材料科学

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 材料科学
科目番号 0003 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書:なし/参考書:Scientific American編,黒田晴雄訳「材料の科学」共立出版,坂田 亮著「物性科学」培風館,杉本 彰著「物質の機能を使いこなす」裳華房,大谷杉郎著「つくる立場から見た複合材料入門」裳華房,常山昌男・山本良一編「複合材料」東京大学出版会,J.S.Reed, “Principles of Ceramics Processing” 2nd Edition, Wiley Interscience, 1995.
担当教員 古崎 毅

到達目標

1.結晶と非晶質の構造及び特性の相違点,結晶内に存在する種々の転移,金属の変形に対する転移の効果および液晶の物性と液晶ディスプレイの作動原理を説明できる。
2.アモルファス材料の製造法,特性及び用途について説明できる。
3.焼結体を作製する工程,機能に応じた焼結体の応用例を説明できる。
4.高分子材料の成り立ち,構造,性質を決める主な要因及びポリマーアロイの合成方法とその用途を説明できる。
5.天然に存在する複合材料の優れた点,複合化による機能性材料設計の基本的な考え方を説明できるとともに積層による複合材料の製造方法を概説できる。
6.公害問題や危険物の特性を学び,安全性・有害性を視野に入れた材料の取り扱い方が説明でき,環境問題についての私見を述べ,討論できる。
7.地球温暖化の問題点,限りある資源の有効利用,注目されている新資源を説明でき,環境問題,リサイクルについての私見を述べ,討論できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
1.結晶と非晶質の構造及び特性の相違点,結晶内に存在する種々の転移,金属の変形に対する転移の効果および液晶の物性と液晶ディスプレイの作動原理を説明できる。結晶と非晶質の構造及び特性の相違点,結晶内に存在する種々の転移,金属の変形に対する転移の効果および液晶の物性と液晶ディスプレイの作動原理を説明できる。結晶と非晶質の構造及び特性の相違点,結晶内に存在する種々の転移,金属の変形に対する転移の効果および液晶の物性と液晶ディスプレイの作動原理の基本的な説明ができる。結晶と非晶質の構造及び特性の相違点,結晶内に存在する種々の転移,金属の変形に対する転移の効果および液晶の物性と液晶ディスプレイの作動原理の基本的な説明ができない。
2.アモルファス材料の製造法,特性及び用途について説明できる。アモルファス材料の製造法,特性及び用途について説明できる。アモルファス材料の製造法,特性及び用途の基本的な説明ができる。アモルファス材料の製造法,特性及び用途の基本的な説明ができない。
3.焼結体を作製する工程,機能に応じた焼結体の応用例を説明できる。焼結体を作製する工程,機能に応じた焼結体の応用例を説明できる。焼結体を作製する工程,機能に応じた焼結体の応用例の基本的な説明ができる。焼結体を作製する工程,機能に応じた焼結体の応用例の基本的な説明ができない。
4.高分子材料の成り立ち,構造,性質を決める主な要因及びポリマーアロイの合成方法とその用途を説明できる。高分子材料の成り立ち,構造,性質を決める主な要因及びポリマーアロイの合成方法とその用途を説明できる。高分子材料の成り立ち,構造,性質を決める主な要因及びポリマーアロイの合成方法とその用途の基本的な説明ができる。高分子材料の成り立ち,構造,性質を決める主な要因及びポリマーアロイの合成方法とその用途の基本的な説明ができない。
5.天然に存在する複合材料の優れた点,複合化による機能性材料設計の基本的な考え方を説明できるとともに積層による複合材料の製造方法を概説できる。天然に存在する複合材料の優れた点,複合化による機能性材料設計の基本的な考え方を説明できるとともに積層による複合材料の製造方法を概説できる。天然に存在する複合材料の優れた点,複合化による機能性材料設計の基本的な考え方を説明できるとともに積層による複合材料の製造方法の基本的な概説ができる。天然に存在する複合材料の優れた点,複合化による機能性材料設計の基本的考え方が説明できず,積層による複合材料の製造方法の基本的な概説ができない。
6.公害問題や危険物の特性を学び,安全性・有害性を視野に入れた材料の取り扱い方が説明でき,環境問題についての私見を述べ,討論できる。公害問題や危険物の特性を学び,安全性・有害性を視野に入れた材料の取り扱い方が説明でき,環境問題についての私見を述べ,討論できる。公害問題や危険物の特性を学び,安全性・有害性を視野に入れた材料の取り扱い方の基本的な説明でき,環境問題についての私見を述べ,討論できる。公害問題や危険物の特性を学び,安全性・有害性を視野に入れた材料の取り扱い方の基本的な説明できず,環境問題についての私見を述べることも討論もできない。
