応用有機化学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用有機化学
科目番号 S4-5130 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 L. M. Harwood, T. D. W. Claridge著,岡田惠次,小嵜正敏 訳「有機化合物のスペクトル解析入門 -UV, IR, NMR, MS-」化学同人/K. P. C. Vollhardt他著,古賀憲司他監訳「ボルハルト・ショアー現代有機化学(上・下)」(第3版)」化学同人,J. McMurry著,伊東他訳「マクマリー有機化学(上・中・下)(第3版)」東京化学同人,R. T. Morrison, R. N. Boyd 著,中西他訳「モリソン・ボイド有機化学(上・中・下)(第6版)」東京化学同人,R. M. Silverstein他著,荒木 峻他訳「有機化合物のスペクトルによる同定法-MS,IR,NMR,UVの併用(第7版)」東京化学同人,M. Hesse他著,馬場章夫他訳「有機化学のためのスペクトル解析法」化学同人,後藤俊夫他監修「有機化学実験のてびき2構造解析」化学同人,K. P. C. Vollhardt, N. E. Schore, “Organic Chemistry: Structure and Function 4TH Edition”, Freeman & Co., 2002.
担当教員 橋本 久穂

到達目標

有機化合物の基本的な構造解析(IR,NMR)を実行するための基礎知識を持ち,データを処理し結果を導き出すことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1有機化学で用いる分光器について十分に説明できる。有機化学で用いる分光器について概要を説明できる。有機化学で用いる分光器について概要を説明できない。
到達目標2IRスペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できる。IRスペクトルを参考文献等の情報を用いて概ね解析できる。与えられたIRスペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できない。
到達目標3簡単な化合物の構造解析を,NMR,IRを併用して実施できる。簡単な化合物の構造解析を,NMR,IRを併用して概ね実施できる。簡単な化合物の構造解析を,NMR,IRを併用して実施できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (c) 数学及び自然科学に関する知識とそれらを応用できる能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
物質工学科の学習・教育到達目標 2 ものづくりに関係する工学分野のうち,応用有機化学,高分子化学,品質管理,化学工学Ⅰ・Ⅱ,反応工学,機器分析,環境化学,卒業研究に加え,材料化学コースでは無機材料化学,有機材料化学,材料工学実験,生物化学コースでは遺伝子・タンパク質工学,生物工学実験などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅱ 自然科学に関する基礎的な問題を解くことができる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
この授業では有機構造解析について概観する。すなわち,有機化合物の構造を決定するために使われる各種分光法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
予習・復習を行うこと。また,授業項目毎に演習課題を出すので,それをもとに自学自習により取り組むこと。演習課題は採点後,返却する。
定期試験では,達成目標に挙げた知識と能力が身についていることを,社会的に要求される水準(国際的な水準)以上の内容の問題の出題に十分に配慮した試験で達成度評価を行う.
到達目標に関する内容の定期試験,中間試験,課題により総合評価する(定期試験60%,中間試験30%,課題10%).合格点は60点である.成績評価が60点未満の場合は再試験(全授業項目を出題範囲とする)を実施することがある.ただし,再試験の得点は上記の定期試験と中間試験の占める割合(90%)までとし,再試験を受けた者の成績評価は60点を超えないものとする.
注意点:
受講にあたってはノート,筆記用具,電卓・定規を準備すること。「有機化学」を基礎とする教科である。これらの知識を十分整理した上で受講してほしい。
自学自習時間として,日常の授業のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題,および各試験の準備のための勉強時間を総合したものとする。30時間の自学自習時間が必要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1 有機化合物のスペクトルによる構造解析,スペクトル法とは? 有機化合物の構造とスペクトルによる構造解析法の概略を想起できる。
2週 2 有機化学で用いる分光器(IR, NMR, MS) 有機化学で用いる分光器について概要を説明できる。
3週 3 赤外線吸収スペクトル法とは,理論,分子の振動と回転 赤外線吸収スペクトル法の理論の概要を説明できる。
4週 4 装置,試料の調製 装置のメンテナンスと測定試料の調整,測定に必要な基本知識を説明できる。
5週 5 スペクトルの解析法 与えられたIRスペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できる。
6週 6 赤外線吸収スペクトル法による構造解析演習(PowerPoint使用) 与えられたIRスペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できる。
7週 7 赤外線吸収スペクトル法による構造解析演習(続) 与えられたIRスペクトルを参考文献等の情報を用いて解析できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 8 核磁気共鳴スペクトル法とは? 核磁気共鳴法について装置の概要と測定法に関する基本的な知識を説明できる。

10週 9 理論,装置の概要と測定法,試料の調製
11週 10 ケミカルシフトと積分曲線 化学シフトが何故発生するかを説明でき,主だった官能基,置換基の化学シフトを文献値から求めることができる。積分曲線からの情報を理解して利用できる(定量)。
12週 11 多重度とスピン結合定数(PowerPoint使用) 多重度,スピン-スピン結合定数について理解し,説明できる。
13週 12 スペクトル解析法(PowerPoint使用) 簡単な化合物の構造解析(定性)を,IRを併用して実施できる。
14週 13 構造が推定される場合の解析法 簡単な化合物の構造解析(定性)を,IRを併用して実施できる。
15週 14 構造が推定されない場合の解析法(演習) 簡単な化合物の構造解析(定性)を,IRを併用して実施できる。
16週 定期試験

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合306010100
基礎的能力0000
専門的能力306010100