機械工作法

科目基礎情報

学校 釧路工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 機械工作法
科目番号 0073 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学分野 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 新機械工作/7実教[工業709],参考書:JSMEテキストシリーズ(加工学Ⅰ-除去加工-,加工学Ⅱ-塑性加工-,機械材料学)
担当教員 高橋 剛

到達目標

1)各種加工法の特徴を理解できる。
2)機械部品を設計するときに適切な加工方法を選択できる。
3)加工方法の原理が理解できる。
4)加工に使用する工作機械の特徴を理解できる。
Keywords:機械工作法,加工,塑性,

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種加工法の特徴を説明できる。各種加工法の特徴を理解でき,適用事例を挙げられる。各種加工法の特徴を理解できない。
評価項目2機械部品を設計するときに適切な加工方法を設定できる。機械部品を設計するときに適切な加工方法を作り易さも含め選択できる。機械部品を設計するときに適切な加工方法を選択できない。
評価項目3加工方法の原理が説明できる。加工方法の原理が理解でき,この原理の応用例も挙げられる。加工方法の原理が理解できない。
評価項目4加工に使用する工作機械の特徴を説明できる。機械の特徴を理解でき,弱点も指摘できる。機械の特徴を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 C 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械工作法は,機械工学固有の科目であり,工作実習によって体得した各種材料の加工技術について,加工技術の原理を科学的に理解し,それらの特徴を把握して適切な工作法を選択できる能力を具備することを目的とする.更に機械工作に使用される各種の工具や設備,加工機械の構造と特徴理解して,生産設備を適切に改善し能率向上を図る能力を養う。尚,担当教員は,計20年間にわたり開発系技術者として複数のメーカーに勤務し,その中で社内の生産技術系社員と協業した経験を持つ.
授業の進め方・方法:
教科書を中心に各種加工方法の原理と特徴を把握させる.適宜VTRやビジュアル教材を適宜提示して,実際の加工状況を認識させる.必要に応じてプリントを配布し,学修単位科目であるが故に,教科書の問いや章末問題を主に都度,宿題として課す。<合否判定>:前期と後期それぞれ(中間と期末)の素点合計が120点をいずれも超えていること。不合格
者は,60点未満だった範囲のみを必ず再試受験する。本試60点以上の範囲はそれを保持.但し,後期試験の素点如何によっては,通年素点合計240点超えることもあり得るので,各期末再試の結果を適用するのは後期期末の本試結果後とする.再試点数がたとえ本試より低くても入れ替えるので注意.最後の学年末再試は,各期末試験不合格者に対して,60点未満の範囲を再度受験する.再試回数は基本的に各再試1回,学年末1回である.<総合評価>全定期試験素点合計240点以上の合格者は,素点100%で評価する.再試結果を合否判定に用いた上で合格した場合は60点とする.
[教科書] 機械工作法1,2_実教出版708,709, [参考書] JSMEテキストシリーズ 加工学I(除去加工),JSMEテキストシリーズ 加工学II(塑性加工),機械加工学の基礎 奥山 繁樹 他2名 コロナ社"
注意点:
身の回りにある実際の製品について,どのように加工したのだろうという疑問を持って物を見る眼を養うことが単位取得の秘訣である。いくら良い設計であっても,それを加工や組み立てなどの機械工作がなければ製品化できないことを認識し,ものづくりの根幹を成す実学的学問であることを自覚すること。覚えなければならないことが多いので,毎回の授業の前後で予習復習を励行し,都度理解しておくことが単位取得の秘訣である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械工作を学ぶにあたって
-1 .機械工作法の発達
-2. 身近な製品と機械工作法
-3.ものづくりの流れと機械工作法
・身のまわりの製品には,さまざまな材料が使われている.自動車に使われている材料について理解できる.
・コンピュータによる製品設計の流れを理解させる.
2週 第3章 鋳 造
-1. 鋳造法と鋳型
○鋳造法の概要について理解できる.
・砂型鋳造法・金型鋳造法に特徴について理解できる.
・精密鋳造法や真空鋳造法などの特殊な鋳造法について理解できる.
3週 -2. 鋳物材料の溶解法と鋳物の品質 ・鋳物材料の溶解方法および鋳物製品の検査方法について理解できる.
4週 第4章 溶接・接合 ○溶接・接合の概要について理解できる.
5週 -1. 溶接 ・ガス溶接およびガス切断のしくみについて理解できる.
・アーク溶接およびアーク切断のしくみについて理解できる.
・抵抗溶接のしくみについて理解できる.
6週 -2. 接合 ・ろう接のしくみについて理解できる.
・接着剤による接合および機械的接合について理解できる.
7週 <前期中間試験> 実施する
8週 第5章 塑性加工
‐1_1. 素材加工1
○塑性加工の概要について理解できる.
・板材や棒材などの素材の圧延加工のしくみについて理解できる.
2ndQ
9週 ‐1_2. 素材加工2  ・押出し・引抜き加工のしくみについて理解できる.
10週 ‐1_2. 素材加工2  ・押出し・引抜き加工のしくみについて理解できる.
11週 -2_1. 成形加工1 ・せん断・曲げ加工のしくについて理解できる.
12週 -2_1. 成形加工1 ・せん断・曲げ加工のしくについて理解できる.
13週 -2_2. 成形加工2 ・深絞り加工について理解できる.
・鍛造について理解できる.
14週 -2_2. 成形加工2 ・深絞り加工について理解できる.