7.地球温暖化の問題点,限りある資源の有効利用,注目されている新資源を説明でき,環境問題,リサイクルについての私見を述べ,討論できる。地球温暖化の問題点,限りある資源の有効利用,注目されている新資源を説明でき,環境問題,リサイクルについての私見を述べ,討論できる。地球温暖化の問題点,限りある資源の有効利用,注目されている新資源について基本的な説明ができ,環境問題,リサイクルについての私見を述べ,討論できる。地球温暖化の問題点,限りある資源の有効利用,注目されている新資源について基本的な説明ができず,環境問題,リサイクルについての私見を述べることも討論もできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
無機材料・高分子材料・複合材料の構造と性質の基礎知識及びこれらの材料の製造法,特性及び用途を教授する。また,講義と危険交換を通して,実際の使用に際して種々の材料の中から用途に適した材料を選択して設計等ができる方策を学ぶ。さらに,環境に関係する専門工学の知識を活用し,材料の科学と環境アセスメントとの関連を考える。過去に起きた公害問題の原因と採るべき対策,地球温暖化対策,資源のリサイクルについて自分の考えをまとめて意見を述べ,討論する。
授業の進め方・方法:
各種材料に対しての科学的物質感を養うためには,物質を物理化学・冶金学・固体化学・高分子化学・物性科学の分野から概観すること必要であるとの立場から,人類と材料との関わり,無機材料・高分子材料・複合材料の物性とそれを決める要因等を教授する。併せて,材料を取り扱う上での安全性・有害性・リサイクルについて解説する。「材料の有害性と安全性」および「資源とリサイクル」については討論形式で授業を行う。これらの項目について学生に冬季休業中に予めレポートを作成してメールにて提出させる。討論形式授業後に加筆・訂正した最終的なレポートを提出させる。授業で課される課題・予習は自学自習により取り組むこと(60時間の自学自習を必要とする)。試験及び課題では,授業項目に対する達成目標を達成できているかどうかを評価の観点に基づいた問題や課題を出題して,定期試験及びレポートにより総合評価する(定期試験70%,レポート30%)。提出期限の遅れたレポートは減点する。合格点は60点である。
注意点:
授業で課されるレポートは,自学自習により取り組むこと(60時間の字学自習を必要とする)。教員は,提出されたレポートを添削し目標が達成されていることを確認する。目標が達成されていない場合には,再提出を求める。講義時にはノート,筆記用具,配布するプリント類を持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 結晶質と非晶質(1):結晶質と非晶質,結晶の不完全性 結晶と非晶質の構造及び特性の相違点,結晶内に存在する種々の転移,金属の変形に対する転移の効果を説明できる。
2週 結晶質と非晶質(2):金属の性質,液晶 金属の変形に対する転移の効果および液晶の物性・液晶ディスプレイの作動原理を説明できる。
3週 結晶質と非晶質(1):アモルファス材料,
高密度焼結体材料(1):原料粉末の形成と焼結
アモルファス材料の製造法,特性及び用途について説明できる。
焼結体を作製する工程を説明できる。
4週 高密度焼結体材料(2):焼結体の微細構造と特性 焼結体を作製する工程,機能に応じた焼結体の応用例を説明できる。
5週 高密度焼結体材料について(3):焼結体の応用
同上
6週 高分子化合物(1):高分子化合物の構造 高分子材料の成り立ち,構造,性質を決める主な要因を説明できる。
7週 高分子化合物(2):高分子材料の性質を決める要因,ポリマーアロイ 高分子材料の成り立ち,構造,性質を決める主な要因及びポリマーアロイの合成方法とその用途を説明できる。
8週 複合材料(1):天然の複合材料 天然に存在する複合材料の優れた点を説明できる。
4thQ
9週 複合材料(2):複合化による機能の発現 複合化による機能性材料設計の基本的考え方を説明できる。
10週 複合材料(3):積層による複合化 積層による複合材料の製造方法を概説できる。
11週 材料の安全性と有害性(1):製造者及び使用者の安全と環境の保全 公害問題や危険物の特性を学び,安全性・有害性を視野に入れた材料の取り扱い方が説明でき,環境問題についての私見を述べ,討論できる。
12週 材料の安全性と有害性(2):危険物の取扱い 同上
13週 資源とリサイクル(1):地球温暖化の原因と対策 地球温暖化の問題点,限りある資源の有効利用,注目されている新資源を説明でき,環境問題,リサイクルについての私見を述べ,討論できる。
14週 資源とリサイクル(2):注目される新資源 同上
15週 資源とリサイクル(3):資源のリサイクル 同上
16週

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力301040
専門的能力402060
分野横断的能力000