微分積分Ⅱ

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 微分積分Ⅱ
科目番号 0067 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 総合科学系(広瀬キャンパス一般科目) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 新微分積分Ⅰ(大日本図書) 新微分積分Ⅰ問題集(大日本図書)
担当教員 穂坂 紀子

到達目標

・ 微分法に関する概念を理解し,関数の導関数を求められるようになる。
・ 基本的な関数について増減表を作成でき,それを基にグラフの概形が描けるようになる。
・ 積分法に関する概念を理解し,不定積分と定積分を求められるようになる。
・ 図形の面積,曲線の長さ,立体の体積が計算できるようになる。
・ 数学の知識および技術などを物理学などの他の自然科学の分野,工学における現象面と関連づけて活用するための能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安基礎的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
極限極限の意味を理解し,いろいろな関数について適切に極限値を求めることができる。極限の意味を理解し,教科書の例題に示されるような関数について,適切に極限値を求めることができる。極限の意味を理解し,簡単な関数について,極限値を求めることができる。極限値を求めることが出来ない。
導関数平均変化率と微分係数、導関数を理解し,利用することが出来る。 いろいろな関数について適切に導関数を求めることができる。平均変化率と微分係数、導関数を理解している。 教科書の例題に示されるような関数について,適切に導関数を求めることができる。平均変化率と微分係数の違いについて説明することができる。 微分係数を求めることができる。 簡単な関数の導関数を求めることができる。微分係数,導関数を求めることが出来ない。
導関数とグラフ高次導関数を用いて複雑な関数の増減表を書くことが出来る。 関数の連続と極大極小,最大値,最小値について説明することができ,適切に値を求めることができる。 いろいろな関数について,曲線の凹凸を考慮してグラフの概形を描くことができる。高次導関数を用いて増減表を書くことが出来る。 教科書の例題に示されるような関数について,増減表から曲線の凹凸を考慮してグラフの概形を描くことができる。 関数の連続を考慮して,適切に極大値,極小値,最大値,最小値を求めることができる。増減表を書くことが出来る。 増減表から、簡単な関数のグラフの概形を描くことができる。 極大,極小を理解し,値を求めることができる。 最大値,最小値を求めることができる。増減表を書くことが出来ない。 増減表からグラフの概形を描くことができない。 極大値,極小値,最大値,最小値を求めることが出来ない。
不定積分いろいろな関数について,適切な計算手法を適用して不定積分を求めることができる。教科書の例題に示されるような関数について,置換積分,部分積分の適切な計算手法を用いて定積分を求めることができる。簡単な関数について,不定積分を求めることができる。不定積分を求めることができない。
定積分いろいろな関数について,適切な計算手法を用いて定積分を求めることができる。教科書の例題に示されるような関数について,適切な計算手法を用いて定積分を求めることができる。簡単な関数について,定積分を求めることができる。定積分を求めることができない。
定積分と図形いろいろな図形について,適切な計算手法を用いて,曲線の長さ,面積,体積を求めることができる。教科書の例題に示されるような図形について,曲線の長さ,面積,体積を適切に求めることができる。簡単な図形について,曲線の長さ,面積,体積を求めることができる。定積分を用いて曲線の長さ,面積,体積を求めることができない。
媒介変数表示と微分積分媒介変数表示を理解し,いろいろな関数について適切に微分,積分の計算ができる。 媒介変数表示を理解し,教科書の例題に示されるような関数について微分,積分の計算ができる。媒介変数表示を理解し,簡単な関数について,微分,積分の計算ができる。媒介変数表示,極座標表示を理解し,微分,積分の計算をすることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
微分積分の理論を理解し計算ができるようになることを目標とする。微分については基本的な関数について増減表を作成でき,グラフがかけるようになる。積分については,図形の面積,立体の体積,曲線の長さ,回転面の側面積,広義積分ができるようになる。
