無機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 無機化学Ⅰ
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:古崎毅・奥田弥生・川村靜夫共著「苫小牧工業高等専門学校物質工学科の学生のための無機化学」/参考図書:サイエンスビュー「化学総合資料」実教出版,R.B.Heslop著,斎藤喜彦訳「無機化学 上・下」東京化学同人
担当教員 藤田 彩華

到達目標

1. 有効数字を考慮した計算ができる。
2. 元素の定義、原子の構成要素、同位体、放射性同位体,原子の構造,多くの元素には同位体が存在することを説明することができる。
3. 電子のエネルギー状態は4つの量子数によって支配されていること,電子が電子軌道に収納される際には原則としてPauliの排他律,Hund則及びAufbauの原理に基づいて配置されていること及び電子軌道は定まった形状を有していることを説明できる。
4. 電子配列に基づき,元素の物理的・化学的性質には周期性があることを説明できる。
5. イオン結合・共有結合の特徴,電気陰性度を説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 有効数字を考慮した計算ができる。有効数字を考慮した計算ができ,演習問題において自ら有効数字を考慮し答えを導くことができる。有効数字を考慮した基礎的な計算ができる。有効数字を考慮した基礎的な計算ができない。
2. 元素の定義、原子の構成要素、同位体、放射性同位体,原子の構造,多くの元素には同位体が存在することを説明することができる。元素の定義、原子の構成要素、同位体、放射性同位体,原子の構造,多くの元素には同位体が存在することを説明することができる。元素の定義、原子の構成要素、同位体、放射性同位体,原子の構造,多くの元素には同位体が存在することの内、半数を説明することができる。元素の定義、原子の構成要素、同位体、放射性同位体,原子の構造,多くの元素には同位体が存在することを説明することができない。
3. 電子のエネルギー状態は4つの量子数によって支配されていること,電子が電子軌道に収納される際には原則としてPauliの排他律,Hund則及びAufbauの原理に基づいて配置されていること及び電子軌道は定まった形状を有していることを説明できる。電子のエネルギー状態は4つの量子数によって支配されていること,電子が電子軌道に収納される際には原則としてPauliの排他律,Hund則及びAufbauの原理に基づいて配置されていること及び電子軌道は定まった形状を有していることを説明できる。電子のエネルギー状態は4つの量子数によって支配されていること,電子が電子軌道に収納される際には原則としてPauliの排他律,Hund則及びAufbauの原理に基づいて配置されていること及び電子軌道は定まった形状を有していることの内、半数を説明することできる。電子のエネルギー状態は4つの量子数によって支配されていること,電子が電子軌道に収納される際には原則としてPauliの排他律,Hund則及びAufbauの原理に基づいて配置されていること及び電子軌道は定まった形状を有していることを説明できない。
4. 電子配列に基づき,元素の物理的・化学的性質には周期性があることを説明できる。電子配列に基づき,元素の物理的・化学的性質には周期性があることが説明できる。元素の物理的・化学的性質には周期性があることの基本的な説明ができる。元素の物理的・化学的性質には周期性があることの基本的な説明ができない。
5. イオン結合・共有結合の特徴,電気陰性度を説明することができる。イオン結合・に基づき,元素の物理的共有結合の特徴,電気陰性度を説明することができる。イオン結合・共有結合の特徴,電気陰性度の基本的な説明ができる。イオン結合・共有結合の特徴,電気陰性度の基本的な説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・元素の定義,原子の電子構造,元素の周期性,化学結合についての基礎的知識を教授する。
授業の進め方・方法:
・講義は座学方式で行い,適宜,課題を課すことにより理解を深め,知識定着の状況を点検する。
