半導体工学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 半導体工学
科目番号 0051 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気電子系共通科目) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:古川静二郎 他 共著「電子デバイス工学【第2版】」森北出版/参考図書:菅博 他 共著「図説 電子デバイス」産業図書,深海登世司 監修「半導体工学」東京電機大学出版局,Walter R. Beam, “ ELECTRONICS OF SOLIDS “, McGraw-Hill Book Company, 1965.,S.M.Sze,“SEMICONDUCTOR DEVICES Physics and Technology”, JOHN WILEY & SONS INC., 2001.
担当教員 山田 昭弥

到達目標

1.量子力学の基礎を理解し,波動関数の物理的意味や波動方程式によるエネルギーバンド理論の導出について説明ができる.
2.MOSFETや光電素子等の代表的な半導体デバイスの構造と動作原理,特徴について説明できる.
3.集積回路の基本的な分類や製造技術について説明できる.
4.半導体業界の現状について,基礎知識を得る.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子力学や統計力学の基礎を理解し,エネルギーバンド理論に関する説明ができる.簡単な図を用いてエネルギーバンド理論について概説できる.エネルギーバンド理論に関する説明ができない.
評価項目2MOSFETや光電素子等の半導体デバイスの構造,動作原理,特徴等について説明できる.半導体デバイスの例を挙げて,構造や動作原理,特徴について概説できる.代表的な半導体デバイスの動作原理,特徴について説明できない.
評価項目3代表的な集積回路の製造方法例を挙げ,そのしくみや特徴,問題点等について説明できる.代表的な集積回路の製造方法例を挙げ,特徴等について概説できる.代表的な集積回路の製造方法に関する説明ができない.
評価項目4半導体業界の現状について,歴史的背景や抱える問題点を概説できる.半導体業界の現状について,問題点を例を挙げて説明できる.半導体業界の現状について,例を挙げて説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学年で履修した「電子デバイス」の知識をもとに,半導体の物性を理解する上で必要とされる量子力学の基礎から,MOSFETを中心に各種半導体デバイスの特性,集積回路に関する製造技術について学習し,併せて半導体製造業界の現状についても理解することを目的とする.
授業の進め方・方法:
授業は座学中心で行い,適宜参考となる自作プリントを配布する.
各授業内容に対する到達目標に関する試験及び自学自習で努めた演習・課題レポート等で総合的に達成度を評価する.
なお,本科目は学修単位であり,授業で課す演習・課題レポートにより事前・事後学習成果を確認するため,自学自習時間等を活用し,取り組むこと(60時間の自学自習を必要とする).
学業成績評価は,定期試験:50%,中間達成度確認試験:30%,演習・課題レポート:20%の割合で行い,合格点は60点以上である.
学業成績評価が60点未満の場合,再試験を実施することがある.この再試験の成績は,中間達成度確認試験及び定期試験の成績に置き換えて再評価を行う.
注意点:
第3学年の「電子デバイス」の学習内容についてよく復習すること.
演習・課題等は添削し,目標が達成されていることを確認後,返却する.目標が達成されていない場合には,再提出を求めることもある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 量子論の基礎(1) 電子の粒子性と波動性,ド・ブロイの関係式について説明できる.
2週 量子論の基礎(2) シュレーディンガーの波動方程式,波動関数,フェルミエネルギーについて,固体のエネルギーバンド理論に関連付けて説明することができる.
3週 統計力学の基礎 フェルミ分布と状態密度について説明できる.
4週 金属-半導体接触(1) 仕事関数と電子親和力の定義について説明できる.
5週 金属-半導体接触(2) ショットキー障壁の形成過程やショットキーバリアダイオードの特徴について説明できる.
6週 MOS構造 MOS構造の動作を3つの状態に分け,それらの特徴について説明できる.
7週 MOSFET(1) MOSFETの基本動作原理(伝達特性,出力特性)について説明できる.
8週 MOSFET(2) エンハンスメント型とデプレッション型の概要とその違いについて説明できる.
4thQ
9週 集積回路の基礎(1) 集積回路の定義と各種分類について説明できる.
10週 集積回路の基礎(2) 代表的な集積回路について,その構造,特徴,動作原理について説明できる.
11週 集積回路製造プロセス(1) 設計工程,製造工程それぞれの概要について説明できる.
12週 集積回路製造プロセス(2) 製造工程における前工程,後工程,および関連する周辺技術の概要について説明できる.
13週 光電素子 代表的な光電素子について,その構造,動作原理,特徴について説明できる.
14週 太陽電池 太陽電池の分類,基本構造,特性の違いや次世代太陽電池に求められる要件,現状について概説できる.
15週 半導体業界の現状 半導体メーカーやシリコンメーカー等,半導体産業に関連する業界の現状について概説できる.
16週 後期定期試験

評価割合

定期試験達成度確認試験演習・課題その他合計
総合評価割合5030200100
基礎的能力201510045
専門的能力301510055
分野横断的能力00000