・鍛造について理解できる.
15週 -2_2. 成形加工2 ・深絞り加工について理解できる.
・鍛造について理解できる.
16週 <前期期末試験> 実施する
後期
3rdQ
1週 -2_2. 成形加工2 ・深絞り加工について理解できる.
・鍛造について理解できる.
2週 -2_3. 成形加工3,-2_4. 成形加工4 ・射出成形について理解できる.,・粉末冶金について理解できる.
3週 第6章 切削加工
-1. 切削による加工
○切削加工の概要について理解できる.
・旋削のしくみ、切削抵抗について理解できる.
・旋盤の構造について理解できる.
4週 -2 フライスによる加工,-3 穴あけ ・フライス削りのしくみについて理解.,・フライス盤の構造について理解,・穴あけのしくみについて理解できる.
・ねじ切り、座ぐりなど、穴の二次加工について理解できる.
5週 -3 穴あけ,-4 その他の切削加工 ・穴あけのしくみについて理解できる.
・ねじ切り、座ぐりなど、穴の二次加工について理解できる.
6週 -5 切削工具,-6 切削加工の効率化 ・切削工具の種類と特徴について理解.・超硬合金工具鋼など硬質材料工具の性質や用途を理解.・切削加工の効率化は、切りくずの扱いが重要.,・工作物の材質や作業条件,切削速度を選定できる.
・切削油剤を使用する目的について理解できる.
7週 -5 切削工具,-6 切削加工の効率化 ・切削工具の種類と特徴について理解.・超硬合金工具鋼など硬質材料工具の性質や用途を理解.・切削加工の効率化は、切りくずの扱いが重要.,・工作物の材質や作業条件,切削速度を選定できる.
・切削油剤を使用する目的について理解できる.
8週 <後期中間試験> 実施する
4thQ
9週 第7章 砥粒加工
-1 研削加工,
-2 研磨加工
・研削加工のしくみについて理解.,・砥石の構成要素およびそれぞれの要素の働きを理解.,・研削抵抗や研削液の働きについて理解.,・砥石の切れ刃の自生作用について理解.・ホーニングやライニングなど、砥粒を使った仕上げ加工法について理解。
10週 第7章 砥粒加工
-1 研削加工,
-2 研磨加工
・研削加工のしくみについて理解.,・砥石の構成要素およびそれぞれの要素の働きを理解.,・研削抵抗や研削液の働きについて理解.,・砥石の切れ刃の自生作用について理解.・ホーニングやライニングなど、砥粒を使った仕上げ加工法について理解。
11週 第8章 特殊加工と三次元造形技術
-1 特殊加工,-2 熱的な加工-3.,化学的な加工,-4 力学的な加工
○特殊加工と表面処理の概要について理解させる。,・放電加工の仕組について理解。・レーザ加工の仕組みについて理解。
12週 -5 三次元造形技術
・三次元造形技術
・注目されるAM造形技術, ・AMの限界と解決すべき問題
13週 第9章 表面処理
-1 めっき,-2 いろいろな皮膜処理",-3 鋼の表面硬化
・いろいろな塗装方法について理解。・液相及び気相めっきの仕組について理解。・表面焼入れ,・浸炭,・窒化,・ショットピーニング"
14週 第10章 生産の自動化(プリントのみ)
-1 数値制御工作機械1
○生産の自動化の概要について理解させる。
・NC旋盤やマシニングセンタなど代表的なNC工作機械について理解させる。・サーボ機構の制御方式について理解させる。
15週 -2 数値制御工作機械2
・コンピュータ利用した製品開発について理解させる。
・NC工作機械の制御について理解させる。
16週 <後期期末試験> 実施する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4前1,前2
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。4前2,前3
鋳物の欠陥について説明できる。4前2,前3
溶接法を分類できる。4前4,前5,前6
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。4前4,前5,前6
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4前4,前5,前6
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。4前4,前5,前6
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4後3,後6
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4後3,後6
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4後3,後4,後7
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4後3,後5
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4後3,後7,後9,後10
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4後3,後7,後9,後10
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4後3,後7,後9,後10
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4後9,後10,後11
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4後9,後10,後11
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4後9,後10,後11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合800010010100
基礎的能力0000000
専門的能力800010010100
分野横断的能力0000000