水理学Ⅱ(4121)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 水理学Ⅱ(4121)
科目番号 4Z36 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 環境・都市システム系 教科書シリーズ7 水理学
担当教員 南 將人

到達目標

用語を理解し説明できること。  層流・乱流および常流・射流の分類を理解し、説明・判定できること。 様々な断面に対する限界水深が計算できること。管路におけるエネルギ消耗を理解し、流量が計算できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
流れの分類方法層流・乱流および常流・射流の分類を理解し、説明・判定できる層流・乱流および常流・射流の分類を概ね理解できる層流・乱流および常流・射流の分類を説明・判定できない
開水路の比エネルギーと 限界水深様々な断面に対する限界水深が計算できる様々な断面に対する限界水深の計算方法を概ね説明できる限界水深の計算ができない
不等流計算による水面形と堰の分類不等流計算による水面形が計算できる。また、堰の分類が出来る。概ね水面形の計算と堰の分類ができる水面形計算と堰の分類ができない

学科の到達目標項目との関係

ディプロマポリシー DP3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人類の歴史は河や海と深く関わっている。水は生命を維持するために無くてはならないものであり、生活用水、農業用水、工業用水などに利用し、生活を豊かなものにしている。しかし、時として洪水、津波、土石流などのように生命、財産を奪うこともある。水理学は河川改修、海岸堤防、上下水道、ダム、各種水利施設などの設計に用いられる。この授業では水の運動に関する基本的概念と原理につて説明し、その基本的性質を学ぶ。水とはどのような物理的性質のものか理解すること、流体の基礎式を導き、いろいろな条件で考察できることが目標となる。
授業の進め方・方法:
3年生の水理学Ⅰの続きである。微小要素に働く力や運動量の釣り合いから基本式を導き、境界条件から解を求めて考察する。流れは乱れているかどうかで層流と乱流に、時間的に変化しているかどうかで定常流と非定常流に、自由表面があるかどうかで管水路と開水路に区分され、その状況で流れの様子はかなり異なる。そこで、エネルギ消耗の概念を導入して工学的に重要である様々な流れについて説明する。エネルギー損失を把握した上で、流下時の流量、流速、断面形状の水理特性を考慮し、菅水路と開水路の工学的に重要な流れの問題を学ぶ。
注意点:
授業計画の各項目の内容について説明し、演習問題、課題により理解を深める。数学的な記述が多いので、基礎数学や微分積分学を理解しておく必要がある。計算問題が多いので関数電卓は必携である。演習では各自の理解度を自覚できる。建設技術者にとっては基礎的科目となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 平均流速公式
各種形損失
各種断面平均流速公式と摩擦および形状損失の取扱い方を理解する
2週 エネルギー線
動水勾配線
エネルギー線(E線)と動水勾配線(P線)を算出して図を描く
3週 フルード数
開水路流れの分類
Fr数による開水路の分類方法を理解する
4週 跳水現象
比エネルギー
運動量方程式を適用して跳水現象の問題を解く。また、エネルギー保存則より比エネルギー式を誘導する
5週 不等流の運動方程式
水面形の分類
不等流の運動方程式を理解する。また、勾配や境界条件から理論的に存在する水面計形を理解する
6週 支配断面
不等流計算による水面形の算出
水面の境界条件(=支配断面)の種類を理解し、水面形を算出する
7週 横越流せき
堰の分類と流量公式
横越流せきの目的と構造を理解し、水深や流量を算出する。また、幅と水深によって堰の分類を理解する
8週 到達度試験
(答案返却とまとめ)
試験および答案返却
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前2
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。3前1
各種の管路の流れが計算できる。3前1
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。3前1
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。3前5

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100