到達目標
1. 物質の誘電的性質を説明できる。
2. 物質の磁性的性質を説明できる。
3. 物質の巨視的性質を電磁気学から説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 未到達レベルの目安(不可) |
評価項目1 | 誘電体の性質を分極という概念からイメージできる。 | 誘電体の性質を分極という概念から説明できる。 | 誘電体の性質を分極という概念から説明できない。 |
評価項目2 | 磁性体の性質を磁気双極子、磁化という概念からイメージできる。。 | 磁性体の性質を磁気双極子、磁化という概念から説明できる。 | 磁性体の性質を磁気双極子、磁化という概念から説明できない。 |
評価項目3 | 電磁気理論から物質中のマクスウエル方程式を導出できる。 | 電磁気理論から物質中のマクスウエル方程式を理解できる。 | 電磁気理論から物質中のマクスウエル方程式を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
近年の材料研究における固体物性の重要性は、化学系・生命科学系の研究者・技術者にも重要となっている。物性は、本来固体物理の範疇であったが、結晶の構造・電子状態・格子振動・電気的性質・誘電体・分子間力・磁気的性質などの概念理解が望まれる。これらの一部はすでに断片的に知識を記憶しているかもしれないが、物理化学の視点からこれらの自然現象をイメージするために、物理量を数式で表し、数式の変形で論理を展開する。とくに本講義では、電磁気理論から理解できる物性について知識を整理する。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。概念理解のための演習問題のレポート提出を求めることがある。試験結果の平均点が合格点に達しない場合、再試験を行うことがある。
注意点:
到達度試験の結果を80%,レポート(欠課措置を含む)を20%の比率で評価する。
総合評価 =(到達度試験(後期中間)評価点+到達度試験(後期末)評価点)/2 合格点は60点である。
(授業を受ける前)無機化学、応用物理学(電磁気学)等で学んだ学修内容を復習する。
(授業を受けた後)本講義の学修に加え、量子論に根ざした物性論を学修することで、将来新規材料を開発する際には、物性、構造、機能、化学合成などの分野にわたる知識を活用する基盤を形成する姿勢を継続する。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業ガイダンス・材料化学の領域 |
授業の進め方と評価の仕方について説明する。物性化学の学問領域を導入する。
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2週 |
分子の電気双極子モーメントと分極率 |
物質の分極現象を説明できる。
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3週 |
誘電体 |
常誘電体の分極、誘電率を説明できる。
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4週 |
複素誘電率 |
振動する電場を印加したときの誘電率の振動数依存性を説明できる。
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5週 |
誘電分散 |
誘電体に電場を印加した際に誘起される分極の時間変化を説明できる。
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6週 |
電気双極子の相互作用 |
点電荷や電気双極子の相互作用を説明できる。
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7週 |
まとめ |
誘電体の性質について知識を整理する。
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8週 |
到達度試験(後期中間) |
上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
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4thQ |
9週 |
試験の解説と解答 ベクトル解析の復習(1) |
到達度試験の解説と解答 発散と回転についての知識を整理する。
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10週 |
ベクトル解析の復習(2) |
ガウスの定理とストークスの定理を説明できる。
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11週 |
磁荷と磁気モーメント |
電子の磁気双極子モーメントが磁性の起源であることを説明できる。
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12週 |
磁化 |
磁化から常磁性、反磁性、強磁性、反強磁性の現象論を説明できる。
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13週 |
物質と変動磁場(1) |
電磁誘導とアンペール-マクスウエルの法則を説明できる。
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14週 |
物質と変動磁場(2) |
物質中のマクスウェル方程式を説明できる。
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15週 |
到達度試験(後期末) |
上記項目について学習した内容の理解度を確認する。
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16週 |
試験の解説と解答、授業アンケート |
到達度試験の解説と解答、本授業のまとめ、および授業アンケート
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 4 | |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 4 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 4 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 4 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 4 | |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 4 | |
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。 | 4 | |
金属結合の形成について理解できる。 | 4 | |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 4 | |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 4 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | レポート等 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
知識の基本的な理解 | 50 | 10 | 60 |
思考・推論・創造への適用力 | 10 | 0 | 10 |
汎用的技能 | 20 | 0 | 20 |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 0 | 10 | 10 |