1,2. 数学的な記述も含め、質点系の力学を理解する。
3-6. 静電場における電界や電位を基礎や、コンデンサーの基本特性を理解する。
概要:
前半では、これまで学んできた初等的な力学(質点系の力学,力学的エネルギー)について、数学的な記述(微分積分学,ベクトルとその演算)を用いて再構成し、その理解を深める
後半では、電磁気学への初歩として、静電場の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。前半は数学的な記述を利用し、質点系の力学の理解を深めていく。質点系の力学は工学系のあらゆる分野の基礎になるため、数学的な表現に臆することなく、本質を理解することが重要である。後半では、静電場の基礎を図形的に理解し、その上で基本的な電界や電位やコンデンサーの電気容量の基本計算を習得する。
注意点:
講義/試験 には関数電卓を使用する.
二回の到達度試験の実施とともに, 適宜, 課題(演習/レポート)を課する.
試験の結果のみならず, 課題提出がないと単位取得が困難となる場合があるので注意を要する.
また高専本科低学年の初等物理の総合的な理解度を確認するためCBT試験を総合評価に加えている. ただし, 2020年度は新型コロナ対応で, 総合的な理解度を確認するための課題に置き変わる可能性がある.
講義を受ける前: 物理量などの定義をしっかりと把握すること,そして公式の暗記と数値の代入に終始することなく,公式の意味を理解しようとすることが大切である.
講義を受けた後: 論理的な思考を通して問題の解法の鍵を得ることが大切. 問題集を利用した解法・計算の訓練が習得のポイントとなる.
評価方法: 合格点は 総合評価 において50点である. 総合評価の成績は評価割合に従う.
中間成績は到達度試験(中間)の得点とする.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業ガイダンス 位置・速度・加速度 |
授業の進め方と評価の仕方について説明する. 位置ベクトルと変位の関係、極限操作による変位と速度と加速度が関係が理解できる。
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2週 |
ニュートンの運動の三法則 運動方程式とその適用例(1/2) |
運動方程式が瞬間を捉える微分方程式であることを利用し、物理Iで学んだ質点系運動での関係式が数学的に導出できるようになる。
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3週 |
運動方程式とその適用例(2/2) 回転に関する運動方程式(1/2) |
角運動量と力のモーメントの定義を数学を用いて定式化した上で、回転に対する運動方程式、角運動量保存則を理解できる。
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4週 |
回転に関する運動方程式(2/2)
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角運動量保存則を理解した上で、簡単な慣性モーメントが計算できる。
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5週 |
座標変換と慣性力 |
慣性系座標系における運動方程式と、回転座標系におけるコリオリの力が理解できる。
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6週 |
演習 |
これまで学んできた内容についての演習が解くことができる。
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7週 |
到達度試験(後期中間) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
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8週 |
試験の解説と解答 帯電 |
到達度試験の解説と解答 電荷保存の法則に必要な基礎事項と帯電した物体に働く静電気力の基礎が理解できる。
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4thQ |
9週 |
クーロンの法則と重ね合わせの原理 |
点電荷間に働く静電気力がベクトルで表現され、複数の静電気力が重ね合わせの原理で表現されることが理解できる。
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10週 |
電界とガウスの法則 |
単位点電荷(+1C)に働く力が電界(電場)で定義されることを学び、点電荷とそこから電気力線の本数がガウスの法則で表現されることが理解できる。
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11週 |
電位 |
単位点電荷(+1C)の静電気力による位置エネルギーが電位(差)で定義されることを学び、複数の電位が重ね合わせの原理で表現されることが理解できる。
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12週 |
導体と静電誘導 コンデンサーと電気容量 |
等電位面と電気力線の関係を理解した上で、導体における静電誘導、静電遮蔽が理解できる。 平行版コンデンサに蓄えられた電荷は電圧と電気容量に比例することを学び、平行版コンデンサーの電気容量が計算できる。
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13週 |
誘電体と誘電分極 コンデンサーの接続 |
不導体における誘電分極を学び、誘電体によるコンデンサの電気容量の変化について理解できる。 並列及び直列接続におけるコンデンサの合成された電気容量が計算できる
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14週 |
コンデンサーのエネルギー 演習 |
コンデンサに蓄えられている電気エネルギーを計算することができる。 これまで学んできた内容についての演習が解くことができる。
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15週 |
到達度試験(後期末) |
上記項目について学習した内容の理解度を授業の中で確認する.
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16週 |
試験の解説と解答 |
到達度試験の解説と解答、および授業アンケート.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 2 | |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 2 | |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 2 | |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 2 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 2 | 後11 |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 2 | |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 2 | |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 2 | |
物体に作用する力を図示することができる。 | 2 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 2 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 2 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 2 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 2 | |
慣性の法則について説明できる。 | 2 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 2 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 2 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 2 | 後12 |
運動の法則について説明できる。 | 2 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 2 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 2 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 2 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 2 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 2 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 2 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 2 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 2 | |
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。 | 2 | |
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。 | 2 | |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。 | 2 | |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 2 | |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 2 | |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 2 | |
重心に関する計算ができる。 | 2 | |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 2 | |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 2 | |
電気 | 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。 | 2 | |
電場・電位について説明できる。 | 2 | |
クーロンの法則が説明できる。 | 2 | |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 2 | |