構造力学Ⅱ(4091)

科目基礎情報

学校 八戸工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 構造力学Ⅱ(4091)
科目番号 0136 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 産業システム工学科環境都市・建築デザインコース 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 1.「構造力学を学ぶ-基礎からエネルギー法まで-」米田昌弘著(森北出版) 2.「構造力学問題集」赤木知之・色部誠共著(森北出版)
担当教員 丸岡 晃

到達目標

1. 専門用語を理解し、説明できること。
2. 理論や公式の導出過程を理解し、基本的な公式は暗記し、公式として使用できること。
3. 断面特性の算出法(複合断面の図心および図心軸に関する断面2次モーメント)を理解し、計算できること。
4. 各種応力の算出法(合成材料の軸応力、また、複合断面の曲げ応力とせん断応力)を理解し、計算できること。
5. 荷重と断面力の関係を用いた梁の解法を理解し、より複雑な静定構造を計算できること。
6. 静定梁の変形についての解法を理解し、計算できること。
7. 簡単な不静定梁の解法を理解し、計算できること。
8. 短柱と長柱についての解法を理解し、計算できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
専門用語英語の専門用語を対応する日本語の専門用語に訳せる。理解し、説明できる。正しく理解できず、説明できない。
理論や公式理論や公式の導出過程を理解している。基本的な公式を暗記し、公式を使用できる。基本的な公式を正しく暗記していない。公式を暗記していたとしても正しく使用できない。
断面特性の算出法理解し、計算できる。理解している。単純な問題であれば正しく計算できる。正しく理解していない。
各種応力の算出法理解し、計算できる。理解している。単純な問題であれば正しく計算できる。正しく理解していない。
静定梁の変形についての解法理解し、計算できる。張出梁やゲルバー梁であっても正しく計算できる。理解している。単純梁や片持梁であれば正しく計算できる。正しく理解していない。
荷重と断面力の関係を用いた梁の解法理解し、計算できる。理解している。正しく理解していない。
簡単な不静定梁の解法理解し、計算できる。理解している。正しく理解していない。
短柱と長柱の解法理解し、計算できる。理解している。正しく理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造力学は各種構造物の力学的性質を知り、それらを安全に設計し、建設するための基礎となる学問である。構造力学Ⅱの内容は、構造力学Ⅰを発展させたもので、構造力学Ⅰ・Ⅱによって静定構造の解法の基礎が確立する。さらに簡単な不静定構造の解法についても扱い、構造力学Ⅲへの橋渡しとなる。本授業は、他の力学系専門科目の基礎となるばかりでなく、就職試験、編入学試験で扱われることも多いので、しっかりと理解する必要がある。授業では多くの演習問題を解き、理論の理解とともに実際的な計算能力を身につける。
授業の進め方・方法:
夏学期には、構造部材の断面特性、柱の引張・圧縮応力、梁の曲げ応力、せん断応力について学ぶ。また、荷重と断面力の関係を用いた梁の解法によって、より複雑な荷重の作用する静定構造の解き方について学ぶ。冬学期には、静定梁の変形、短柱と長柱、簡単な不静定梁の解法について学ぶ。説明と演習をセットで行うので授業時間内に理解してほしい。専門用語については、英語表記も示すので覚えるようにしてほしい。
注意点:
1. 基本的に教科書に沿って授業を進める。わからないと感じたときには、何度も教科書を読み直し、復習すること。
2. 自宅学習用の演習問題を適宜課す。必ず自力で実施し、提出が求められた場合には指定された期限内に提出すること。
3. 授業中に小テストを4回行う。特別な理由のない欠席により小テストを受けなかった場合、事後に小テストを実施しない。
4. A4ファイルを用意し、授業で配布するプリント、演習問題、小テスト答案、到達度試験答案をファイリングして残しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 積分と構造力学、断面形状特性について
断面積・断面1次モーメント・図心・断面2次モーメント
2週 長方形・三角形断面の断面特性
複合断面の断面特性
3週 種々の断面の断面2次モーメント
4週 梁の応力
5週 梁の曲げ応力
6週 梁のせん断応力
7週 合成材料(直列)の軸応力
合成材料(並列)の軸応力
8週 回転した軸に関する断面2次・相乗・極モーメント
主軸・主断面2次モーメント
2ndQ
9週 小テスト(1)
荷重と断面力の関係、梁の微分方程式と境界条件
10週 端部に荷重の作用する梁
三角形等変分布荷重の作用する梁(梁全体と梁の一部)
11週 複雑な梁(張出梁・ゲルバー梁)
曲がり梁
12週 静定ラーメン
13週 3ヒンジラーメン
小テスト(2)
14週 組合せ応力
15週 到達度試験(1)
(答案返却とまとめ)
16週
後期
3rdQ
1週 静定梁の変形について
2週 たわみ曲線の微分方程式と境界条件
3週 弾性荷重法(1)
4週 弾性荷重法(2)
5週 張出梁・ゲルバー梁のたわみ
6週 小テスト(3)
簡単な不静定梁について
7週 たわみ曲線の微分方程式を用いた解法(1)
8週 たわみ曲線の微分方程式を用いた解法(2)
4thQ
9週 変形の適合条件を用いた解法(1)
10週 変形の適合条件を用いた解法(2)
11週 小テスト(4)
短柱と長柱について
12週 短柱
13週 長柱(1)
14週 長柱(2)
15週 到達度試験(2)
(答案返却とまとめ)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4前1
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4前2,前3,前8
はりの断面力と荷重の相互関係を理解している。4前9,前10
はりにおける変形の基本仮定を理解し、断面力と応力(軸応力、せん断応力、曲げ応力)について説明でき、それらを計算できる。4前4,前6
はりに生じる応力から、簡単なはりの設計ができる。4前14
ラーメンやその種類について理解している。4前12,前13
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4前12,前13
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4前4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係(フックの法則、弾性係数、ポアソン比)について説明でき、それらを活用できる。4前4
曲げモーメントによる断面に生じる応力(圧縮、引張)とひずみを理解し、それらを計算できる。4前5
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4前4
垂直応力とせん断応力について説明できる。4前4
主応力と主軸について説明できる。4前14
モールの応力円を利用して、構造物内部の応力状態を説明できる。2前14
はりのたわみの微分方程式を理解している。4後1,後2
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4後2
弾性荷重法を理解し、はりのたわみやたわみ角を計算できる。4後3,後4,後5
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4後11,後12,後14
柱の細長比と座屈荷重の関係から、柱の基本的な設計を理解している。4後13,後14
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4後6,後7,後8,後9,後10

評価割合

到達度試験小テスト演習問題合計
総合評価割合702010100
基礎的能力0000
専門的能力702010100
分野横断的能力0000