信号処理

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 信号処理
科目番号 0053 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気電子系共通科目) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書」:なし / 参考書:貴家仁志 著「ディジタル信号処理のエッセンス」昭晃堂, A.V.Oppenheim et.al., "Signal & Systems, International Edition" Prentice Hall.
担当教員 工藤 彰洋

到達目標

1.システムの出力を計算するために,インパルス応答とLTIシステムが重要であることを理解でき,LTIシステムの数学的表現が畳み込みであることを理解できる。
3.フーリエ解析とz変換の理論を用いて,時間信号と周波数特性との対応付け,および周波数特性を計算することができる。
4.標本化定理と量子化の意味を理解し,説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
LTIシステム畳み込みの計算ができるだけでなく,LTIシステムにおける畳込みの意味が説明できる。畳み込みの計算ができる。畳み込みの計算ができるない。
フーリエ解析と時間信号からDTFSとDTFTを計算でき、DTFTとDFTの違いも説明できる。時間信号からDTFS,DTFTを計算できる。与えられた時間信号からDTFS,DTFT,DFTを計算できない。
z変換差分方程式からz変換を得ることができ、周波数特性(振幅特性、位相特性)を計算することができる。与えられたz変換から周波数特性(振幅特性、位相特性)を計算することができる。与えられたz変換から周波数特性(振幅特性、位相特性)を計算することができない。
標本化と量子化標本化定理と量子化の意味を理解し説明できるだけでなく、標本化定理を数式で証明でき、必要に応じた量子化ビット数を決めることができる。標本化定理と量子化の意味を理解し説明できる。標本化定理と量子化の意味が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
信号処理は工学の多様な分野において必要不可欠な技術である。信号処理では高度な数学(数列,微積分,積分変換等)を用いることから,内容が難解であると思われがちである。この講義では,単なる数式の計算ではなく,信号処理の体系に含まれる主要な概念の理解を重視して授業を進める。数式の計算はこれらの概念を理解するために必要となる。
授業の進め方・方法:
授業は座学で行ない、プロジェクターに授業内容のパワーポイント資料を投影する方式で進める。必要に応じて板書を利用する。パワーポイント資料をBlackboard等で配布するので、端末にて資料を確認しながら授業に参加することを推奨する。
注意点:
この科目は学修単位のため、事前・事後学修として演習課題を実施するので、自学自習により積極的に取り組むこと。演習課題は目標が達成されていることを確認後,返却する。目標が達成されていない場合には,再提出を求めることもある。予習と復習を含めて60時間の自学自習時間を必要とする。達成目標に関する内容の試験および演習・課題レポートで総合的に達成度を評価する。割合は達成度確認(小テスト)80%,事前事後学習のための演習・課題レポート20%を基準とし、合格点は60点以上である。学業成績が60点未満のものに対して、再試験を実施する場合がある。この場合、再試験の成績をもって再評価を行なう。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 信号とLTIシステム(インパルス信号の数学的取り扱いと信号表現) インパルス信号を用いた簡単な計算ができる。インパルス信号による任意信号の表現法を理解できる。
2週 信号とLTIシステム(システムとその諸性質) システムの概念を理解し,線形性,時不変性について説明できる。
3週 信号とLTIシステム(畳み込みとその諸性質) 畳み込みの意味が説明できる。
4週 信号とLTIシステム(畳み込みとその諸性質) 簡単な畳み込みを計算できる。
5週 信号とLTIシステム(畳み込みとその諸性質) 反転法を用いて畳み込みの計算ができる。
6週 信号とLTIシステム(畳み込みとその諸性質) システムの因果性と安定性を判定できる。
7週 信号とLTIシステム(インパルス応答測定) インパルス応答測定のための相関法の原理の式が計算できる。
8週 離散時間の信号とシステムにおけるフーリエ解析(フーリエ解析の種類) 種々の信号を分類し、それらに対応するフーリエ解析を説明できる。
2ndQ
9週 離散時間の信号とシステムにおけるフーリエ解析(DTFSとDTFTとDFT) 簡単な信号のDTFSおよびDTFTの計算ができる。DTFTとDFTの違いを説明できる。
10週 離散時間の信号とシステムにおけるフーリエ解析(ラプラス変換からのz変換の導出) ラプラス変換からz変換の定義を導出できる。
11週 離散時間の信号とシステムにおけるフーリエ解析(z変換と逆z変換) 簡単な信号のz変換を計算できる。z変換から振幅特性と位相特性を計算できる。
12週 離散時間の信号とシステムにおけるフーリエ解析(ディジタルフィルタと周波数応答) 与えられた差分方程式をz変換してFIR型とIIR型ディジタルフィルタとして図解し,その周波数特性が計算できる。
13週 応用(標本化定理と量子化) アナログ信号からディジタル信号への変換に必要となる標本化定理と量子化の意味について説明できる。
14週 応用(標本化定理と量子化) アナログ信号からディジタル信号への変換に必要となる標本化定理と量子化の意味について説明できる。
15週 応用(DA変換、ハイレゾリューションオーディオ) DA変換の時に生じるサンプリングホールド歪みと補正方法について説明できる。標本化定理と量子化の観点からみたハイレゾリューションオーディオの意義について説明できる。
16週

評価割合

小テスト課題合計
総合評価割合8020100
専門的能力8020100