応用英語Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用英語Ⅱ
科目番号 0014 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 教科書:"Twenty-Six Short Essays on English"(英宝社)/参考図書:安藤貞雄「現代英文法講義」(開拓社),谷口一美「認知言語学」(ひつじ書房),長谷川瑞穂・脇山怜「英語総合研究(改訂版)」(研究社),鈴木孝夫「日本語と外国語」(岩波新書),沖本正憲・Donald A. Norman「科学と人間のための英語読本」(開拓社),山梨正明・沖本正憲・他「認知言語学論考15」(ひつじ書房),Jean Aitchison "Teach Yourself Linguistics (4th Ed.)"(Hodder & Stoughton),Philip N. Johnson-Laird "The Computer and The Mind"(Harvard Univ. Press)
担当教員 沖本 正憲

到達目標

1. 一般的な分野の英文の内容を日本語で説明できる。
2. 専門分野の英文の内容を日本語で説明できる。
3. 英文を通して,言語及び国内外の社会や文化について深く理解できる。
4. 標準的な単語や文法を理解した上で,長文の読解と聴解ができる。
5. 英語で簡単なコミュニケーションをとることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1一般的な分野の英文の内容を日本語で説明できる。 一般的な分野の基本的な英文の内容を日本語で説明できる。 一般的な分野の基本的な英文の内容を日本語で説明できない。
評価項目2専門分野の英文の内容を日本語で説明できる。 専門分野の基本的な英文の内容を日本語で説明できる。 専門分野の基本的な英文の内容を日本語で説明できない。
評価項目3英文を通して,言語及び国内外の社会や文化について深く理解できる。 英文を通して,言語及び国内外の社会や文化について理解できる。 英文を通して,言語及び国内外の社会や文化について理解できない。
評価項目4 標準的な単語や文法を理解した上で,長文の読解と聴解ができる。 標準的な単語や文法を理解した上で,平易な長文の読解と聴解ができる。 標準的な単語や文法を理解した上で,平易な長文の読解と聴解ができない。
評価項目5 英語で簡単なコミュニケーションをとることができる。 英語で基本的なコミュニケーションをとることができる。 英語で基本的なコミュニケーションをとることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「応用英語Ⅱ」では高専本科と大きく視点を変えて,「言語とは何か」「英語とはどんな言語か」をテーマに,認知科学の視点も加え,英語の意味や句構造を分析し,言語学的知見がどういう点で科学技術(eg. 翻訳機)に貢献できるかを考える。たとえば,コンピュータが急速に発達した20世紀後半には科学技術系の研究者だけでなく,人文社会科学系の学者たちも大学を辞めて企業での研究開発に従事した。変形文法を研究していたPaul M. PostalはMITを辞職してIBMで,認知心理学の立場からユーザビリティを研究していたDonald A. NormanはUCSDを辞職してApple Computerで研究開発に参加した。これらの例からも分かるように,日本の旧制高等学校時代以来の伝統である文系・理系という分類に惑わされることなく,学際的な研究こそが現代に必要とされているものである。本講義で従来とは異なる視点から英語を学ぶことは,今まで当然と思っていたことに新たな切り口で分析を加えることであり,そこに発見があるということを知る機会でもある。なお,本講義はTOEICテストのリーディング・セクションに特に有効である。
授業の進め方・方法:
座学形式で,「学生の輪読」「教授者の解説」「質疑応答」を授業の進め方の基本的柱とする。内容は,(1)言語とは何か(2)言語と文化,言語習得(3)言語の構成部門(4)言語分析と応用(5)言語と認知,という5つの分類から構成されている。本科の5年間では扱われなかったテーマも多いため,言語について本科では光が当たらなかった側面に戸惑うことも予想される。そのため,参考図書などを大いに活用して,内容理解に努める必要がある。なお,本講義は読解力の養成ばかりではなく,学際的な研究の意味,分析の方法,論文の書き方などを習得することも目的とする。また,内容確認のために課題を出す。

注意点:
望まれる英語力・理解力を身につけるためには,毎回予習(自学自習)をしなければならない。自学自習は半期60時間に設定してあるが,それ以上の時間を参考図書や関係資料にあたることに費やす必要がある。望ましい講義には,教授者と学習者の双方向の積極的な姿勢が求められる。そのため,講義での取り組み姿勢を重視する。あわせて,特別研究などの英文アブストラクトが書けるように,文構成を意識して読解に取り組むことが望まれる。なお,TOEICテスト対策については特別な指導はしないが,市販教材等を利用して各自が進路実現に向けて計画的に取組む必要がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 Ch. 1 The Study of Language
精読ができる。
内容を理解し大意をまとめることができる。
2週 Ch. 2 British English and American English
内容について適切に発表することができる。
文脈を理解し内容について説明できる。
3週 Ch. 3 English as a World Language
英語の要約を聞いて理解できる。
4週 認知言語学1:有界性,イメージ・スキーマ
言語研究における認知科学的分析を理解できる。
5週 Ch. 4 Linguistics, Language, and Culture
百科辞典的知識を読解に援用できる。
 
6週 Ch. 6 Language, Culture, and Categorization
日本語と英語の違いを理解できる。
7週 Ch. 7 First Language Acquisition
内容について適切に発表することができる。
中級段階に向けての英語運用力がある。
8週 Ch. 9 Names in English
文脈を理解し内容について説明できる。
英語の構造について文法的な分析できる。
4thQ
9週 Ch. 12 Meaning in words and Sentences
百科辞典的知識を読解に援用できる。
中級段階に向けての英語運用力がある。
10週 Ch. 13 Japanese English
日本語と英語の違いを理解できる。
中級段階に向けての英語運用力がある。
11週 認知言語学2:メタファー,図と地 
言語研究における認知科学的分析を理解できる。
12週 Ch. 16 The Importance of Language
文脈を理解し内容について説明できる。
中級段階に向けての英語運用力がある。
13週 Ch. 19 Language and Computers
内容を理解し大意をまとめることができる。
内容について適切に発表することができる。
文脈を理解し内容について説明できる。
14週 Ch. 23 Modern Linguistics
精読ができる。
英語の構造について文法的な分析できる。
15週 応用認知言語学
認知科学の知見を英語学習に応用できる。
16週 後期定期試験

評価割合

試験理解度意欲・態度合計
総合評価割合503020100
基礎的能力503020100
専門的能力0000
分野横断的能力0000