数理科学特論Ⅱ

科目基礎情報

学校 苫小牧工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 数理科学特論Ⅱ
科目番号 0020 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 創造工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 自作教材
担当教員 有馬 隆司

到達目標

1.微分方程式の数値計算の基礎を理解しプログラムを実装することができる。
2.離散モデルのシミュレーションの基礎を理解しプログラムを実装することができる。
3.確率論的シミュレーションの基礎を理解しプログラムを実装することができる。
4.機械学習の代表的方法を理解し説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微分方程式の数値計算の基礎を理解しプログラムを実装することができる。微分方程式の数値計算の基礎を理解しプログラムを実装することが概ねできる。微分方程式の数値計算の基礎を理解しプログラムを実装することができない。
評価項目2離散モデルのシミュレーションの基礎を理解しプログラムを実装することができる。離散モデルのシミュレーションの基礎を理解しプログラムを実装することが概ねできる。離散モデルのシミュレーションの基礎を理解しプログラムを実装することができない。
評価項目3確率論的シミュレーションの基礎を理解しプログラムを実装することができる。確率論的シミュレーションの基礎を理解しプログラムを実装することが概ねできる。確率論的シミュレーションの基礎を理解しプログラムを実装することができない。
評価項目4機械学習の代表的方法を理解し説明することができる。 機械学習の代表的方法を理解し説明することが概ねできる。 機械学習の代表的方法を理解し説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

Ⅰ 人間性
Ⅱ 創造性
Ⅲ 国際性

教育方法等

概要:
数理的な観点から現実世界の問題をコンピューターによって解決する手法を学ぶ。
まず,自然・社会現象の連続・離散的な数理モデリング・シミュレーションの代表的な手法を学習する。さらに,機械学習の考え方について学習する。各手法の特徴を理解し俯瞰的な視点を身に着けることで,具体的課題に遭遇したときに適切な技術の選択ができるようになることも目標とする。
授業の進め方・方法:
本講義は,教員による解説を基に,演習を中心として進める。
テキストや参考資料は各回に配布する。
基礎的な理解や問題を解く力をレポートおよび毎回の課題で評価する。レポート30%,達成度試験30%,課題等40%の割合で評価する。合格点は60点以上である。
この科目は学修単位科目のため、ほぼ毎回,事前・事後学習としてレポートおよび課題を課す。
学業成績の成績が60点未満のものに対して再評価を実施する場合がある。この場合、レポート60%,課題等40%の割合で再評価を行う。
注意点:
・毎週,自学自習をして授業に臨むこと。
・自主的・意欲的に勉学する学生の履修を期待する。
・既習の数学(微分積分,線形代数,確率・統計,応用数学)およびプログラミング(数理科学特論Iの内容)についての知識を前提とする。
・pythonによるプログラム演習を課題として課すため,各自ノート PCを持参することが望ましい。
・質問を歓迎する。
・再評価を実施する場合があるが,授業参加度が低い学生は再評価の対象としない。

参考図書
渡辺 宙志著「ゼロから学ぶPythonプログラミング Google Colaboratoryでらくらく導入」講談社
小川 知之, 宮路 智行著、「数理モデルとシミュレーション (SGCライブラリ)」サイエンス社

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション 現代の計算科学およびデータ科学の概観および自然・社会現象の数理モデルにおける連続と離散について理解できる。
2週 簡単なプログラミング pythonを用いて簡単な計算ができるようになる。pythonのライブラリを利用することができる。
3週 微分方程式のシミュレーション1:オイラー法 オイラー法を理解でき,それを用いた数値計算ができる。
4週 微分方程式のシミュレーション2:ルンゲ・クッタ法 ルンゲ・クッタ法を理解でき,それを用いた数値計算ができる。
5週 微分方程式のシミュレーション3:応用 SIRモデルなど微分方程式で表される具体的な数理モデルの数値計算ができる。
6週 微分方程式のシミュレーション4:偏微分方程式 偏微分方程式の数値計算ができる。
7週 カオスとフラクタルのシミュレーション1:微分方程式からカオスへ カオスの概念を理解し,シミュレーションを通してカオスを確認できる。
8週 カオスとフラクタルのシミュレーション2:カオス カオスの特徴を数値的に確認できる。
4thQ
9週 カオスとフラクタルのシミュレーション3:フラクタル フラクタル図形を描くシミュレーションを実装することができる。
10週 離散モデルのシミュレーション:セル・オートマトンのシミュレーション セル・オートマトンの概念と数学的定義を理解し,1次元セル・オートマトンのシミュレーションができる。
11週 確率論的シミュレーション1:モンテカルロ法 確率論的シミュレーションの概要を理解できる。乱数を用いたシミュレーションができる。
12週 確率論的シミュレーション2:ブラウン運動 ランダムウォークのシミュレーションができる。ランダムウォークから拡散方程式が導出できる。
13週 確率論的シミュレーション3:確率微分方程式 確率微分方程式のシミュレーションができる。
14週 機械学習1:機械学習の一般論 機械学習の概要を理解できる。
15週 機械学習2:ニューラルネットワークの基礎 ニューラルネットワークの基礎が理解できる。
16週

評価割合

試験レポート課題合計
総合評価割合303040100
基礎的能力303040100
専門的能力0000
分野横断的能力0000