物理化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 物理化学Ⅰ
科目番号 0011 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 創造工学科(応用化学・生物系共通科目) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書: 福地賢治著 「物理化学」 実教出版/教材:自作プリント、1)P.W.Atkins著 千原秀昭・中村亘男訳「アトキンス 物理化学 第6版」東京化学同人,2)David W.Ball著 田中一義・阿竹徹監訳「ボール 物理化学」化学同人, 3)W.J.Moore著 細矢治夫・湯田坂雅子訳「ムーア 基礎物理化学」東京化学同人, 4)D.A.McQuarrie, J.D.Simon著 千原英昭・齊藤一弥・江口太郎訳「物理化学-分子論的アプローチ」東京化学同人, 5)米山宏著「電気化学」大日本図書.
担当教員 甲野 裕之

到達目標

1.気体の法則を正しく理解できる。
2.熱力学第一法則に基づいてエンタルピー、仕事、内部エネルギーを求めることができる。
3.熱力学第二・第三法則を理解し、エントロピーと化学変化の方向を明らかにできる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1) 気体の法則について正しく理解できる。気体の法則について正しく理解できる。気体の法則について理解できる。気体の法則について理解できない。
2) 熱力学第一法則を理解し、エネルギー保存則により、エンタルピー、仕事、内部エネルギーを求めることができる。熱力学第一法則を理解し、エネルギー保存則により、エンタルピー、仕事、内部エネルギーを求めることができる。熱力学第一法則を理解し、エネルギー保存則により、エンタルピー、仕事、内部エネルギーを求めることができる。熱力学第一法則を理解できない。エネルギー保存則が理解できない。
3) 熱力学第二・第三法則を説明でき、エントロピーと化学変化の方向について説明できる。熱力学第二・第三法則を説明でき、エントロピーと化学変化の方向について計算から正しく求めることができる。熱力学第二・第三法則を説明でき、エントロピーと化学変化の方向について計算ができる。熱力学第二・第三法則を説明できない。エントロピーと化学変化の方向について計算から求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

 Ⅰ 人間性  1 Ⅰ 人間性
 Ⅱ 実践性  2 Ⅱ 実践性
 Ⅲ 国際性  3 Ⅲ 国際性
 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力  5 CP2 各系の工学的専門基盤知識,および実験・実習および演習・実技を通してその知識を社会実装に応用・実践できる力
 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力  7 CP4 他者を理解・尊重し,協働できるコミュニケーション能力と人間力

教育方法等

概要:
この科目は企業で分析技術の手法を担当していた教員が,その経験を活かし,物理化学の基礎について講義形式で授業を行うものである。
物理化学Ⅰでは「気体の性質」、「熱力学第一法則」、「熱力学第二・第三法則」について学習し、熱力学および化学反応に伴う熱移動に関して、その基本となる項目について扱う。
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進めるが、適宜演習を行う。
講義では物理化学分野における「気体の法則」、「熱力学」の基礎的知識について説明する。適宜演習と課題により、その内容の理解度を高める。講義前には教科書の該当部分を予習し、授業終了後には学習内容について復習を心がけること。講義時にはノート、筆記用具、関数電卓を持参すること。ルーブリックへの評価は評価割合に従って決定する(各到達目標にについて演習・課題(20%)、中間試験(40%)、定期試験(40%)で評価し、合格点は60点以上とする)。
注意点:
履修にあたっては、微分・積分の知識が必要であるので、復習しておくこと。また演習では関数電卓を使用するので用意すること。
学業成績が60点に未満のもの対して再試験を実施する場合がある。この場合、再試験の成績は定期試験の成績に置き換えて再評価を行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 気体の法則(1) 気体の法則を理解できる。
2週 気体の法則(2) 気体の分子速度論から圧力を定義できる。
3週 気体の法則(3) 気体の分子速度と圧力の関係から、理想気体の方程式を説明できる。
4週 気体の法則(4) 実在気体の特徴と状態方程式の関係を説明できる。
5週 気体の法則(5) 臨界現象と臨界点近傍の特徴について説明できる。
6週 気体の法則(6) 混合気体についてモル分率と分圧を計算できる。
7週 熱力学第一法則(1) 熱力学の第一法則を定義し、熱・仕事・内部エネルギーについて説明できる。
8週 熱力学第一法則(2) 熱力学の第一法則を定義し、熱・仕事・内部エネルギーについて説明できる。
4thQ
9週 熱力学第一法則(3) 熱容量の定義と反応熱について理解できる。
10週 熱力学第一法則(4) 標準生成エンタルピーを計算できる。
11週 熱力学第一法則(5) エンタルピーの温度依存性を説明し、計算できる。
12週 熱力学第二・第三法則(1) 化学反応におけるエントロピー変化を説明できる。
13週 熱力学第二・第三法則(2) 純物質の絶対エントロピーを説明できる。
14週 熱力学第二・第三法則(3) 標準生成自由エネルギーを計算できる。
15週 熱力学第二・第三法則(4) 反応における自由エネルギー変化から平衡定数を計算できる。
16週 定期試験

評価割合

達成度評価定期試験演習・課題合計
総合評価割合404020100
基礎的能力32321680
専門的能力88420