機構運動

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 機構運動
科目番号 M4-2200 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 林輝, 伊藤高廣共著,運動とメカニズム,コロナ社/酒井高男著,機構学大要,養賢堂など
担当教員 淺野 政之

到達目標

1) 機構学の役割や基本的な用語について理解する.
2) 学習した機構の各部分の運動について理解し,基礎的な計算をすることができる.
3) 学習した機構による動力伝達の仕組みを理解し,基礎的な計算をすることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機構学の役割,対偶と機構,瞬間中心と速度の相似則について詳細に説明でき,シャベルローダ,パワーショベルなどの複雑な機構の自由度を計算できる.機構学の役割,対偶と機構,瞬間中心と速度の相似則について正確に説明でき,単純な機構の自由度を計算できる.機構学の役割,対偶と機構,瞬間中心と速度の相似則について正確に説明できず,単純な機構の自由度を計算できない.
評価項目2リンク,カム機構の仕組みと各部の運動を詳細に説明でき,変位,瞬間速度と必要な寸法・形状を計算できる.リンク,カム機構の仕組みと各部の運動を正確に説明でき,変位,瞬間速度を計算できる.リンク,カム機構の仕組みと各部の運動を正確に説明できず,変位,瞬間速度をできない.
評価項目3歯車,ベルト伝動機構による動力伝達の仕組みを詳細に説明でき,伝達速度比,動力を計算できる.歯車,ベルト伝動機構による動力伝達の仕組みを正確に説明でき,伝達速度比を計算できる.歯車,ベルト伝動機構による動力伝達の仕組みを正確に説明できず,伝達速度比を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工業力学、材料力学、加工・材料学などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,流体・熱・機械力学等力学関連科目、電気・計測等制御関連科目、設計技術関連科目、情報技術関連科目などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
機構学の役割,対偶と機構の自由度,種々の座標系における点および物体の変位,速度と加速度の表示方法,瞬間中心と速度の相似則について学習した後に,機構の具体な機構としてリンク機構,カム機構,歯車,摩擦伝動装置の各部の運動(変位,速度)の図式解法および数式による解法を学習する.講義と課題が中心になる.
授業の進め方・方法:
機構学では機械の動きを理解し,運動の種類や伝達する力,トルクの大きさを変える方法,装置を学び機械設計の基礎知識を修得する.このため,機械を構成する基本的な機構であるリンク,カム,歯車,摩擦伝動装置などについて講義する.授業は項目毎に講義を行って基礎知識を得た後,演習と課題により理解を深め応用力を養う.
注意点:
 講義には関数電卓を持参すること.また,数学や力学の基礎知識が必要となるので,講義に加え自学自習のための課題を課す.課題は添削して達成度を評価し,達成されていない場合には再提出を求める.また,課題は評価法に従って成績に反映させる.

「環境・生産システム工学」教育プログラム学習・教育到達目標:定期試験(D-iv,E-ii,F-i,40%),小テスト(D-iv,E-ii,F-i,40%),課題等(D-iv,E-ii,F-i,20%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・機械と機構,機構学に関する用語 ・機構学の定義,対偶と連鎖と機構の概念を説明できる.
2週 ・対偶と機構の自由度 ・対偶と機構の自由度について説明でき,単純な機構の自由度を計算できる.
3週 ・点と物体の運動の表示方法 ・複素数を用いて点や物体の位置,速度を計算できる.
4週 ・速度の相似則と瞬間中心 ・瞬間中心と速度の相似則を説明でき,瞬間中心を求め物体の速度を求めることができる.
5週 ・リンク機構(1)4節回転機構 ・各リンク機構の仕組み,特徴を説明できる.
6週 ・リンク機構(2)機構の変位,速度,加速度の解析 ・リンク機構各部の変位,速度,加速度を求めることができる.
7週 ・カムの種類とカム曲線 ・カムの種類,形と運動の特徴を説明できる.
8週 ・カムの運動とカム線図 ・カム線図について説明できる.
2ndQ
9週 ・歯車と歯車の種類 ・歯形曲線と歯車の種類を説明できる.
10週 ・インボリュート歯車 ・インボリュート曲線を説明できる.
11週 ・歯車装置 ・インボリュート歯車のかみ合い条件,伝達速度,動力を説明できる.
12週 ・車輪走行と摩擦車 ・摩擦走行の原理,仕組みを説明できる.
13週 ・ベルト伝動 ・ベルト伝動の仕組み,ベルト張力,回転速度と伝達動力の関係を説明できる.
14週 ・巻き上げ機 巻き上げ機の原理を説明できる.
15週 ・前期定期試験
16週

評価割合

定期試験小テスト課題・演習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合404020000100
基礎的能力20201000050
専門的能力20201000050
分野横断的能力0000000