オペレーティングシステム

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 オペレーティングシステム
科目番号 0017 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報科学・工学系共通科目) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:毛利 公一著「基礎オペレーティングシステム: その概念と仕組み」数理工学社.参考図書:松尾啓志著「オペレーティングシステム【第2版】」森北出版,吉澤康文著「オペレーティングシステムの基礎 ーネットワークと融合する現代OSー」オーム社,タネンバウム著「モダンオペレーティングシステム 原著第2版」ピアソン・エデュケーション (原著:A.S.Tanenbaum, Modern Operating Systems, Second edition, Prentice Hall),ピーターソン,シルバーシャッツ著「オペレーティングシステムの概念 上」培風館 (原著第7版:A.Silberschatz, P.B.Galvin, G.Gagne, Operating System Concepts, 7th ed, John Wiley & Sons),大久保英嗣著「ライブラリ新情報工学の基礎5 オペレーティングシステムの基礎」サイエンス社,谷口秀夫著「オペレーティングシステム概説 その概念と構造」サイエンス社
担当教員 山本 椋太

到達目標

1.オペレーティングシステムが機能するために必要となるCPU仮想化技術として,プロセスおよびスケジューリングの役割,目的,機能を理解し説明できる.
2.並行プロセスにおける排他制御,セマフォの役割,目的,機能を理解し説明できる.
3.主記憶管理における領域割り当て,ページング,セグメンテーション,仮想記憶の役割,目的,機能を理解し説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.オペレーティングシステムが機能するために必要となるCPU仮想化技術として,プロセスおよびスケジューリングの役割,目的,機能を理解し説明できる.CPU仮想化技術として,プロセスおよびスケジューリングの役割,目的,機能を理解し説明できる. 2.並行プロセスにおける排他制御,セマフォの役割,目的,機能を理解し詳しく説明できる.CPU仮想化技術として,プロセスおよびスケジューリングの役割,目的,機能を理解し簡単に説明できる. 2.並行プロセスにおける排他制御,セマフォの役割,目的,機能を理解し簡単に説明できる.CPU仮想化技術として,プロセスおよびスケジューリングの役割,目的,機能を理解していない. 2.並行プロセスにおける排他制御,セマフォの役割,目的,機能を理解していない.
2.並行プロセスにおける排他制御,セマフォの役割,目的,機能を理解し説明できる.並行プロセスにおける排他制御,セマフォの役割,目的,機能を理解し詳しく説明できる.並行プロセスにおける排他制御,セマフォの役割,目的,機能を理解し簡単に説明できる.並行プロセスにおける排他制御,セマフォの役割,目的,機能を理解していない.
3.主記憶管理における領域割り当て,ページング,セグメンテーション,仮想記憶の役割,目的,機能を理解し説明できる.主記憶管理における領域割り当て,ページング,セグメンテーション,仮想記憶の役割,目的,機能を理解し詳しく説明できる.主記憶管理における領域割り当て,ページング,セグメンテーション,仮想記憶の役割,目的,機能を理解し簡単に説明できる.主記憶管理における領域割り当て,ページング,セグメンテーション,仮想記憶の役割,目的,機能を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
 本講義では,オペレーティングシステムの技術のうち,特に重要な3つの項目「CPUの仮想化」,「並行プロセス」,「主記憶管理」について説明する.また,本講義では特定OSの実装ではなく,多くのOSで実現されている基本的なモデルについて説明するが,演習時には UNIX環境下またはWindows環境下.その他のOS環境下での課題に取り組みオペレーティングシステムに関する演習にも取り組む.
授業の進め方・方法:
 授業は座学を中心に進めるが,コンピュータを使用した演習も実施する.
 授業内容は,到達目標に記載した4つ内容を中心に学習する.演習時には情報処理実習室または情報システム実習室でのCLI環境において,演習課題に取り組み,オペレーティングシステムの基礎知識を身につける.
 到達目標の確認として,達成度確認試験を2回,演習課題1回,定期試験1回,確認テストを演習実施回を除く講義で実施し,これらを成績評価に含める.演習課題については,レポートを提出していなければ,演習課題レポートの評価点を0点とするため,注意すること.また,達成度試験の点数で,2回分の点数を用いて評価点を算出したとき,60%の満たない場合については達成度試験の再試験を実施する場合がある.達成度試験の再試験は,100点法で60点とした場合の達成度試験の評価点を上限として上書きする.また,定期試験の結果によっては再試験を実施する場合がある.ただし,演習課題の提出状況,達成度試験の解答状況および授業態度に問題がある学生については再試験を実施しない場合がある.再試験は,単元テストおよび定期試験の点数を上書きし,再試験を受験した場合の評価点全体の最高点は60点となる.
 本科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として教科書およびWebClassに掲載する授業資料を活用し,確認テスト,定期試験および演習課題にも自主的に取り組む必要がある.また,単元ごとに達成度試験を実施するため,達成度試験に向けた復習にも取り組む必要がある.
注意点:
 受講に際しては,教科書,ノート,筆記用具を持参すること.適宜,資料を配布することがある.また,演習課題の提出が必須となることから,プログラム作成に関連する知識,特に「C言語」,「データ構造とアルゴリズム」に関する内容を復習しておくこと.演習課題の提出物は期限までに提出すること.報告・連絡・相談もなく提出期限内に課題が提出されない場合は,課題評価点を減点する.提出物の内容が不十分な場合には再提出を求めることがある.なお,講義予定に変更がある場合には,Microsoft Teams,メール,または講義中に連絡するため注意すること.
 本講義は学修単位制を導入していることから,自学自習として講義および演習に取り組む前には,関連分野の予習復習をおこなうこと.また,演習課題に取り組む時間が多く必要となることから,コンピュータ実習室(情報処理実習室,情報システム実習室)を積極的に利用すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オペレーティングシステムの概要と役割 オペレーティングシステムの概要および役割について理解し、説明できる。
2週 CPUの仮想化:プロセス プロセス管理について理解し、説明できる。
3週 CPUの仮想化:スケジューリング
CPUのスケジューリング方法について理解し、説明できる。
4週 CPUの仮想化:スケジューリング
CPUのスケジューリング方法について理解し、説明できる。
5週 達成度確認テスト1
並行プロセス:排他制御
排他制御について理解し、説明できる。
6週 並行プロセス:セマフォ
セマフォについて理解し、説明できる。
7週 CPUの仮想化とプロセス間通信の演習 オペレーティングシステムにおけるプロセスおよび,プロセス間通信についての概要を理解し、説明できる。
8週 達成度確認テスト2
CPUの仮想化とプロセス間通信の演習
オペレーティングシステムにおけるプロセスおよび,プロセス間通信についての概要を理解し、説明できる。
4thQ
9週 実記憶の管理(1) 主記憶管理における固定・可変領域割り当てについて理解し、説明できる。
10週 実記憶の管理(2) 主記憶管理における固定・可変領域割り当てについて理解し、説明できる。
11週 仮想記憶の管理(1) 仮想記憶:ページング,セグメンテーションについて理解し、説明できる。
12週 仮想記憶の管理(2) 仮想記憶:ページング,セグメンテーションについて理解し、説明できる。
13週 ファイルシステム ファイルシステムについて理解し、説明できる。
14週 割込み制御と入出力 割込みと入出力について、説明できる。
15週 仮想化技術 仮想化技術について理解し、説明できる。
16週 定期試験

評価割合

演習課題レポート達成度確認テスト定期試験確認テスト合計
総合評価割合20452510100
基礎的能力52010035
専門的能力1525151065