
13週 不純物半導体の電気伝導(1) 不純物半導体のエネルギーバンドについて説明できる.
14週 不純物半導体の電気伝導(2) 半導体中のキャリアの移動過程について説明できる.
15週 不純物半導体の電気伝導(3) 不純物半導体の電気抵抗における温度依存について説明できる.
16週 前期定期試験
後期
3rdQ
1週 半導体デバイスの基礎 半導体デバイスの代表例を挙げることができる.
2週 pn接合の構造 pn接合の構造や用途について説明できる.
3週 pn接合と整流作用 pn接合の電流ー電圧特性について,エネルギーバンド図を用いて説明できる.
4週 pn接合の降伏現象 pn接合の降伏現象発生のしくみについて説明できる.
5週 バイポーラトランジスタの特徴 バイポーラトランジスタの基本構造や用途について説明できる.
6週 バイポーラトランジスタの動作原理(1) バイポーラトランジスタの動作原理について概説できる.
7週 バイポーラトランジスタの動作原理(2) バイポーラトランジスタの動作原理について,エネルギーバンド図を用いて説明できる.
8週 バイポーラトランジスタ各接地回路の特性 バイポーラトランジスタの各接地回路の特徴や静特性について説明できる.
4thQ
9週 電界効果トランジスタの種類と特徴 電界効果トランジスタの種類や構造、バイポーラトランジスタとの根本的な動作上の違いについて説明できる.
10週 接合型電界効果トランジスタの構造 接合型電界効果トランジスタの基本構造について,図を描いて説明できる.
11週 接合型電界効果トランジスタの動作原理(1) 伝達特性,出力特性が得られるしくみについて説明できる.
12週 接合型電界効果トランジスタの動作原理(2) 相互コンダクタンスの求め方や意味について説明できる.
13週 MOS型電界効果トランジスタの構造 MOS型電界効果トランジスタの基本構造について,図を描いて説明できる.
14週 MOS型電界効果トランジスタの動作原理(1) 伝達特性,出力特性が得られるしくみについて説明できる.
15週 MOS型電界効果トランジスタの動作原理(2) エンハンスメント型およびデプレッション型の違いについて説明できる.
16週 後期定期試験

評価割合

定期試験中間達成度確認演習・課題その他合計
総合評価割合5030200100
基礎的能力252010055
専門的能力251010045
分野横断的能力00000