概要:
プログラムを解析してコンピュータで実行可能な形式に変換するための基礎理論や、コンパイラがオートマトンの具体的な応用の一つであることを理解するとともに、字句解析器や構文解析器の自動生成ツール等の応用を学ぶことを目標とする。
これまでに学んだC言語やJava言語などのコンパイラが、どのような仕組みで動作しているのかを理解することができる。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を行う。コンパイラの理論はオートマトンを用いることを前提とするので、オートマトンの授業内容を確認しておくとよい。
また、章ごとなどの区切りで適宜レポート課題を課す。
合否判定は、定期試験(100点満点)の結果が60点以上で合格とする。
最終評価は、定期試験の結果にレポート等による±10%の評価を加えた総合評価とする。
再試験は、第1週から第7週までの前半と第8週から第15週までの後半のうち、60%未満であった範囲それぞれに対して、出題した問題について60%以上得点することを合格の条件とする。
前関連科目:オートマトン
後関連科目:オペレーティングシステム
注意点:
コンパイラの仕組みを理解することで、プログラミング言語の制限やコンパイル時のエラーメッセージの理由なども知ることができるので、自分でコンパイル操作をする際のコンパイラの挙動をよく観察しておくとよい。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | プログラミング | 代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。 | 3 | 前14,前15 |
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。 | 3 | 前14,前15 |
変数の概念を説明できる。 | 4 | 前11 |
データ型の概念を説明できる。 | 4 | 前11 |
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。 | 4 | 前11 |
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。 | 4 | 前11 |
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。 | 4 | 前12,前13,前14,前15 |
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。 | 4 | 前1,前6 |
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。 | 4 | 前1,前6 |
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。 | 4 | 前1 |
主要な計算モデルを説明できる。 | 4 | 前1 |
ソフトウェア | アルゴリズムの概念を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前7,前9,前10 |
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前7,前9,前10 |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前7,前9,前10 |
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前7,前9,前10 |
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前7,前9,前10 |
領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前7,前9,前10 |
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。 | 4 | 前11 |
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。 | 4 | 前4,前5,前7,前9,前10 |
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前7,前9,前10 |
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。 | 4 | 前12,前13,前14,前15 |
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。 | 4 | 前4,前5,前7,前9,前10 |
システムプログラム | 形式言語の概念について説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
オートマトンの概念について説明できる。 | 4 | 前7,前9,前10 |
コンパイラの役割と仕組みについて説明できる。 | 4 | 前1 |
形式言語が制限の多さにしたがって分類されることを説明できる。 | 4 | 前2,前3 |
正規表現と有限オートマトンの関係を説明できる。 | 4 | 前2 |