・学習達成目標を達成できているかどうかを,各章ごとに行う小試験,定期試験及び課題により総合評価する(小試験40%,定期試験40%,課題20%の割合)。合格点は60点である。
・再試験は,学業成績の評価点が60点未満の者を対象として行うことがあり,試験分(80%分)の再評価をするものとする。再試験を受けた学生の成績評価は60点を超えないものとする。
注意点:
・化学Ⅰ,Ⅱで習得した知識が基礎となるので,関連科目についてはよく復習し受講すること。
・実際に学習した知識を身に付けるためには,単に講義を聴くだけでなく自学自習を行い,繰り返し演習問題に取り組む(復習に力を入れる)こと。
・講義時にはノート,筆記用具,電卓,定規を持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1章 数と量,単位
2章 元素について(1)
 ~元素の定義,物質の構成~
有効数字を考慮した計算ができる。
元素の定義、物質の構成(純物質,混合物,単体,化合物)について説明することができる。
2週 2章 元素について(2)
 ~原子構造の解明と歴史的背景,原子の構成要素(原子核,電子,陽子,中性子),原子番号~
原子の構造解明の歴史的背景を説明することができる。原子の構成要素について図示して説明することができる。
3週 2章 元素について(3)
 ~同位体,放射性同位体,放射線,放射性同位体元素の崩壊と半減期~
同位体,放射性同位体,放射線について説明できる。放射性元素の崩壊定数・半減期の算出ができる。
4週 2章 元素について(4)
 ~原子量~
原子の質量から原子の質量欠損が算出できる。
5週 3章 原子の電子構造(1)
 ~水素原子のスペクトル,ラザフォードの原子モデルの量子論的解釈~
電子軌道の不連続性,ラザフォードの原子モデルについて説明できる。
6週 3章 原子の電子構造(2)
 ~ボーアの水素原子モデルとボーア半径,基底状態における水素原子の電子エネルギー~
ボーアの原子モデルについて説明でき,ボーア半径および基底状態における水素原子の電子エネルギーを算出することができる。
7週 3章 原子の電子構造(3)
 ~Rydberg定数の解釈,4つの量子数および電子配置の表示法,Pauliの排他律~
ボーアの原子モデルからRydberg定数を解釈できる。4つの量子数について説明できる。
8週 3章 原子の電子構造(4)
 ~電子軌道,Aufbauの原理,Hundの規則,Aufbauの原理の例外~
各種の電子軌道s軌道,p軌道,d軌道の形状を図を書いて説明できる。Aufbauの原理とHundの規則から電子配置を表示できる。また,例外としてAufbauの原理に基づかない電子配置をとる元素があり,その理由を説明できる。
4thQ
9週 3章 原子の電子構造(5)
 ~有効核電荷および遮蔽定数の定義~
有効核電荷および遮蔽定数について説明できる。
10週 3章 原子の電子構造(6)
 ~Salterによる遮蔽定数の計算~
4章 元素の周期性(1)
 ~電子配列の周期性と周期表~
Salterの方法による遮蔽定数および有効核電荷を算出できる。
電子配列に基づいた元素の周期性を説明できる。
11週 4章 元素の周期性(2)
 ~典型元素と遷移元素,イオン化エネルギーの定義と求め方~
典型元素と遷移元素の電子構造の違いを説明できる。イオン化エネルギーの定義を説明でき算出することができる。
12週 4章 元素の周期性(3)
 ~電子親和力の定義~
5章 化学結合(1)
 ~イオン結晶の定義~
電子親和力,イオン結合の定義を説明することができる。
13週 5章 化学結合(2)
 ~イオン結晶の格子エネルギーの定義と求め方~
イオン結晶の格子エネルギーを算出できる。
14週 5章 化学結合(3)
 ~Born-Harberサイクルを用いた電子親和力の求め方,イオン半径の定義~
Born-Haberサイクルを用いて電子親和力を算出できる。Paulingの仮定からイオン半径が算出できる。
15週 5章 化学結合(4)
 ~共有結合の定義,Paulingによる電気陰性度の求め方~
共有結合および電気陰性度の定義を説明でき,Paulingによる電気陰性度を算出できる。
16週 定期試験

評価割合

小試験定期試験課題合計
総合評価割合404020100
基礎的能力30301575
専門的能力1010525