第Ⅰ類基礎実験

科目基礎情報

学校 仙台高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 第Ⅰ類基礎実験
科目番号 0032 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 総合工学科Ⅰ類 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:6
教科書/教材 実験テキストの配布(半導体回路、ネットワーク基礎、データ・統計処理、組込みシステム・制御)
担当教員 岡本 圭史,白根 崇,力武 克彰,矢島 邦昭,岩井 克全,速水 健一

到達目標

情報工学あるいは電子工学の分野で,人間性豊かなエンジニアとして活躍するための知識を獲得する。
大きく2つの目標がある。
(1)ネットワークに関する基礎的な内容を実習を通じて理解する。
(2)情報工学・電子工学に関する基礎的な内容を実験・実習を通じて理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
半導体回路トランジスタ・ダイオードの働きを他人に説明出来る.トランジスタ・ダイオードの働きを補助を受けながら説明出来る.トランジスタ・ダイオードの働きを補助を受けながらでも説明できない.
ネットワーク基礎(1)UTPケーブルの作成及び取り扱いができる。(2)無線LANの仕組みがわかり、インターネットへの接続設定ができる。(3)静的及び動的経路制御としてRIPの設定ができる。(1)UTPケーブルの作成及び取り扱いができる。(2)無線LANの基本的な機能や用語を説明できる。(3)与えられたPCをネットワークに接続させることができる。(1)UTPケーブルの取り扱いができない。(2)無線LANの基本的な機能や用語を説明できない。(3)与えられたPCをネットワークに接続させることができない。
データ・統計処理統計学に関する基本的な諸概念・定義を説明でき,それらに関する計算を実施できる.統計学に関する基本的な諸概念・定義を説明できる.統計学に関する基本的な諸概念・定義を説明できない.
組込みシステム・制御- 組込み及び制御に関する必要な技術を習得し説明できることに加え、課題に対してそれらの技術を適切に活用することができる。 - 実習ボードを制御するためのプログラムを作成することができ、さらに、適切に拡張や修正を行うことができる。- 組込み及び制御に関する必要な技術を習得し、説明することができる。 - 実習ボードを制御するためのプログラムを作成することができる。- 組込み及び制御に関する必要な技術について説明できない。 - 実習ボードを制御するためのプログラムを作成することができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報工学・電子工学に関する基礎的な内容について実験実習を通じて現象を知ることから理解へ繋げる。
【半導体】授業で学んだ素子,回路について、実際に回路を作成しデータを測定することで,その特性等を理解する。
【ネットワーク基礎】ネットワーク基礎で学んだ内容を実際に実施することで,講義内容を復習し理解を高める。
【データ・統計処理】統計学に関する基本的な諸概念・処理法を学び,それらを実際のデータに対し適用することで,データ・統計処理の基礎を理解する。
【組込みシステム・制御】ロボットカーの制御システムを題材として、組込みシステムを実現するためにとなる各種の技術を実践的に学ぶ。
授業の進め方・方法:
【半導体】実験は、電気回路基礎、電磁気学基礎、電子回路基礎、電子機器基礎、電子計測と関連する。
また、実験の進め方は各グループにて、計画、実行、再計画による自発的なスケジュールとなる。グループで期間内に実験を終えるように情報の共有、協力によりするめること。
実験を行う際には、実験指導書を予習し目的を明確にしてから、測定結果を予測して臨むこと。また、実験後には、得られた結果が何を表すのかの明確化、測定結果の意味に関する十分な検討、不明点・疑問点の調査を怠らないようにして、分かりやすい実験報告書を期限内に作成すること。
【ネットワーク基礎】ネットワーク基礎と関連する。4年次から本格的に学ぶネットワーク関連の科目の基礎となる。毎週2時限/日で実施し,その都度,実習に続けて時間内に実習内容のまとめの提出も行う。また,まとめ試験を実施して理解度をはかる。実習に必要な資料は印刷媒体及びBlackBoardで配布する。
【データ・統計処理】数学と関連する。配布スライドを基に講義を行い,その知識を用いてデータ処理を実習する。各テーマで課される課題を最後にまとめて提出すること。
【組込みシステム・制御】プログラミング・マイクロコンピュータと関連する。
5名程度でチームを構成して、ロボットカーによる自動走行などを想定した課題を達成できるような組込みシステムの開発を行う。
注意点:
この授業は,様々な実験・実習のオムニバス形式で構成されていることから,所属するグループと実験項目に注意して臨むようにしてください。
【半導体】グループでの情報共有、個人での管理物のがあります。報告書の書き方は2年生で学んだ報告書の書き方に従うこと。
