有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 J. McMurry著,児玉 三明 他訳「マクマリー有機化学概説 第7版」東京化学同人/「HGS分子構造模型 有機化学学生用セット 」丸善出版
担当教員 樫村 奈生

到達目標

アルカン,アルケン,アルキンの化学構造を説明できる。簡単な化合物の官能基を指摘し,IUPAC命名法に関する問題を解くことができる。アルケン・芳香族化合物の代表的な反応を例示できる。共鳴論を用いて,共役ジエンへの1,4-付加,ベンゼンの安定性を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1複雑なアルカン,アルケン,アルキンの化学構造を説明できる。簡単なアルカン,アルケン,アルキンの化学構造を説明できる。アルカン,アルケン,アルキンの化学構造を説明できない。
到達目標2複雑な化合物の官能基を指摘し,IUPAC命名法に関する問題を解くことができる。簡単な化合物の官能基を指摘し,IUPAC命名法に関する問題を解くことができる。簡単な化合物の官能基を指摘し,IUPAC命名法に関する問題を解くことができない。
到達目標3アルケン・芳香族化合物の代表的な反応を例示し,電子論を用いて反応機構を説明できる.アルケン・芳香族化合物の代表的な反応を例示できる。アルケン・芳香族化合物の代表的な反応を例示できない。
到達目標4共鳴論を用いて,共役ジエンへの1,4-付加,ベンゼンの安定性および芳香族化合物の配向性を説明できる。共鳴論を用いて,共役ジエンへの1,4-付加,ベンゼンの安定性を説明できる。共鳴論を用いて,共役ジエンへの1,4-付加,ベンゼンの安定性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 実践性
Ⅲ 国際性

教育方法等

概要:
有機化学を学習する上で基礎となる有機化合物の命名法,立体構造および反応に関する基礎的な知識,アルケンおよび芳香族化合物の代表的な反応に関する基礎的な知識を教授する。教科書・ノート・分子模型を持参すること。
授業の進め方・方法:
原子の構造,化学結合に関する基礎的な知識の理解を前提とする。講義中に用いた化合物を分子模型で作製し,立体構造のイメージトレーニングに励むこと。
注意点:
課題・試験において授業項目に対する達成目標に関する問題を出題し,達成度を総合的に評価する(中間試験35%,定期試験45%,課題20%)。合格点は60点である。成績評価が60点未満の場合は再試験を実施することがあるが,定期試験の実施日に手書きの講義ノート,および期日までに回想カードを提出し,すべての小テストを実施しなかった学生はその対象とはならない。再試験の得点は上記の定期試験と中間試験の占める割合(80%)までとし,再試験を受けた者の成績評価は60点を超えないものとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1. 有機化合物の構造と結合(1章)
1-1 共有結合
有機化学の定義を想起できる。共有結合と極性共有結合について説明できる。
2週 1-2 エタン,エテン,エチンの構造 混成軌道からメタン,エタン,エチレン,エチンの立体構造を説明できる。
3週 2. アルカン(2章)
2-1 IUPAC命名法と官能基
アルカンを命名し,構造式を書くことができる。
4週 2-2 アルカンの性質
2-3 シクロアルカンの立体構造
種々の官能基を持つ化合物を例示しIUPAC命名法で命名できる。シクロヘキサンの立体構造を説明できる
5週 3. アルケンI(3章)
3-1 シス-トランス異性体
シス-トランス異性体を認識し,命名できる。
6週 3-2 IUPAC命名法と官能基 簡単なアルケンを命名できる。
7週 3-3 エテンへのHClの付加反応 エテンへのHClの付加反応の反応機構を説明できる。
8週 4. アルケンII(4章)
4-1 アルケンの求電子付加反応
Markovnikov則から,アルケンの求電子付加反応で得られる生成物を予測できる。
4thQ
9週 中間試験
10週 4-2 共役ジエンと共鳴 共役ジエンへの1,4-付加を説明できる。
11週 4-3 アルキン アルキンとはどの様な化合物か説明できる。
12週 5. 芳香族化合物(5章)
5-1 ベンゼンの構造(電子構造,共鳴,非局在化)
芳香族化合物の共鳴構造を説明できる。
13週 5-2 芳香族化合物の命名法 芳香族化合物の共鳴構造を説明できる。
14週 5-3 芳香族求電子置換反応 芳香族求電子置換反応を例示し,説明できる。
15週 5-4 置換基効果と配向性 置換基効果と配向性を共鳴構造から説明できる。
16週 定期試験

評価割合

中間試験定期試験課題小テスト合計
総合評価割合25352020100
基礎的能力25352020100
専門的能力00000