到達目標
本授業の目的は座学の理解しにくい点を実際に実験を行うことにより理解することである.そのため以下のような達成目標を設定する.
1. 実験テーマの目的,原理,測定方法を理解し,測定器を選択してグループで測定を実施できる.
2. 各種素子,電気回路,論理回路などの測定方法を習得するとともに,簡単な回路を構成できる.
3. 実験結果および結果に対する考察を報告書にまとめ,決められた期日までに提出することができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
「実験テーマの目的,原理,測定方法を理解し,測定器を選択してグループで測定を実施できる」 | 目的,原理,測定方法を理解し,グループのリーダーとして実験を遂行できる. | 目的,原理,測定方法を理解し,グループの一員として実験を遂行できる. | 目的,原理,測定方法を理解できず,グループの一員として実験に参加できない. |
評価項目2
「各種素子,電気回路,論理回路などの測定方法を習得するとともに,簡単な回路を構成できる」 | テキストの内容と実験結果を理解し,テキストにない測定方法も自ら考え実施できる. | テキストに沿って,各種素子,電気回路,論理回路の測定を実施できる. | テキストに書かれた測定方法が理解できず,実験を遂行できない. |
評価項目3
「実験結果および結果に対する考察を報告書にまとめ,決められた期日までに提出することができる」 | 実験結果に対して参考文献を用い自分の言葉で的確な考察ができ,正しい日本語を用いて報告書をまとめ,期日までに提出できる. | 実験結果を表や図に表して,考察とともに報告書を作成し,期日までに提出することができる. | 実験結果を報告書にまとめることができず,期日までに報告書を提出できない. |
学科の到達目標項目との関係
(G) 電気電子工学分野を主とした幅広い知識と技術を活用して,実験・実習による実践力を身につける。
説明
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教育方法等
概要:
座学の理解しにくい点を実験により理解してもらう.主に3 年生で学ぶ電気回路(交流理論),電気機器および電子工学の範囲を実験テーマとしている.
授業の進め方・方法:
報告書80 %,取り組み姿勢20 %として総合判断し,総合評価50 点以上を合格とする.報告書は基本構成,論旨の明瞭さ,図表の正確性,考察内容,レポートの提出状況を評価する.また,取り組み姿勢は実験の取り組み姿勢,実技試験を評価する.ただし,全テーマの報告書提出を評価条件とし,1テーマでも未提出のレポートがある場合,報告書の評価は0点とする.
注意点:
電気主任技術者認定の必修科目である.
・報告書は「3年工学実験実習Ⅱについて」(講義中に配布)に書かれている項目を順守すること.守られていない場合,減点もしくは未完成とみなす.
・授業中の居眠りや許可なく携帯電話・スマートフォン・タブレット端末を使用した場合,最終評価点から減点する.
・報告書の提出期限は必ず守ること.遅れる場合は理由とともに事前に連絡すること.
・未完成の報告書を提出した場合,そのテーマのレポート評価は大幅な減点をする.
・実技試験において携帯電話・スマートフォン・タブレット端末の使用は不正とみなす.
事前・事後学習、オフィスアワー
事前学習として次回行う実験の予習を必ず行う.また,事後学習として実験結果を整理し,考察を行い,報告書にまとめる.
【オフィスアワー】16:00-17:00
※会議等で不在となることがあるので,事前に教員の予定を聞いておくことを薦める.実施日,時間は柔軟に対応する(上記時間帯以外も対応します).
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
実験実習の進め方がわかる.
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2週 |
実験概要説明(前期) |
各実験テーマ(前期)の概要を理解できる.
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3週 |
単相変圧器の特性試験(1週目) |
変圧器の絶縁試験,極性試験,無負荷試験,短絡試験を実施し,その内容を理解できる.
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4週 |
単相変圧器の特性試験(2週目) |
変圧器の負荷試験を実施し,その内容を理解できる.
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5週 |
太陽電池の特性試験(1週目) |
太陽電池を用いて電圧電流特性を測定し,その特性を理解できる.また,太陽電池における影の影響を理解できる.
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6週 |
太陽電池の特性試験(2週目) |
太陽電池を用いて電圧電流特性を測定し,その特性を理解できる.また,入射強度の影響を理解できる.
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7週 |
直流機の特性試験(1週目) |
直流電動機の始動,逆起電力,速度制御を理解できる.
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8週 |
直流機の特性試験(2週目) |
直流発電機の無負荷特性,外部特性を理解できる.
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2ndQ |
9週 |
ブレーカ及び過電流継電器の動作特性(1週目) |
安全ブレーカと漏電ブレーカの動作特性を理解できる.
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10週 |
ブレーカ及び過電流継電器の動作特性(2週目) |
過電流継電器の特性を理解できる.
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11週 |
交流回路のベクトル軌跡と位相差(1週目) |
RL,RC回路のベクトル軌跡を実験を通して理解できる.
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12週 |
交流回路のベクトル軌跡と位相差(2週目) |
RL,RC回路の電圧と電流の遅れおよび進みを実験を通して理解できる.
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13週 |
前期実験実習の復習 |
前期実験テーマの復習をし,実験内容を理解できる.
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14週 |
実技試験対策 |
実技試験対策として各テーマの実験回路を復習し,回路を構成できる.
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15週 |
実技試験 |
与えられた実験テーマの回路を組むことができる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
実験の進め方がわかる.
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2週 |
実験概要説明(後期) |
各実験テーマ(後期)の概要を理解できる.
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3週 |
トランジスタの静特性(1週目) |
バイポーラトランジスタおよびユニポーラトランジスタの静特性を理解できる.
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4週 |
トランジスタの静特性(2週目) |
バイポーラトランジスタおよびユニポーラトランジスタの静特性を理解できる.
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5週 |
RC回路の周波数特性(1週目) |
RとCを組み合わせた回路の周波数特性を理解できる.
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6週 |
RC回路の周波数特性(2週目) |
RとCを組み合わせた回路の周波数特性を理解できる.
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7週 |
波形変換回路の実験(1週目) |
パルス特性および非線形変換回路の特性を測定し,波形変換の概念を理解できる.
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8週 |
波形変換回路の実験(2週目) |
パルス特性および非線形変換回路の特性を測定し,波形変換の概念を理解できる.
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4thQ |
9週 |
論理回路の基本(1週目) |
論理回路の各定理を理解し,実回路を組んで理解できる.
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10週 |
論理回路の基本(2週目) |
論理回路の各定理を理解し,実回路を組んで理解できる.
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11週 |
共振回路のインピーダンス特性測定(1週目) |
LC直列共振回路,LC並列共振回路の共振回路を測定を通して理解できる.
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12週 |
共振回路のインピーダンス特性測定(2週目) |
LC直列共振回路,LC並列共振回路の共振回路を測定を通して理解できる.
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13週 |
後期実験実習の復習 |
後期実験テーマの復習をし,実験内容を理解できる.
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14週 |
実技試験対策 |
実技試験対策として各テーマの実験回路を復習し,回路を構成できる.
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15週 |
実技試験 |
与えられた実験テーマの回路を組むことができる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電力 | 直流機の原理と構造を説明できる。 | 4 | |
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。 | 4 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。 | 3 | 後3,後5,後7,後9,後11 |
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。 | 3 | |
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。 | 3 | 後5,後7 |
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。 | 3 | 後1,後2 |
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。 | 4 | |
共振について、実験結果を考察できる。 | 4 | |
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。 | 4 | |
論理回路の動作について実験結果を考察できる。 | 4 | 後9 |
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。 | 4 | |
ディジタルICの使用方法を習得する。 | 4 | |
評価割合
| 報告書評価 | 態度 | 実技試験 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 10 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 10 | 0 | 40 |
専門的能力 | 50 | 0 | 10 | 60 |