目的、使用機器、原理、実験結果、考察をテキストから読み取り、グループで協力してまとめて、提出すること。
配布された資料は、各自で管理すること。
【ネットワーク基礎】実習は個人またはグループ単位で行う。実習に続けて毎回、時間内に実習内容のまとめの提出も行う。この提出までできてその回の実習は完了となる。やむを得ず実習を欠席した場合には,次回の実習回まで回復できているとよりよい。毎週の補習時間も積極的に活用する。
【データ・統計処理】実習と課題提出は個人単位で行う。実習と課題で利用するデータは各自で用意するため,利用条件に注意すること。
【組込みシステム・制御】実習はグループで行う。チーム内で役割分担を行い、各自の責務を果たすこと。課題提出は個人単位で行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス オムニバス方式について理解すること。
グループ分けができること。
2週 安全教育1 通常の生活を含め安全に対する配慮ができるようになること。
3週 安全教育2 構内に準備されている工作機械を含め、指導者のもとで安全な利用ができるようになる。
4週 半導体回路1-1回目 E-Stationを利用できるようになる。
5週 半導体回路1-2回目 ダイオード特性, LED, 整流回路の測定ができる。
6週 半導体回路1-3回目 ダイオード特性, LED, 整流回路の測定ができる。
7週 半導体回路1-4回目 ダイオード特性, LED, 整流回路の測定ができる。
8週 半導体回路1-5回目 ダイオード特性, LED, 整流回路の測定ができる。
2ndQ
9週 半導体回路1-6回目 ダイオード特性, LED, 整流回路の測定ができる。
10週 半導体回路2-1回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの同腹回路の測定ができる.
11週 半導体回路2-2回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの同腹回路の測定ができる.
12週 半導体回路2-3回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの同腹回路の測定ができる.
13週 半導体回路2-4回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの同腹回路の測定ができる.
14週 半導体回路2-5回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの同腹回路の測定ができる.
15週 半導体回路2-6回目 BJTの増幅回路、エミッタフォロワ、MOSFETの同腹回路の測定ができる.
16週 予備
後期
3rdQ
1週 ネットワーク基礎:ガイダンス,ネットワーク ケーブルの作成
データ・統計処理1回目
ネットワーク基礎:ガイダンス,UTPケーブルを作成する
データ・統計処理:統計処理に必要なソフトウェアの基本操作ができる
2週 ネットワーク基礎:ネットワーク シミュレーター(PacketTracer)を用いたネットワークの構築
データ・統計処理2回目
ネットワーク基礎:ネットワークへのPCを接続,PacketTracerを利用,BlackBoardを利用する
データ・統計処理:代表値に関する諸概念・定義を理解する.代表値に関する計算法を理解する.
3週 ネットワーク基礎:ネットワーク シミュレーターを用いたネットワークの構築
データ・統計処理3回目
ネットワーク基礎:ネットワーク スイッチを利用したネットワークを構築する
データ・統計処理:散布度,度数分布,統計量要約グラフ,基準値,偏差値等に関する諸概念・定義を理解する.
4週 ネットワーク基礎:インターネット アクセス ルーターの設定
データ・統計処理4回目
ネットワーク基礎:PCから無線でルーターに接続する
データ・統計処理:散布度,度数分布,統計量要約グラフ,基準値,偏差値等に関する計算法を理解する.
5週 ネットワーク基礎:インターネット アクセス ルーターの設定
データ・統計処理5回目
ネットワーク基礎:PCから無線でインターネットに接続,ネットワーク教材の利用する
データ・統計処理:2項分布,ポアソン分布,正規分布等の諸概念・定義を理解する.2項分布,ポアソン分布,正規分布等に関する計算法を理解する.
6週 ネットワーク基礎:ネットワーク シミュレーターを用いたネットワークの構築
データ・統計処理6回目
ネットワーク基礎:ルーター1台のネットワークを構築する
データ・統計処理:これまでの諸概念・定義を理解し,具体的なデータに対し適用できる.
7週 ネットワーク基礎:ネットワーク シミュレーターを用いたネットワークの構築
組込みシステム・制御1回目
ネットワーク基礎:ルーター2台以上のネットワークを構築する
組込みシステム・制御:実習ボード(ロボットカー)の開発開発環境に慣れる。実習ボードの制御に必要なプログラミングの基礎を習得する。
8週 ネットワーク基礎:ネットワーク シミュレーターを用いたネットワークの構築
