到達目標
1.二端子対回路網の取り扱いを理解し、二端子回路の計算ができる。
2.ひずみ波交流をフーリエ級数を用いて表現し計算ができる。
3.電力の発電、送電、配電に用いられる3相交流回路、送電線や通信線を表現する分布定数回路について理解し計算ができる。
4.多相交流回路の構造と解析法を理解し計算ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 二端子対回路網の各種パラメータを理解し、関係した問題を解くことができる。 | 二端子対回路網の各種パラメータを理解できる。 | 二端子対回路網の各種パラメータを理解できない。 |
評価項目2 | ひずみ波のフーリエ級数展開ならびに実効値と電力について理解し、関係した問題を解くことができる。 | ひずみ波のフーリエ級数展開ならびに実効値と電力について理解できる。 | ひずみ波のフーリエ級数展開ならびに実効値と電力について理解できない。 |
評価項目3 | Y結線とΔ結線の対称3相交流回路と分布定数回路の特性インピーダンス、伝搬定数、電圧、電流などについて理解でき、関係した問題を解くことができる。 | Y結線とΔ結線の対称3相交流回路と分布定数回路の特性インピーダンス、伝搬定数、電圧、電流などについて理解できる。 | Y結線とΔ結線の対称3相交流回路と分布定数回路の特性インピーダンス、伝搬定数、電圧、電流などについて理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
二端子対回路網は周波数フィルタなどの設計に有効である。複数の正弦波で表現されたひずみ波の取り扱いは電源線の高調波損失の低減に活用できる。分布定数回路の解析は、送電線や通信線の伝送損失などの解析に不可欠である。ここでは、高度な電気回路解析方法について学習する。
授業の進め方・方法:
電気回路の理論について説明し、例題や章末問題を使った解説を行いながら進めていく。
注意点:
前期中間試験20%、前期末試験20%、後期中間試験20%、学年末試験20%、小テストまたは提出物10%、授業態度・学習への取り組み方10%を総合的に評価する。総合評価60点以上を合格とする。小テストおよび課題(提出物)は授業中に適宜実施する。各試験問題は、各達成目標に対応した内容の問題を出題する。試験問題のレベルは各達成目標が確認できる程度とする。関数電卓を使用することがある。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
アドミタンス行列 インピーダンス行列 |
アドミタンスパラメータ、インピーダンスパラメータの意味とその求め方を理解できる。
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2週 |
四端子定数 |
二端子対回路網の基礎方程式と四端子定数を理解できる。
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3週 |
H行列およびG行列 二端子対回路網の接続組合せ |
T形回路などの四端子定数の求め方、二端子対回路網の接続組み合わせについて理解できる。
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4週 |
映像インピーダンス |
影像インピーダンスの意味と求め方を理解できる。
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5週 |
伝達定数 |
伝達定数の意味と求め方を理解できる。
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6週 |
映像パラメータによる縦続接続 対称二端子対回路と二等分定理 |
対称二端子対回路と二等分定理を学び、その求め方を理解できる。
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7週 |
前期中間試験 |
前期中間試験。
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8週 |
前期中間試験の解説 |
前期中間試験の解説。
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2ndQ |
9週 |
ひずみ波交流とフーリエ変換 フーリエ級数の係数と種々の表現 |
ひずみ波交流をフーリエ級数展開する手法を理解できる。
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10週 |
特別な波形のひずみ波交流 偶関数波、奇関数波 |
偶関数波と波奇関数波をフーリエ級数展開する手法を理解できる。
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11週 |
特別な波形のひずみ波交流 対称波 |
対称波をフーリエ級数展開する手法を理解できる。
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12週 |
任意波形のフーリエ級数の求め方 ひずみ波交流の電圧と電流の実効値 |
任意波形をフーリエ級数展開する手法、電圧と電流の求め方を理解できる。
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13週 |
ひずみ波交流の電力 |
ひずみ波交流の電力、ひずみ率の求め方を理解できる。
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14週 |
前期末試験 |
前期末試験
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15週 |
前期末試験の解説 |
期末試験の解説。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
多相交流と結線方式 |
対称3相起電力とその複素数表示について理解できる。
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2週 |
多相交流の起電力と電流 |
星形結線(Y結線)と環状結線(Δ結線)方式について理解できる。
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3週 |
Y結線とΔ結線の等価変換 |
負荷のΔーYとYーΔ等価変換方法と計算方法を理解できる。
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4週 |
3相回路の解析 |
電源回路のΔーYおよびYーΔ等価変換方法と計算方法を理解できる。
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5週 |
多相交流回路の電力 |
対称3相起電力と平衡3相負荷の回路とその計算方法を理解できる。
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6週 |
対称多相交流による回転磁界 対称3相起電力に含まれる高調波 |
対称3相交流による回転磁界と高調波の解析法を理解できる。
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7週 |
対称座標法 |
対称座標法による非対称3相交流回路の解析法を理解できる。
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8週 |
後期中間試験 |
後期中間試験。
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の解説 |
後期中間試験の解説。
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10週 |
分布定数回路の基礎方程式と特性インピーダンス |
分布定数回路の基礎方程式の導出方法と解析、特性インピーダンスと伝搬定数の意味と計算方法を理解できる
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11週 |
無損失線路と無ひずみ線路 |
無損失線路と無ひずみ線路の内容と計算方法を理解できる。
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12週 |
各種の端子条件における電圧・電流、位相角 |
端子における電圧、電流が与えられた場合に任意の場所の電圧と電流の計算方法を理解できる。
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13週 |
線路の共振、反射波と透過波 |
線路の共振、反射波と透過波の内容と計算方法を理解できる。
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14週 |
学年末試験 |
学年末試験。
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15週 |
学年末試験の解説 |
学年末試験の解説。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 4 | |
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。 | 4 | |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 0 | 0 | 10 | 0 | 10 | 40 |
専門的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 |
分野横断的能力 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 |