材料力学Ⅲ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 材料力学Ⅲ
科目番号 M5-2212 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 基礎から学ぶ材料力学/JSMEテキストシリーズ 材料力学
担当教員 野口 勉

到達目標

1) 引張,せん断と捩りおよび曲げについての基礎事項を確認し理解を深め演習課題を解くことができること.総じて不連続性や不確実性を有する物質を巨視的に捉え,質点の連続的な集合体,すなわち等質・等方性の連続体に理想化して扱う「連続体力学」の一分野である弾性力学によって成り立っていることを理解できること.
2)材料力学で用いられる数学,物理の基本を序章として復習し,演習問題を主体として,力学的な解法を理解できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 引張,せん断と捩りおよび曲げについての基礎事項を確認し理解を深め演習課題を解くことができる.総じて弾性体と剛体,ばねの違いを説明できる.引張,せん断と捩りおよび曲げについての基礎事項を確認し理解を深め演習課題を解くことができる.総じて弾性体と剛体,ばねの関係について説明できる.引張,せん断と捩りおよび曲げについての基礎事項を理解して,弾性体と剛体,ばねについて説明できる.引張,せん断と捩りおよび曲げについての基礎事項を理解せず,弾性体と剛体,ばねについても説明できない.
評価項目2 機械材料(弾性体含む)に生じる各種の荷重・応力・ひずみについて理解し,説明ができ,問題を解くことができる. 機械材料(弾性体含む)に生じる各種の荷重・応力・ひずみについて理解し,説明ができ,複合的な応用問題を解くことができる.機械材料(弾性体含む)に生じる各種の荷重・応力・ひずみについて理解し,基本問題を解くことができる。 機械材料(弾性体含む)に生じる各種の荷重・応力・ひずみについて説明することができない.
評価項目3 材料力学分野での安全設計計算に重要な位置づけである,はりの曲げ応力やたわみについて理解し,設計計算ができる.はりの曲げ応力,断面二次モーメント,断面係数,たわみについて理解し,複合的な応用問題を解くことができる.はりの曲げ応力,断面二次モーメント,断面係数,について理解し,基本問題を解くことができる.はりの曲げ応力についての説明や基本問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(4) (工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を解決し,適切に対応する基礎的な能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (g) 自主的,継続的に学習できる能力
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
学科目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工業力学、材料力学、加工・材料学などを通して,工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
学科目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,流体・熱・機械力学等力学関連科目、電気・計測等制御関連科目、設計技術関連科目、情報技術関連科目などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
軸力(引張りと圧縮荷重,熱荷重),せん断力,ねじりトルク,曲げ荷重を受ける真直棒の応力と変形の評価方法を学習する.また,ひずみエネルギーによる変形解析方法の拡張,単軸問題から二次元問題への次元の拡張を行なう.また,材料力学的に安全設計計算が必要不可欠である実践的な問題への対応能力を確かなものにすることを目標とする.
授業の進め方・方法:
機械設計の基礎となる材料力学の高度な専門知識を習得するために,この学年では総まとめとして理論と力学計算を学習する.材料力学では一般的に文字による理論式に数値を代入して計算を行う.
注意点:
演習問題を計算するため,電卓を持参すること.また,引張り圧縮,ねじり,曲げに対する応力,ひずみ,変形評価が基礎になる.実力養成には課題で自学自習に取り組むことが重要で,課題内容により目標達成を評価し,達成されていない場合には再提出を求める.また,課題の取り組みには,数学の力が必要であり,適宜自学自習(予習・復習)が必要である.

評価割合 : 定期試験(中間確認試験30%+期末試験40%=70%),課題・演習(演習レポート30%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序章.物理数学的知識の復習
・微分積分法,三角関数,関数のグラフ
・材料力学で使われる単位系
力学全般の基礎となる物理数学について理解し,工学単位系について説明できる.
2週 1. 荷重,垂直応力,ひずみ
1.1 荷重
1.2 垂直応力
材料にかかる荷重と応力,ひずみについて理解し計算できる.
3週 1. 荷重,垂直応力,ひずみ
1.3 ひずみ
1.4 引張,圧縮応力とひずみの関係
材料の引張,圧縮応力とひずみの関係について理解し計算できる.
4週 3. 熱応力
演習・基本問題 3
熱応力について理解し計算できる.
5週 4. せん断応力とせん断ひずみ
演習・基本問題 4
せん断応力とせん断ひずみについて理解し計算できる.
6週 5. ねじり
5.1 丸棒のねじり
5.2 不静定問題
丸棒のねじり,不静定問題について理解し計算できる.
7週 総合演習問題 これまでの内容について総合的に理解し基本的な問題を解くことができる.
8週 中間確認試験 これまでの基礎的な内容について理解し,実践的な問題を解くことができる.
2ndQ
9週 8. 衝撃応力
8.1 弾性エネルギー
8.2 衝撃応力
弾性エネルギーと衝撃応力について理解し計算できる.
10週 6. はりの曲げ
6.1 支点反力
6.2 せん断力と曲げモーメント
支点反力とせん断力および曲げモーメントについて理解し計算できる.
11週 6. はりの曲げ
6.3 断面二次モーメント 
6.4 曲げ応力 
断面二次モーメントと曲げ応力について理解し計算できる.
12週 7. はりのたわみ
7.1 静定はりのたわみ
7.2 不静定はりのたわみ
静定はり及び不静定はりのたわみについて理解し計算できる.
13週 7. はりのたわみ
7.3 エネルギー法(カスティリアノの定理) 
7.2 不静定はりのたわみ
カスティリアノの定理について理解し計算できる.
14週 9. 長柱の座屈
演習・基本問題 8,9
長柱の座屈について理解し,基本的な問題を解くことができる.
15週 定期試験 これまでの内容について総合的に理解し,実践的な問題を解くことができる.
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合700000300100
基礎的能力30000015045
専門的能力40000015055
分野横断的能力00000000