概要:
日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化についての理解を深める。
化学の基本的な概念や原理法則を理解し、科学的な見方や考え方を身に付ける。
この科目は釧路工業高等専門学校数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)構成科目のひとつである。
授業の進め方・方法:
【授業の進め方】教科書・授業プリントを中心に用いて、講義形式で実施する。また、学習内容に対する理解を深めるために、実験を適宜行う。なお,理数探究基礎(数研出版)は主に実験・レポート作成の際に用いる。
【授業を受ける際には…】
準 備:教科書、問題集、ノート、ファイル・バインダー(授業/演習プリントの整理のため)、関数電卓
予 習:教科書を読み、内容の概略をつかんでから授業に臨んで下さい。
復 習:授業で学習した範囲を演習プリントや問題集を用いて確認する習慣を付け、内容の理解、知識の定着を図ってください。
その他:必要な用語、化学式、元素記号、周期表を理解していないと、授業の理解が深まりませんので、必要な知識は早い段階で覚え、使えるようにして下さい。
【合否判定】定期試験(70%)、その他(小テスト、レポートなど30%)で評価し、60点以上を合格とする。ただし,実験に関する提出物(事前レポート、実験報告書)が提出されていない場合については他の評価項目に関わらず不合格とする。
【最終評価】合否判定と同じ。
【 再 試 験 】不合格者には補習を行った後、再試験を行い60点以上を合格とする。なお、再試験で合格した場合は60点となる。
注意点:
関連科目:化学(2年)、物理(1・2年)、応用物理I(3年),地球と生命(1年)、化学と人間生活(専攻科)
化学は,目視できない原子や分子について学ぶ科目ですが、原子や分子が変化することによって、日常生活での様々な現象が発生しています。ミクロな原子・分子の動きとマクロな日常生活での様々な現象を結びつけて、理解を深めて下さい。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1 ガイダンス、化学と人間生活の関わり |
日常生活や社会を支える物質の性質、用途について説明できる。
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2週 |
2 物質の性質と分離、物質の成分 |
混合物の分離について、適切な分離法を選択できる。 単体と化合物の意味と具体例が説明できる。
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3週 |
3 物質の三態、原子の構造 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 原子の構造や原子番号、質量数を説明できる。
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4週 |
4 電子配置・元素の周期表 |
原子の電子配置について電子殻を用いて表すことができる。 元素の性質を周期表と周期律から考えることができる。
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5週 |
5 実験1 混合物の分離 |
混合物を適切な分離手法を用いて、分離することができる。
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6週 |
6 イオン |
イオンについて説明ができ、化学式で表すことができる。
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7週 |
7 まとめ・演習 |
原子やイオンに関する問題を解くことができる。
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8週 |
前期中間試験:実施する |
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2ndQ |
9週 |
8 イオン結合 |
イオン結合とイオン結晶の性質について説明できる。
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10週 |
9 金属結合と金属結晶、分子と共有結合① |
金属結合や金属の性質について説明できる。 共有結合がどのようなものか説明できる。
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11週 |
10 分子と共有結合② |
構造式や電子式により分子を表すことができる。 分子からなる物質の性質について説明できる。
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12週 |
11 物質の構成粒子と物質の分類、原子量、分子量、式量 |
物質を分類し、それぞれの性質について説明できる。 原子量を理解し、分子量、式量の意味を説明できる。
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13週 |
12 実験2 同位体の性質 |
同位体の性質について理解することができる。 測定と測定値の取り扱いについて理解することができる。
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14週 |
13 物質量① |
物質量について説明できる。
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15週 |
14 物質量② |
物質量に関する計算ができる。
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16週 |
前期期末試験:実施する |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
16 溶液の濃度 |
質量パーセント濃度、モル濃度の計算ができる。
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2週 |
17 化学反応式 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して表現することができる。
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3週 |
18 化学反応式の量的関係 |
化学反応式から化学反応の化学量論的な関係を理解して、計算ができる。
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4週 |
19 実験3 化学反応の量的関係 |
化学反応式から化学反応の化学量論的な関係を理解することができる。
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5週 |
20 酸と塩基、酸と塩基の強さ |
酸と塩基の定義が説明できる。 電離度から酸と塩基の強弱について説明できる。
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6週 |
21 pH |
pHが説明でき、水素イオン濃度の計算ができる。
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7週 |
22 まとめ・演習 |
濃度や化学反応式、酸・塩基、pHに関する問題を解くことができる。
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8週 |
後期中間試験:実施する |
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4thQ |
9週 |
23 中和反応と塩 |
中和反応について説明できる。 中和反応によって生じる塩の性質について説明できる。
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10週 |
24 中和滴定 |
中和の量的関係に関する計算ができる。 中和滴定に関する計算ができる。
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11週 |
25 実験4 中和滴定 |
中和滴定の操作が行える。
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12週 |
26 酸化と還元① |
電子の授受の観点から酸化還元反応を説明できる。
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13週 |
27 酸化と還元② |
酸化数の変化を理解し、酸化還元反応を説明できる。 酸化剤・還元剤の働きを説明できる。
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14週 |
28 金属のイオン化傾向 |
金属の反応性について、イオン化傾向に基づき説明ができる。
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15週 |
29 酸化還元反応の応用 |
酸化還元反応の応用例(電池,金属の製錬)の概略について説明ができる。
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16週 |
後期期末試験:実施する |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | 前1 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 3 | 前1 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | 前3,前4 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前2 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前2 |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | 前2,前5 |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | 前2,前5 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 前3 |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | 前3 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | 前3 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | 前3,前4 |
同位体について説明できる。 | 3 | 前4,前13 |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | 前4,前13 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前4 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前4 |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | 前6 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前6 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | 前4 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | 前4 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | 前6 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前9 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | 前9 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前9 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前10,前11 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 前10,前11 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前10 |
金属の性質を説明できる。 | 3 | 前10 |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | 前12 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | 前12 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 前14,前15 |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | 前14,前15 |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | 前14,前15 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | 後2,後3,後4 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 後2,後3,後4 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 前6 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 後1 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 後1 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 3 | 後5 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 3 | 後5 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 3 | 後5 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 3 | 後6 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 3 | 後9,後10,後11 |
中和滴定の計算ができる。 | 3 | 後10,後11 |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 後12,後13 |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | 後14,後15 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 3 | 後14,後15 |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | 前5,前13,後4,後11 |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | 前5,前13,後4,後11 |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | 前5,前13,後4,後11 |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | 前13,後4,後11 |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | 前5,前13,後4,後11 |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | 前5,後4,後11 |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | 前5,後4,後11 |
試薬の調製ができる。 | 3 | 後11 |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | 後4 |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | 前5 |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 2 | 前5,前13,後4,後11 |