到達目標
1. シーケンス制御における論理回路の専門知識を応用できる.
2. ラダープログラム中のビットデバイスに関する基本回路である自己保持回路とパルス入出力の動作を理解し,シーケンス制御プログラムの中で使用することができる.
3. ワードデバイスの使用方法を理解できる.
4. ユーザーの要求する出力制御を論理的に実現できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ビットデバイスとワードデバイスを理解し,実出力や内部フラグを使い分けて,要求されている動作を論理的なプログラムで実現できる. | ビットデバイスとワードデバイスを理解して,課題で要求される実出力動作を実現できる. | ビットデバイスとワードデバイスが理解できない. |
評価項目2 | ラダープログラムの自己保持回路とパルス入出力の動作を理解し,必要に応じてシーケンス制御プログラムの中で論理的に使用できる. | ラダープログラムの自己保持回路とパルス入出力を使用して,シーケンス制御プログラム中での動作が理解できる. | ラダープログラムの自己保持回路とパルス入出力の動作を理解できない. |
評価項目3 | BCDコードとバイナリーコードの使い分けができ,必要に応じてコード変換できる.ワードデバイスによる四則演算と結果で使用するメモリー領域を理解し,適切にメモリー割付できる. | BCDコードとバイナリーコードの違いが判り,データのコード変換ができる.ワードデバイスによる四則演算を実行できる. | ワードデバイスを適切に使用できない. |
評価項目4 | 与えられた入出力の条件と内部フラグを論理的に組み合わせて,ユーザーの要求する(課題で要求される)出力動作を実現できる. | 基本的なプログラムを作成することができ,要求された動作を実現する出力回路を目指すこと(理解すること)ができる. | ラダープログラムの論理的組み立てができず,要求された出力動作を実現できない. |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 D
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JABEE d-3
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教育方法等
概要:
本科目は,第3学年までで学ぶプログラミングや論理設計の知識に基づき,特に,論理式で表現される条件制御をPCシーケンス制御に応用する.これらの知識に基づいて,仮想の機器制御に対する演習課題について問題解決するための能力をラダープログラミングを通じて修得する.
この科目は企業で装置の制御設計を担当していた教員が,その経験を活かし,シーケンス制御のラダープログラミング等についてシミュレーターを用いて,演習形式で授業を行うものである.
授業の進め方・方法:
ラダープログラムは,シーケンサ学習用のアプリケーションソフトを用いて,実機を動作させる代わりに仮想の画面上で動作させることになる.実際のシステムでは,加工装置や製造ラインで用いられるプログラムを作成することになるので,特に安全サイドでの設計について学ぶ.
応用演習課題レポート3回[30%],最終課題[40%],プログラム技術[20%],演習態度[10%]
上記の総合で100点満点とし最終評価とする.合否判定は設計演習課題レポート3回[30%]と最終課題[40%]の合計を10/7倍して100点満点として,60点以上を合格とする.
合格点に満たない者に対しては,適宜,追加演習課題を課し,その評価が60点以上の場合,合格とし,総合評価を60点とする.
課題[70%]は,一課題中の設計要求事項の項目毎に決められた点数によって採点する.
プログラム技術[20%]は,演習課題の進行程度と課題内容の達成度により評価する.
この項目の評価では,例えば,課題を全て他からコピーした場合は,0点とする.
演習態度[10%]は,遅刻と欠席および,課題提出の遅延によって10点満点から減点する.
(関連科目:プログラミング,論理回路,シーケンス制御応用演習,制御工学)
注意点:
シーケンス制御は,条件に沿って工程を順番に実行していく制御方法です.応用されている分野は,製造装置や製造ライン,エレベータなど幅広い分野に用いられています.高専を卒業してメーカーの制御設計部門で利用できる知識と技術を修得できます.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シーケンス制御の概要 ビットデバイス ラダープログラムと論理回路 |
シーケンス制御とその応用について理解できる。アラーム処理や安全サイドでの設計を理解できる.
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2週 |
ラダープログラミングの基礎 ラダープログラムの構成と動作 |
PCシーケンスで用いられるラダープログラムを組める.
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3週 |
ビットデバイスとその基礎演習 オルタネートとモメンタリー動作 a接点とb接点 ANDとOR条件の書き方 |
ビットデバイスを用いたプログラムを読み書きできる.
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4週 |
ビットデバイスとその基礎演習 自己保持回路 パルス入出力 |
ビットデバイスを用いたラダープログラムを論理的に構成できる.
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5週 |
応用演習課題1 選別機制御 |
仮想画面上での機器の入出力と,与えられた設計仕様からラダープログラムを書ける.
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6週 |
応用演習課題1 選別機制御 |
自己保持回路とパルス入出力を用いてプログラムを作成できる.
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7週 |
ワードデバイスとその基礎演習 ワードデバイス データ転送・コード変換 |
ワードデバイスを用いたプログラムを読み書きできる.
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8週 |
ワードデバイスとその基礎演習 データ比較 四則演算 ※ 前期中間試験は実施しない |
前半で修得したラダープログラミングの知識に加えて,データメモリを含む数値処理を理解できる.
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2ndQ |
9週 |
応用演習課題2 信号機制御 |
仮想画面上での機器の入出力と,与えられた設計仕様からラダープログラムを書ける.
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10週 |
応用演習課題2 信号機制御 |
時間の数値データとしての扱い方を理解できる。BCDコード入出力を扱える.
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11週 |
応用演習課題3 加工機制御 |
仮想画面上での機器の入出力と,与えられた設計仕様からラダープログラムを書ける.
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12週 |
応用演習課題3 加工機制御 |
実入力信号をプログラムで扱うための内部フラグに変換できる.
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13週 |
応用演習課題3 加工機制御 |
数値データの演算ができる.一連の生産工程を適切に処理し,生産数などのデータ管理をできる.
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14週 |
最終課題 設計仕様課題 |
ユーザーの設計要求を満足する仕様を実現する課題を作成できる.
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15週 |
最終課題 設計仕様課題 |
限られた入出力の条件の中からユーザーの設計要求を満足する制御を実現できる.
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16週 |
※ 前期期末試験は実施しない |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 30 | 70 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 30 | 70 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |