実践工学

科目基礎情報

学校 一関工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 実践工学
科目番号 0008 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 共通専門科目 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 自作資料および情報セキュリティ人材育成(分野別教材)資料を使用
担当教員 八戸 俊貴,藤田 実樹,小林 健一,貝原 巳樹雄,滝渡 幸治

到達目標

実践的技術者育成および社会実装教育の一環として,知財・工学倫理を学び,高度な実践的技術者を求める地域の要請に応える資質を養う.
【教育目標 】C, D, E
【学習・教育到達目標 】C-2,C-3,D-2,E-1,E-2
【キーワード 】 知的財産、工学倫理

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
知的財産1知的財産の概要および重要性を理解した上でそれらを具体的にかつ詳細に他者に説明することができる。知的財産の概要および重要性を理解した上でそれらを簡単に他者に説明することができる。知的財産の概要および重要性を理解できない。さらに他者に説明することができない。
知的財産2パテントコンテスト出願に耐えうる優秀な発明案を提案することができる。比較的標準的な発明案を提案することができる。発明案を提案することができない。
工学倫理1工学倫理の概要および重要性を理解した上でそれらを具体的にかつ詳細に他者に説明することができる。工学倫理の概要および重要性を理解した上でそれらを簡単に他者に説明することができる。工学倫理の概要および重要性を理解できない。さらに他者に説明することができない。
工学倫理2工学倫理に深くかかわる企業ブランド、リコール、企業倫理、PL法について理解した上ででそれらを具体的にかつ詳細に他者に説明することができる。工学倫理に深くかかわる企業ブランド、リコール、企業倫理、PL法を理解した上でそれらを簡単に他者に説明することができる。工学倫理に深くかかわる企業ブランド、リコール、企業倫理、PL法を理解できない。さらに他者に説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
実践的技術者に求められている社会人力の入門的な知識を学ぶ.具体的には特許申請などに関係する知的財産に関する事項および工学倫理の2つを柱とする.
授業の進め方・方法:
すべての回を遠隔授業によって実施する.
知財ではグループワークを中心に進めていく.また,PowerPointによる発表用資料作成も行う.授業に関する連絡は,Teamsによるチャットやmoodleへのファイル(PDF等)アップロードにより行う.
注意点:
注意点
・配布資料は全てMoodleにアップロードする.また課題提出もMoodleへのアップロードを主とするため,Moodleの利用について熟知しておくこと.
【事前学習 】
・毎回の授業において,必要に応じてMoodleから資料をダウンロードして印刷し準備しておくこと.資料を印刷しない場合,タブレットなどを利用して常に資料を見ることができるような環境にしておくこと.
・教科書を使用しないことから,授業前に資料を確認し,授業内容の把握に努めること.
【評価方法・基準 】
・知財,工学倫理の各課題で評価する.
・知財は,PowePoint資料によるグループプレゼン(50%)およびパテントコンテスト発明提出書(50%)で評価する.
・工学倫理は提出課題(課題数1)(100%)で評価する.
・全体成績は知財(70%),工学倫理(30%)とする.
・総合成績60点以上を単位修得とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション+知財概要説明 実践工学の意義と知財概要を理解できる.
2週 知財の法制度+特許情報プラットフォームほか 知的財産の概要と重要性を理解できる.
3週 知財課題演習(1回目) グループの案を決定し,類似発明を検索できる.
4週 知財課題演習(2回目) 調べた類似発明を基に案の見直しができる.
5週 知財課題演習(3回目) 案の問題点を抽出して解決策を検討できる.
6週 知財課題演習(4回目) グループ内で役割分担しながら,自主的に活動できる.(パテントコンテスト提出用書類作成)
7週 知財課題演習(5回目) グループ内で役割分担しながら,自主的に活動できる.(パテントコンテスト提出用書類作成)
8週 工学倫理概略・導入 工学倫理の定義およびその重要性を説明できる.また工学倫理と道徳・法律との関係を説明できる.
2ndQ
9週 企業のブランドイメージおよびリコールと工学倫理との関連 企業のブランドイメージおよびリコールについて説明できる.さらにそれらと工学倫理との関連性についても説明できる.
10週 企業倫理と工学倫理 企業倫理とは何かを説明できる.さらに企業倫理と工学倫理との関連性についても説明できる.また、実際に注意すべき具体的な事例を学び、理解する。(情報セキュリティ人材育成資料利用)
11週 製造者責任法(PL法)と工学倫理 製造者責任法(PL法)と工学倫理との関連性について説明できる.
12週 知財課題演習(6回目) グループ内で役割分担しながら,自主的に活動できる.(パテントコンテスト提出用書類修正)
13週 知財課題演習(7回目) グループ内で役割分担しながら,自主的に活動できる.(発表資料作成)
14週 知財課題演習(8回目) グループ内で役割分担しながら,自主的に活動できる.(発表資料作成)
15週 これまでのまとめ グループの案を分かりやすく説明できる(グループ発表)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3

評価割合

発表課題合計
総合評価割合3565100
知財353570
工学倫理03030