機械設計法I

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 機械設計法I
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学分野 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 機械設計1,機械設計2(実教出版・中川恵二他8名共著) 機械設計1・2演習ノート②基礎から学ぶ機械設計 基本式の理解と活用 (ともに実教出版編集部)
担当教員 渡邊 聖司

到達目標

1. 機械に働く力と仕事を説明できる.
2. 材料の強さを説明できる.
3. さまざまな機械要素や機械の基本設計(性能や強度)を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1機械に働く力と仕事を迅速かつ正確に計算できる.機械に働く力と仕事を正確に計算できる.機械に働く力と仕事を求めることができない.
評価項目2材料の強度を迅速かつ正確に計算で求めることができる.材料の強度を正確に計算で求めることができる.材料の強度を求めることができない.
評価項目3さまざまな機械要素や機械の基本設計(性能や強度)を迅速かつ正確に計算で求めることができる.さまざまな機械要素や機械の基本設計(性能や強度)を正確に計算で求めることができる.さまざまな機械要素や機械の基本設計(性能や強度)を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 D 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目の目標は,第1,第2学年の「数学」「物理」と,第2学年の「工業力学」「機械設計製図Ⅰ」で学修した知識を基礎とし,機械要素の強度計算などについて能力を養成するとともに,学生間の協働や能動的な学習を通して,コミュニケーション能力を養成することである.また,この科目は力学系科目を総合して用いるため,並行開講されている「機械 材料Ⅰ」「材料力学Ⅰ」「機械設計製図Ⅱ」の学修内容も必要となる.

本校教育目標 C:50 % D:50 %
授業の進め方・方法:
①小・中学校の「算数」「数学」「理科」,第1,第2学年の「数学」「物理」や第2学年の「工業力学」「機械設計製図Ⅰ」で学修した基礎的知識が必要です.
②演習レポート提出や小テストがほぼ毎回あります.
③演習レポート作成のためのレポート用紙(A4版)や,演習レポート・小テストのための電卓,定規,分度器,コンパスなどを忘れずに必ず持参してください.

成績評価方法
 ①合否判定:単元テスト,定期試験,演習レポート,小テスト,副教材(演習ノート)への取り組み,それぞれの平均点を下式の割合とし,算出した評点が60点を超えていること.
  成績評価式 単元テスト・定期試験(72%)+演習レポート(12%)+小テスト(10%)+副教材(演習ノート)(6%)
 ②最終評価:下式にて算出する.
  合格(合否判定60点以上) :合否判定+受講態度(最大+10%)   不合格(合否判定60点未満):合否判定
 ③再試験:前期末再試験,後期末再試験をそれぞれ1回,学年末再試験は前期分,後期分をそれぞれ1または2回実施
     する.
      前期末再試験,後期末再試験は60点以上で合格とする.学年末再試験で前期分または後期分のいずれか
     を受験する場合も60点以上で合格とする.また,学年末再試験で前期分と後期分を受験する場合は,
     平均点が60点以上で合格とする.

①授業(90分)は,解説や説明20~25分(資料とスクリーン提示による学習[ノートへの板書はありません.])の後,学生間の協働や能動的な学習による演習45分(副教材を使用)をし,確認のための小テスト20分,振り返り5分(ミニッツペーパーへの記入)で実施します.
②演習の目標は,『時間内にクラス全員が演習を終了すること』です.そのため,学生間の協働や能動的な学習をするうえでのコミュニケーション能力が重要となります.
③復習のための演習レポートを課すことがあります.
④演習レポートと小テストの返却は,迅速に行います.(演習レポートは,再提出の場合もあります.)
⑤オフィスアワーの時間を利用した積極的な復習や自学自習を歓迎します.また,必要な者には別途の補習を実施します.

前関連科目 工業力学   後関連科目 機械設計法Ⅱ
注意点:
参考書
①機械設計法 第3版(森北出版,塚田忠夫他3名共著),
②絵ときでわかる機械設計 第2版(オーム社,池田 茂他1名共著),
③実務に役立つ 機械公式活用ブック(オーム社・安達勝之他4名共著)など

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ①ガイダンスと「工業力学」確認テスト 講義の進め方と第2学年「工業力学」の理解度を確認できる.
2週 機械に働く力と仕事① 
運動を理解し,計算問題を解くことができる.
3週 機械に働く力と仕事② 円運動を理解し,計算問題を解くことができる.
4週 機械に働く力と仕事③ 運動量と力積などを理解し,計算問題を解くことができる.
5週 単元テスト① 実施する
6週 材料の強さ① 材料の破壊を理解し,計算問題を解くことができる.
7週 材料の強さ② 材料の強さを理解し,計算問題を解くことができる.
8週 前期中間試験 実施する
2ndQ
9週 前期中間試験の返却 前期中間試験を返却し,解答を理解することができる.
10週 材料の強さ③ 材料曲げを理解し,計算問題を解くことができる.
11週 材料の強さ④
材料曲げを理解し,計算問題を解くことができる.
12週 単元テスト② 実施する
13週 材料の強さ⑤ 材料の曲げを理解し,計算問題を解くことができる.
14週 材料の強さ⑥
材料のねじりを理解し,計算問題を解くことができる.
15週 材料の強さ⑦
材料の座屈などを理解し,計算問題を解くことができる.
16週 前期末試験 実施する
後期
3rdQ
1週 ねじ①
ねじの種類と用途が理解でき,計算問題を解くことができる.
2週 ねじ②
ねじに働く力が理解でき,計算問題を解くことができる.
3週 ねじ③
ボルトとナットが理解でき,計算問題を解くことができる.
4週 単元テスト③ 実施する
5週 軸とその部品① 
軸の種類が理解でき,計算問題を解く ことができる.
6週 軸とその部品②
軸の強度設計が理解でき,計算問題を解く ことができる.
7週 軸とその部品③
軸の強度設計が理解でき,計算問題を解く ことができる.
8週 後期中間試験 実施する
4thQ
9週 後期中間試験の返却
後期中間試験を返却し,解答を理解することができる.
10週 軸とその部品④
キーとピン,軸継手が理解でき,計算問題を解くことができる.
11週 軸とその部品⑤
軸受,密封装置と潤滑が理解でき,計算問題を解くことができる.
12週 単元テスト④ 実施する
13週 歯車①
歯車の基本的な設計が理解でき,計算問題を解くこと ができる.
14週 歯車②
平歯車の強度面からの設計が理解でき,計算問題を 解くことができる.
15週 歯車③
平歯車の強度面からの設計が理解でき,計算問題を 解くことができる.
16週 後期末試験 実施する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。4
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4
標準規格を機械設計に適用できる。4
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。4
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4
軸の種類と用途を理解し、適用できる。4
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。4
キーの強度を計算できる。4
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。4
滑り軸受の構造と種類を説明できる。4
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。4
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。4
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4
歯車列の速度伝達比を計算できる。4
力学速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。4
応力とひずみを説明できる。4
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。4
許容応力と安全率を説明できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。4
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。4
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。4
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。4
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。4
各種の荷重が作用するはりのせん断力線図と曲げモーメント線図を作成できる。4
曲げモーメントによって生じる曲げ応力およびその分布を計算できる。4
各種断面の図心、断面二次モーメントおよび断面係数を理解し、曲げの問題に適用できる。4
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力8000±10020100
分野横断的能力0000000