エネルギー物理学Ⅱ(0234)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 エネルギー物理学Ⅱ(0234)
科目番号 2Z14 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 よくわかる物理基礎+物理(Gakken)
担当教員 中村 美道,水野 俊太郎

到達目標

(1) 波動の基礎を理解し,光や音の現象をエネルギーの伝播として説明できる
(2) 電気エネルギーの基礎となる考え方を理解し,基本的な計算ができる
(3) モーター、発電機、変圧器といった電気エネルギーを利用した装置のもととなる物理法則を理解できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 波動の基礎の理解波動によるエネルギーの伝播を定性的に説明でき,弦・気柱の振動について,物理的な性質を定量的に求めることができる波動の基本的な性質を理解し,計算によって基本的な問題を解くことができる波動の基本的な性質を,定性的に説明することができない
評価項目2 電気エネルギーの基礎電流を電荷や静電気力の観点から定量的に説明でき,やや複雑な直流回路の電流や電圧降下を計算で求めることができる電流を電荷や静電気力の観点から定性的に説明でき,簡単な直流回路の電流や電圧降下を計算で求めることができる電気抵抗を含むごく基本的な直流電気回路の問題を解くことが出来ない
評価項目3 電気エネルギーの利用電流がつくる磁場、電磁誘導、交流回路、電磁波といった電磁気学の概念に基づき、モーター、発電機、変圧器といった装置における物理現象について計算ができる電流がつくる磁場、電磁誘導、交流回路、電磁波といった電磁気学の概念が、モーター、発電機、変圧器といった装置が作動するうえで重要であることが理解できる電流がつくる磁場、電磁誘導、交流回路、電磁波といった電磁気学の概念が、モーター、発電機、変圧器といった装置が作動するうえで重要であることが理解できない

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP2 説明 閉じる
地域志向 〇 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【開講学期】冬学期週4時間
物理学における最重要概念である「エネルギー」を俯瞰し,これを用いて物理現象を記述できるようになることが目標である。2年生の物理の総まとめと位置づけ,「エネルギー物理学I」,「力学II」の知識を集約して,エネルギーの伝播の基本である振動の現象と,電気エネルギーの基礎、応用を学ぶ。
授業の進め方・方法:
2年生の総まとめとして,また,3年生以降の応用物理を見据え,微分や積分の概念を紹介しつつエネルギーの正体を解説する。エネルギー物理学IIで取り扱う内容は視覚化が難しく,概念でとらえる必要性が高い分野である。演習問題などを適宜行いつつ,日常生活に現れる現象とリンクさせながら議論を進める。到達度試験70%、課題・小テスト等30%として評価を行い、総合評価は100点満点として、60点以上を合格とする。
注意点:
1,2年生で学んだ物理と数学を理解できていることが,エネルギー物理学IIを履修する上での前提条件である。習得が不十分であれば,秋学期を利用してよく復習しておくこと。また,一度分からなくなると,理解が追いつくまでに非常に長い時間を要するため,分からなくなりかけたら,できるだけ速やかに質問したり,調査したりするスキルが要求される。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 波の伝わり方 波の伝わり方を理解できる
2週 波の重ね合わせの原理 波の重ね合わせの原理を理解できる
3週 演習(波動) 波動の問題を解くことができる
4週 音の伝わり方 音の伝わり方を理解できる
5週 発音体の振動 発音体の振動を理解できる
6週 演習(音波) 音波の問題を解くことができる
7週 電荷と電流 電荷と電流の概念を理解できる
8週 直流電気回路 直流電気回路が理解できる
4thQ
9週 演習(電流) 電流の問題を解くことができる
10週 電流がつくる磁場 電流がつくる磁場を理解できる
11週 電磁誘導 電磁誘導を理解できる
12週 交流電気回路 交流電気回路を理解できる
13週 電磁波 電磁波を理解できる
14週 演習(電気の利用) モーター、発電機、変圧器に関する問題を解くことができる
15週 到達度試験(答案返却とまとめ)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。2
横波と縦波の違いについて説明できる。2
波の重ね合わせの原理について説明できる。2
波の独立性について説明できる。2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。2
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。2
ホイヘンスの原理について説明できる。2
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。2
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。2
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。2
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。2
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。2
自然光と偏光の違いについて説明できる。2
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。2
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。2
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。2
電場・電位について説明できる。2
クーロンの法則が説明できる。2
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。2
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。2
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。2
ジュール熱や電力を求めることができる。2

評価割合

到達度試験小テスト・レポート等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000