基礎的計算力と論理的思考力を身につける。教科書の問と練習問題の70%は自力で解けるようになる。また,補助教科書の60%は自力で解けるようになる。
授業の進め方・方法:
1年で学習した指数・対数・三角関数の内容は理解できているという前提で授業を進める。前期第1週には,それらの理解を確認するための機会を設けるので,理解が不十分なところはしっかり復習しておくこと。
授業は主に教科書に準拠して進める。教科書の演習問題、補助教科書の練習問題を用いて学習内容の定着を図る。授業時間中や宿題等で取り扱えなかった問題についても,各自,自学自習して学習内容を定着させること。
注意点:
本科目は,基礎数学A,基礎数学B,微分積分Ⅲ及び数学を基礎とする科目と関連する。1学年で学習した内容が基礎となっているので,その理解が十分でない学生は,復習しておく必要がある。
微分積分には多くの概念や記法が登場する。特に新規に登場した記法は,積極的にそれらを用いて習熟するよう留意すること。
自学自習として,各回の授業内容,達成項目及び教科書内容を確認しておくこと。理解を確実にするため,また,学習内容の定着を図るため,積極的に問題集などの問題に取り組むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前年度の復習
極限の基本概念
1学年で既習の指数・対数・三角関数の基本的な計算ができる。
極限の意味と使い方を理解する。
2週 関数の極限
平均変化率と微分係数
極限値を求めることができる。
平均変化率や微分係数の計算ができる。
3週 導関数の性質と基本公式 導関数の性質と基本公式から,多項式の加減乗除・累乗で表される関数の導関数を求めることができる。
4週 三角関数・指数関数の導関数 三角関数と指数関数の導関数を理解し,活用できる。
5週 合成関数・対数関数の導関数 合成関数・対数関数の導関数を理解し,活用できる。
6週 逆三角関数とその導関数 逆三角関数をはじめとする逆関数の導関数を理解し,活用できる。
7週 関数の連続性・中間値の定理 関数の連続の概念・定義を理解し活用できる。中間値の定理を活用できる。
8週 演習
2ndQ
9週 中間試験及び返却
10週 接線と法線 接線と法線を求めることができる。
11週 関数の増減と増減表
極大と極小
最大値と最小値
極大極小を理解し,増減表が書ける。
最大値と最小値を求めることができる。
12週 ロピタルの定理
高次導関数
ロピタルの定理を理解し,活用できる。
高次導関数を求めることができる。
13週 曲線の凹凸
曲線の凹凸を理解し,増減表に反映させることができる。
増減表からグラフの概形を描くことができる。
14週 媒介変数表示と微分法
速度と加速度
媒介変数表示を理解し,微分できる。
速度と加速度を理解し,活用できる。
15週 期末試験及び返却
16週 平均値の定理 平均値の定理を理解し,活用できる。
後期
3rdQ
1週 不定積分 不定積分の定義を理解する。
2週 いろいろな関数の不定積分 三角関数・指数対数関数などのいろいろな関数の不定積分を求めることができる。
3週 置換積分法 置換積分を用いて不定積分を求めることができる。
4週 部分積分法 部分積分を用いて不定積分を求めることができる。
5週 定積分の定義と計算 定積分の定義を理解する。
定積分の計算ができる。
6週 微分積分の基本定理
微分積分の基本定理を理解する。
7週 いろいろな関数の積分 いろいろな関数の不定積分や定積分を求めることができる。
8週 中間試験および返却
4thQ
9週 定積分と面積 定積分と面積の関係を理解し,計算ができる。
10週 曲線の長さ 定積分を用いて曲線の長さを求めることができる。
11週 立体の体積 定積分を用いて立体の体積を求めることができる。
12週 媒介変数表示による図形 媒介変数表示を理解し,積分できる。
13週 極座標による図形 極座標表示を理解し,積分できる。
14週 広義積分 広義積分の意味を理解し,計算できる。
15週 変化率と積分 座標・速度・加速度などを積分で求めることができる。
16週 期末試験および返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
導関数の定義を理解している。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
微積分の基本定理を理解している。3
定積分の基本的な計算ができる。3
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合80200100
基礎的能力80200100
専門的能力0000