反応工学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 反応工学
科目番号 S5-5635 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 化学工学会監修 多田豊編「化学工学(改訂第3版)-解説と演習-」朝倉書店O. Levenspil, “Chemical Reaction Engineering, 3rd Edition”, John Wiley & Sons. ,1998
担当教員 平野 博人

到達目標

1.化学反応を分類し,回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の違いを十分に説明できる。
2.反応の量論的関係を理解し,反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができる。
3.反応速度の定義について理解し,さまざまな場合における反応速度式を導き出すことができる。
4.回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。さらに,それぞれの反応器の性能の違いを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1化学反応を分類し,回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の違いを十分に説明できる。化学反応を分類し,回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の違いを説明できる。化学反応を分類し,回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の違いを説明できない。
到達目標2反応の量論的関係を理解し,反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができる。反応の量論的関係から反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができる。反応の量論的関係から反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができない。
到達目標3反応速度の定義について理解し,さまざまな場合における反応速度式を導き出すことができる。反応速度の定義について理解し,基本的な反応速度式を導き出すことができる。反応速度の定義について理解し,基本的な反応速度式を導き出すことができない。
到達目標4回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。さらに,それぞれの反応器の性能の違いを説明できる。回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(1) 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請高等教育機関が規定するものとする)の知識と能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (d)(4) (工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を解決し,適切に対応する基礎的な能力
JABEE基準1 学習・教育到達目標 (e) 種々の科学,技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
物質工学科の学習・教育到達目標 2 ものづくりに関係する工学分野のうち,応用有機化学,高分子化学,品質管理,化学工学Ⅰ・Ⅱ,反応工学,機器分析,環境化学,卒業研究に加え,材料化学コースでは無機材料化学,有機材料化学,材料工学実験,生物化学コースでは遺伝子・タンパク質工学,生物工学実験などを通して,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける。
学習目標 Ⅱ 実践性
学校目標 D(工学基礎) 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識と応用力を身につける
本科の点検項目 D-ⅳ 数学,自然科学,情報技術および工学の基礎知識を専門分野の工学的問題解決に応用できる
学校目標 E(継続的学習) 技術者としての自覚を持ち,自主的,継続的に学習できる能力を身につける
本科の点検項目 E-ⅱ 工学知識,技術の修得を通して,継続的に学習することができる
学校目標 F(専門の実践技術) ものづくりに関係する工学分野のうち,得意とする専門領域を持ち,その技術を実践できる能力を身につける
本科の点検項目 F-ⅰ ものづくりや環境に関係する工学分野のうち,専門とする分野の知識を持ち,基本的な問題を解くことができる

教育方法等

概要:
 反応工学は,実験や観測で得られたデータがどのような現象に基づくのかという反応解析と,希望する製品を必要量だけ生産するための装置を決める反応器設計からなる。ここでは,実験装置での反応の結果を定量的に解析し,その結果に基づく工業反応装置の設計および反応条件の設定についての基礎的事項を教授する。
授業の進め方・方法:
 授業には,ノート,電卓,定規,グラフ用紙を用意すること。
 授業項目毎に配布される演習課題に自学自習により取り組むこと。演習問題は添削後,目標が達成されていることを確認し,返却します。目標が達成されていない場合には,再提出を求めます。演習課題の8割以上を提出することが必要です。
 授業項目に対する達成目標に関する内容の試験および演習で総合的に達成度を評価する。定期試験45%,中間試験35%,演習20%の割合で総合的に評価する。合格点は60点である。
注意点:
 自学自習時間(30時間の自学自習が必要)として,日常の授業のための予習復習時間,理解を深めるための演習課題,および各試験の準備のための現況時間を総合したものとする。
 評価が60点未満のものに対して再試験を実施することがあるが,課題提出や授業態度等が著しく不良な場合はこの受験を認めない。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 反応工学の概要
 化学反応の分類および反応器の分類
化学反応を分類し,回分反応器,連続攪拌槽反応器,流通管型反応器の違いを説明できる。
2週 反応の量論的関係(1) 反応の量論的関係を理解し,反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができる。
3週 反応の量論的関係(2) 反応の量論的関係を理解し,反応率,モル分率,分圧などを計算により求めることができる。
4週 反応速度(1)
 反応速度の定義および反応速度式
反応速度の定義について説明できる。
5週 反応速度(2)
 反応速度定数と反応次数の決定法
反応速度式を導き出すことができる。
6週 反応速度(3)
 擬定常状態の近似および律速段階の近似
擬定常状態の近似および律速段階の近似を用いて,反応速度式を導き出すことができる。
7週 反応速度(4)
 不均一系触媒反応の速度式およびアーレニウス式
不均一系触媒反応の速度式を導き出すことができる。また,アーレニウス式について説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 反応器の設計式(1)
 回分反応器の設計式
回分反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。
10週 反応器の設計式(2)
 連続攪拌槽反応器の設計式
連続攪拌槽反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。
11週 反応器の設計式(3)
 連続攪拌槽反応器の設計式
連続攪拌槽反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。
12週 反応器の設計式(4)
 流通管型反応器の設計式
流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。
13週 反応器の設計式(5)
 流通管型反応器の設計式
流通管型反応器の設計計算をし,反応率,反応時間,反応器の体積を求めることができる。
14週 反応器の設計式(6)
 反応器の形式による性能の比較
反応器の形式による性能の違いを理解し,反応器の体積を求めることができる。
15週 反応器の設計式(7)
 反応器の形式による性能の比較
反応器の形式による性能の違いを理解し,反応器の体積を求めることができる。
16週

評価割合

試験演習合計
総合評価割合8020100
基礎的能力20020
専門的能力602080
分野横断的能力000