エンジニアリングデザイン

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 エンジニアリングデザイン
科目番号 0023 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子・生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書:自作プリント/参考図書:松林光男、渡部弘「工場のしくみ」日本実業出版社、発明学会「図解わかる特許・実用新案」新星出版社、JIDA「プロダクトデザイン」編集委員会「プロダクトデザイン」ワークスコーポレーション
担当教員 長谷川 聡,村本 充

到達目標

1. 工場と製品開発のしくみを理解し、QCDの重要性について説明できる。
2. 原価のしくみを理解し、損益分岐点に関する問題を解くことができる。
3. 問題解決法を理解し、自らの課題について解決策を立案することができる。
4. 特許制度および請求項の重要性について説明できる。
5. 「もの」を取り巻く世界における作り手側であるエンジニアの役割と、製品開発においては常にユーザーファーストの視点であることを説明できる。
6. 工学技術に基づく問題発見・解決力のみではなく、デザイン思考などを取り入れた創造的な開発がエンジニアに求められていることを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1工場と製品開発のしくみを理解し、QCDの重要性について説明できる。工場と製品開発のしくみを理解し、QCDの重要性について説明できる。工場と製品開発のしくみを理解していない。QCDの重要性について説明できない。
評価項目2原価のしくみを理解し、損益分岐点に関する問題を解くことができる。原価のしくみを理解し、損益分岐点に関する基本的な問題を解くことができる。原価のしくみを理解していない。損益分岐点に関する問題を解くことができない。
評価項目3問題解決法を理解し、自らの課題について解決策を立案することができる。問題解決法を理解し、自らの課題について解決策を検討することができる。問題解決法を理解していない。自らの課題について解決策を立案することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 仕様策定から納品までの製品開発の一連の流れを理解し、広い視野を持って要求された仕様を満足する製品設計を行うための基礎を習得する。特に、コスト意識を持ち、知的財産の重要性を理解して、問題解決に取り組むことができるエンジニアとなることを目指します。
 「もの」を取り巻く世界における作り手側であるエンジニアの役割と、製品や空間の設計においては常にユーザーファーストの視点(安心・安全)が重要であること、また、従来の工学技術に基づく問題発見・解決力のみではなく、これからは、デザイン思考などを取り入れた創造的な開発をすることもエンジニアに求められていることについて学ぶ。
 全15週のうち、第1週から第9週の授業は、企業で通信機器の研究開発を担当していた教員が担当する。また、第10週から15週の授業は、企業で建築・空間・製品のデザインと設計を担当していた教員が担当する。
授業の進め方・方法:
講義を中心に授業を進めるが、調べ学習、グループワークおよび発表を適宜行う。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習の課題として、調べ学習やレポートを課します。
注意点:
「環境・生産システム工学」教育プログラム学習・教育目標H-1の判定は、この科目のレポートに基づいて判定されます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 学習目的、達成目標を理解する。エンジニアリングデザインの重要性を説明できる。
2週 工場のしくみと製品開発 製品開発の核となる工場の仕組み、製品開発で重要となるQCD(品質、コスト、納期)について説明できる。
3週 原価と損益分岐点 原価の仕組みを理解し、損益分岐点の計算ができる。
4週 限界利益による経営判断 簡単な事例にいて、限界利益を用いて経営判断を行うことができる。
5週 QCによる問題解決法 QCストーリーの基本ステップとQCツールを活用法を理解し、自らの課題に応用できる。
6週 プレゼンテーション 資料の見せ方で聞き手の印象が違うことを体験により理解する。
7週 特許:知的財産の権利化 知的財産権の種類について説明できる。特許出願のフローと出願明細書の記載内容について説明できる。特許検索を行うことができる。
8週 特許:請求項の重要性 効果的な請求項の書き方について説明できる。
2ndQ
9週 製品とは?─製品を取り巻く世界 家電,自動車,公共空間製品など、工学的技術をベースに実現する製品の世界と、科学技術の発展や未利用の産業材料の用途開発が導く製品の世界を理解する。
10週 製品のデザイン─エンジニア、デザインエンジニア、デザイナーの役割 製品に関わる各職能の職域を学び、機能が集約し、所有する製品が少なくなっていくことで豊かになるユーザーの暮らしとを理解する。
11週 「ものづくり」と「ことづくり」  ユーザエクスペリエンスデザイン ユーザーの暮らしは、製品(もの)のデザインだけではなく「こと=体験のデザイン」も重要になっていることを理解する。
12週 これまでの製品のデザインと開発
問題発見と課題解決,産業材料の用途開発
製品は、工学的パーツを構造化して実現しており、それを応用し新たな用途開発をすることの重要性を理解する。
13週 誰のためのデザイン?
アフォーダンス,ユーザビリティ,ユニバーサルデザイン
製品は健常者のみのためではないことを理解し、ユニバーサルデザインにまつわる用語とその範疇を正しく理解する。
14週 創造的発想力
アドバンスデザインを導くデザイナーのバックキャスティング,デザイン思考
デザイナーだけではなく、エンジニアも同様に、今までにない全く新しい製品を考えていかなくてはならないことを理解する。
15週 まとめ
デザインとエンジニアリングのこの先の動向
9週目からの、製品のデザインとエンジニアリングの講義の概観を理解する。
16週 定期試験

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000