材料力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 材料力学Ⅱ
科目番号 M4-2211 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:3
教科書/教材 台丸谷政志,小林秀敏著,基礎から学ぶ材料力学,森北出版/日本機械学会,JSMEテキストシリーズ 材料力学,日本機械学会
担当教員 淺野 政之

到達目標

1. はりの微分方程式を理解し,たわみと曲げ応力を求めることができる.

2. ひずみエネルギー,カステリアノの定理を説明でき,はりのたわみなどを計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1: はりの微分方程式を誘導し,たわみを計算できるか.はりの微分方程式を誘導でき,集中荷重,等分布荷重,三角分布荷重が負荷される代表的なはりのたわみを計算できる.また,不静定はりの問題へも応用できる.はりの微分方程式を説明でき,集中荷重,等分布荷重,三角分布荷重が負荷される代表的なはりのたわみを計算できる.はりの微分方程式を説明できない.また,集中荷重,等分布荷重,三角分布荷重が負荷される代表的なはりのたわみを計算できない.
評価項目2:仮想荷重を用いてひずみエネルギーを求め,変位,たわみ,ねじり角を計算できるか.カスティリアノの定理を用いて真直棒の伸び,ねじり角,たわみの他,衝撃荷重や曲がりはり,不静定問題へも応用できる.軸力,ねじり,曲げを受ける真直棒のひずみエネルギーを計算でき,カスティリアノの定理を用いて伸び,ねじり角,たわみの計算ができる.軸力,ねじり,曲げを受ける真直棒のひずみエネルギーを計算できない.また,カスティリアノの定理を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(2) いくつかの工学の基礎的な知識・技術を駆使して実験を計画・遂行し,データを正確に解析し,工学的に考察し,かつ説明・説得する能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工業力学、材料力学、加工・材料学などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,流体・熱・機械力学等力学関連科目、電気・計測等制御関連科目、設計技術関連科目、情報技術関連科目などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
 材料力学Ⅰで学習した軸力(引張りと圧縮荷重,熱荷重),せん断力,ねじり,曲げ荷重を受ける真直棒の応力と変形(曲げ荷重に対するたわみは除く),トラスの軸力と変形評価方法を基本として,はりのたわみの評価方法を学習する.また,別の変形解析方法としてひずみエネルギーを用いるカスティリアノの定理を学習し,解法の幅を広げると共に曲がりはり,衝撃荷重,不静定問題など,将来ものづくりで出会う問題への対応能力を高めることを目標とする.
授業の進め方・方法:
 強度設計,評価の基本として,外力が作用する弾性体の応力,ひずみ評価を対象とする.負荷方法と変形メカニズム,応力と変形の計算法を講義し,材料特性と比較して部材の厚さ,幅などを決定する能力を養う.第4学年では不静定はり,非対称曲げなどのより高度なはりの問題,ひずみエネルギーを応用したはり,トラスなどの変形評価の順に講義する.講義は変形,応力発生メカニズムの理解のため応力などを求める式の誘導に重点をおき,演習と課題により応用力を養う.
注意点:
 演習問題を計算するため,電卓を持参すること.また,第3学年で学習した引張り圧縮,ねじり,曲げに対する応力,ひずみ,変形評価が基礎になるので,十分復習しておくこと.実力養成には課題で自学自習に取り組むことが不可欠で,課題内容により目標達成を評価し,達成されていない場合には再提出を求める.また,課題の取り組みには,数学の力が必要であり,適宜復習が必要である.
JABEE学習・教育到達目標評価 : 定期試験(D-iv,E-ii,F-i,40%),小テスト(D-iv,E-ii,F-i,40%),課題・演習(D-iv,E-ii,F-i,20%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 材料力学Ⅰ復習(軸荷重,トラス,熱応力) 引張りおよび熱荷重に対する応力,ひずみ,変形の式を誘導し,数値解を求めることができる.
2週 材料力学Ⅰ復習(丸棒のねじりによる変形とせん断応力,動力とトルク) ねじり荷重に対する応力,ひずみ,変形の式を誘導し,数値解を求めることができ,動力とトルクの変換ができる.
3週 材料力学Ⅰ復習(張りの曲げ応力,断面一次モーメントと図心,断面二次モーメントと断面係数) 曲げモーメントの式を求め,基本的なはりの応力とひずみを計算できる.
4週 2-1 はりのたわみの式
5週 2-1 はりのたわみの式
2-2 片持ちはりのたわみ
はりのたわみの微分方程式を理解できる.
6週 2-2 片持ちはりのたわみ 片持ちはりのたわみを計算できる.
7週 2-3 単純支持はりのたわみ
8週 2-3 単純支持はりのたわみ
2-4 不静定はり
単純支持はりのたわみを計算できる.
2ndQ
9週 2-4 不静定はり
2-5 非対象曲げ
たわみを不静定はりに応用できる.非対象曲げ応力を計算できる.
10週 3-1 ひずみエネルギー ひずみエネルギーを説明でき,基礎的な荷重や形状に対して計算できる.
11週 3-2 エネルギー原理とカスティ
   リアノの定理
カスティリアノの定理を説明でき,棒の変形計算ができる.
12週 3-3 静定トラスの変形と不静定
   トラス
カスティリアノの定理をトラスに適用して変形や荷重を計算できる.
13週 3-4 はりの変形と不静定はりへ
   の応用
14週 3-4 はりの変形と不静定はりへ
   の応用
カスティリアノの定理をはりに適用してたわみや荷重を計算できる.
15週 3-5 不静定ねじり部材への応用 カスティリアノの定理をねじりに適用してねじり角やトルクを計算できる.
16週 前期定期試験

評価割合

定期試験小テスト課題・演習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合404020000100
基礎的能力20201000050
専門的能力20201000050
分野横断的能力0000000