組込みシステム・制御2回目
ネットワーク基礎:静的経路制御を行う
組込みシステム・制御:組込みシステム及びその制御に必要となる技術を習得し、基礎部分について説明できるようになる。
4thQ
9週 ネットワーク基礎:ネットワーク シミュレーターを用いたネットワークの構築
組込みシステム・制御3回目
ネットワーク基礎:動的経路制御,RIPを設定する
組込みシステム・制御:設定された課題を達成するために、習得した技術を活用して、システムの設計と実装を行うことができる。
10週 ネットワーク基礎:ネットワーク シミュレーターを用いたネットワークの構築
組込みシステム・制御4回目
ネットワーク基礎:シリアル ケーブルを用いたネットワークを構築する
組込みシステム・制御:設定された課題を達成するために、習得した技術を活用して、システムの設計と実装を行うことができる。
11週 ネットワーク基礎:ットワーク シミュレーターを用いたネットワークの構築
組込みシステム・制御5回目
ネットワーク基礎:複数経路のネットワークを構築する
組込みシステム・制御:設定された課題を達成するために、習得した技術を活用して、システムの設計と実装を行うことができる。
12週 ネットワーク基礎:実機を用いたネットワークの構築
組込みシステム・制御6回目
ネットワーク基礎:コンソール ケーブルを用いたルーターを制御,またルーターの仕組みを知る
組込みシステム・制御:実習での取り組みを発表し、報告書としてまとめることができる。
13週 ネットワーク基礎:実機を用いたネットワークの構築
プレ・ラボ1回目
ネットワーク基礎:全員がつながる大規模ネットワークに挑戦する
プレ・ラボ:本格的な研究や実験を体験する
14週 ネットワーク基礎:まとめ試験
プレ・ラボ2回目
ネットワーク基礎:これまでの実習内容の理解度をはかる
プレ・ラボ:本格的な研究や実験を体験する
15週 ネットワーク基礎:振り返り,補講
プレ・ラボ3回目
ネットワーク基礎:振り返りと,補講を行う
プレ・ラボ:本格的な研究や実験を体験する
16週 予備 必要に応じて補講や実習を行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3前1
安全を確保して、実験を行うことができる。3前1,前2,前3,後7
実験報告書を決められた形式で作成できる。3前9,前15,後12
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3前9,前15
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前4,前11,後12
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前5,前6,前12,前13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前7,前8,前14
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前4,前9,後12
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前5,前10,後12
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後12
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後12
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後7,後8,後9,後10,後11,後12
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後7,後8,後9,後10,後11,後12
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後7,後8,後9,後10,後11,後12
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後7,後8,後9,後10,後11,後12
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3前4,前5
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3前10,前11
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3前6,前7
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3前8,前9
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6

評価割合

レポートまとめ試験合計
総合評価割合7525100
半導体回路16016
ネットワーク基礎252550
データ・統計処理17017
組込みシステム・制御17017