組込みシステム総論

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 組込みシステム総論
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学科(情報科学・工学系共通科目) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 よくわかる組込みシステム開発入門 要素技術から開発プロセスまで【組込みシステム技術協会 人材育成事業本部・技術評論社】/教材:「すぐわかる!組込み技術教科書」【「香取巻男・立田純一」CQ出版】「ITRONプログラミング入門」CQ出版,「μITRON準拠TOPPERSの実践活用」CQ出版,「TRONプログラミング入門」オーム社,「Real-Time Concepts for Embedded Systems」CMP Books
担当教員 山本 椋太

到達目標

1.組込みシステムの機能的特徴,リソースの制約などを理解し,説明できる.
2.組込みソフトウェアの要素技術や開発環境について理解し,説明できる.
3.組込み用 プロセッサ,組込みソフトウェア,組込み用ハードウェア,ユーザインタフェースについて理解し,説明できる.
4.RTOSの構成・階層・機能などを理解し,説明できる.
5.組込みシステム開発の流れや各種手法を理解し,説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.組込みシステムの機能的特徴,リソースの制約などを理解し,説明できる.組込みシステムの機能的特徴,リソースの制約などを理解し,説明できる.組込みシステムの機能的特徴,リソースの制約などを理解し,基本的な説明ができる.組込みシステムの機能的特徴,リソースの制約などを理解不足で説明ができない.
2.組込みソフトウェアの要素技術や開発環境について理解し,説明できる.組込みソフトウェアの要素技術や開発環境について理解し,説明できる.組込みソフトウェアの要素技術や開発環境について理解し,基本的な説明ができる.組込みソフトウェアの要素技術や開発環境について理解不足で説明ができない.
3.組込み用 プロセッサ,組込みソフトウェア,組込み用ハードウェア,ユーザインタフェースについて理解し,説明できる.組込み用 プロセッサ,組込みソフトウェア,組込み用ハードウェア,ユーザインタフェースについて理解し,説明できる.組込み用 プロセッサ,組込みソフトウェア,組込み用ハードウェア,ユーザインタフェースについて理解し,基本的な説明ができる.組込み用 プロセッサ,組込みソフトウェア,組込み用ハードウェア,ユーザインタフェースについて理解不足で説明ができない.
4.組込みシステム開発の流れや各種手法を理解し,説明できる.組込みシステム開発の流れや各種手法を理解し,説明できる組込みシステム開発の流れや各種手法を理解し,基本的な説明ができる.組込みシステム開発の流れや各種手法を理解不足で説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
情報科学・工学系で学ぶ基礎知識を総合的に適用することで,さまざまな工業製品の開発に適用される組込みシステムの基礎知識を,座学と実習により学習する.
これまで学んできた科目について,情報システムとの対比を交えつつ,組込みシステムの側面ではどのような理解・解釈をするかについて教授する.
授業の進め方・方法:
座学により,マイコンボードおよびTOPPERS/ASPカーネルを題材として,組込みシステムを実現するために必要不可欠なハードウェア・ソフトウェア,開発支援技術を学ぶ.
実習により,開発支援環境を用いて組込みシステムを実現するためのRTOS・組込みソフトウェアの基本的な実装を行う.
達成度試験を2回実施する予定である.達成度試験40%,定期試験20%,課題レポート30%,確認テスト10%の割合で評価する.
達成度試験については,2回のテストによって60点以上の評価とならなかった場合,達成度試験のみを上書きする達成度試験の再試験を実施することがある.この達成度試験を受験した場合は,単元テストの評価点の最高点を60点とする.
また,レポート課題,および別途学修単位の自学自習として課す確認テストの提出を全て行った場合,再試験を行うことがある.合格点は60点以上です.
注意点:
3年生の「計算機システム」,4年生の「ソフトウェア工学」および「オペレーティングシステム」を基礎としているので,学習内容を復習しておくこと.
C言語によるプログラミング能力と説明のための文章力を養っておくこと.
この科目は学修単位科目のため,事前・事後の自学自習課題として授業で示される演習・実習課題を課す.演習・実習課題は添削後,目標が達成されていることを確認し,返却する.目標が達成されていない場合には,再提出すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 組込みシステムの概要と性質 組込みシステムの概要と性質を理解し,説明できる.
2週 リアルタイムOSの概要
開発環境と組込みプログラミング
コードリーディング・ドキュメントの読み方と開発環境の使い方
リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)の構成・ソフトウェア階層などを理解し,説明できる.
また,組込みシステムの開発の流れを説明できる.
3週 要素技術:プロセッサと周辺ハードウェア(ハードウェアタイマ)
演習課題1
プロセッサ,基本ソフト,支援機能,
組込み用補助記憶,計測制御,情報処理,ユーザーインタフェース,割込み,タイマ,メモリなどを理解し,特にハードウェアタイマについて説明できる.
4週 要素技術:プロセッサと周辺ハードウェア(UART)
演習課題1
プロセッサ,基本ソフト,支援機能,
組込み用補助記憶,計測制御,情報処理,ユーザーインタフェース,割込み,タイマ,メモリなどを理解し,特にハードウェアタイマについて説明できる.
5週 演習課題1 統合開発環境下において,ベアメタル(OSなし)による,アクチュエータ,割込みなどを用いた,マイコン向けのプログラムを作成できる.
6週 達成度試験1
演習課題1
統合開発環境下において,ベアメタル(OSなし)による,アクチュエータ,割込みなどを用いた,マイコン向けのプログラムを作成できる.
7週 要素技術:プロセッサと周辺ハードウェア プロセッサ,基本ソフト,支援機能,
組込み用補助記憶,計測制御,情報処理,ユーザーインタフェース,割込み,タイマ,メモリなどを理解し,説明できる.
8週 要素技術:プロセッサと周辺ハードウェア プロセッサ,基本ソフト,支援機能,
組込み用補助記憶,計測制御,情報処理,ユーザーインタフェース,割込み,タイマ,メモリなどを理解し,説明できる.
2ndQ
9週 要素技術:通信技術
有線・無線それぞれのネットワーク構成方法や通信技術およびセキュリティについて説明できる.マイコン向けの統合開発環境について説明できる.
10週 達成度試験2 有線・無線それぞれのネットワーク構成方法や通信技術およびセキュリティについて説明できる.マイコン向けの統合開発環境について説明できる.
11週 開発プロセスと上流工程(要求分析・設計) 組込みシステムにおける開発プロセスと,その内上流工程について説明できる.
12週 開発プロセスと上流工程(要求分析・設計)
演習課題2
組込みシステムにおける開発プロセスと,その内上流工程について説明できる.
13週 下流工程(実装・テスト)
組込みシステムにおける開発プロセスの内,下流工程について説明できる.
14週 下流工程(実装・テスト)
演習課題2
組込みシステムにおける開発プロセスの内,下流工程について説明できる.
組込みシステムの仕様作成および設計を行うことができる.
15週 演習課題2 組込みシステムの仕様作成および設計を行うことができる.
16週 定期試験

評価割合

達成度試験定期試験課題レポート確認テスト合計
総合評価割合40203010100
基礎的能力10510025
専門的能力3015201075