電気回路Ⅲ

科目基礎情報

学校 鶴岡工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気回路Ⅲ
科目番号 0062 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 創造工学科(電気・電子コース) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎からの交流理論 小郷寛 原著 電気学会
担当教員 森谷 克彦

到達目標

本授業の目的は「四端子回路網の計算」「三相交流の取り扱い」「多相交流回路の解析」について理解することである.そのため以下のような達成目標を設定する.
1.四端子回路網の取り扱いを理解し,計算ができる.
2.電力の発電,送電,配電に用いられる三相交流回路について理解し,計算ができる.
3.多相交流回路の構造と解析法を理解し,計算ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 「四端子回路網の取り扱いを理解し,計算ができる」 四端子回路網の各種パラメータを理解し,関係した問題を解くことができる. 四端子回路網の各種パラメータを理解できる. 四端子回路網の各種パラメータを理解できない.
評価項目2 「電力の発電,送電,配電に用いられる三相交流回路について理解し,計算ができる」 三相交流回路について理解でき,関係した問題を解くことができる. 三相交流回路について理解できる. 三相交流回路について理解できない.
評価項目3 「多相交流回路の構造と解析法を理解し,計算ができる」 多相交流回路の構造と解析法を理解し,問題を解くことができる. 多相交流回路の構造と解析法を理解できる. 多相交流回路の構造と解析法を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

(D) 専門分野の知識と情報技術を身につける。   説明 閉じる

教育方法等

概要:
 四端子回路網は周波数フィルタなどの設計に有効である.分布定数回路の解析および多相交流は,送電線や通信線の伝送損失などの解析に不可欠である.本講義では,高度な電気回路解析方法について学習する.
授業の進め方・方法:
 講義形式の授業である.定期試験(前期末試験35%,学年末試験35%),提出物等(課題レポート,小テスト)20%,受講態度10%(出席率,授業態度,試験時の態度等を加味した結果)とし,総合評価60点以上を合格とする.ただし,コロナ対応により遠隔授業によるe-ラーニング形式(教材配信)で講義を行う可能性もある.遠隔講義の場合,定期試験の評価は授業中の課題による評価に替わる場合もある.
 各試験は,各到達目標に対応した内容の問題を出題する.試験問題のレベルは,各到達目標が確認できる程度とする.
注意点:
電気主任技術者認定の必修科目である.
なお,「不可」となった者のうち,総合評価成績が50点から59点だった学生に対しては,1回のみ再試験を実施する.
ただし,課題の評価点が50%未満の者については再試験を行わない.未提出の課題がある者も同様とする.

事前・事後学習、オフィスアワー

事前学習として講義の予習を行うことを薦める.また,事後学習として教科書の例題や課題を解くこと.
【オフィスアワー】16:00-17:00
※会議等で不在となることがあるので,事前に教員の予定を聞いておくことを薦める.実施日,時間は柔軟に対応する(上記時間帯以外も対応します).

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 講義の進め方,評価について理解できる.
2週 四端子回路網の基礎 四端子回路網における基礎公式を理解できる.
3週 四端子回路網の行列による表示 アドミタンス行列,インピーダンス行列,四端子行列,G行列,H行列を理解できる.
4週 四端子回路網の行列による表示 アドミタンス行列,インピーダンス行列,四端子行列,G行列,H行列を理解できる.
5週 四端子回路網の行列による表示 アドミタンス行列,インピーダンス行列,四端子行列,G行列,H行列を理解できる.
6週 四端子回路網の行列による表示 アドミタンス行列,インピーダンス行列,四端子行列,G行列,H行列を理解できる.
7週 四端子回路網の接続 四端子回路網の接続について理解できる.
8週 四端子回路網の接続 四端子回路網の接続について理解できる.
2ndQ
9週 四端子回路網の接続 四端子回路網の接続について理解できる.
10週 等価回路 四端子回路網の等価回路を理解できる.
11週 等価回路 四端子回路網の等価回路を理解できる.
12週 等価回路 四端子回路網の等価回路を理解できる.
13週 対称四端子網と二等分定理 対称四端子網と二等分定理を理解できる.
14週 対称四端子網と二等分定理 対称四端子網と二等分定理を理解できる.
15週 対称四端子網と二等分定理 対称四端子網と二等分定理を理解できる.
16週 前期末試験 前期の範囲を包括的に理解できる.
後期
3rdQ
1週 多相交流 三相交流の基礎を理解できる.
2週 回路の結線法 星形結線(Y結線)と環状結線(Δ結線)方式について理解できる.
3週 回路の結線法 星形結線(Y結線)と環状結線(Δ結線)方式について理解できる.
4週 平衡三相回路 平衡三相回路を理解できる.
5週 平衡三相回路における電力 平衡三相回路における電力の計算および力率の関係を理解できる.
6週 二相交流 二相交流について理解できる.
7週 二相交流 二相交流について理解できる.
8週 不平衡三相回路 不平衡三相回路について理解できる.
4thQ
9週 不平衡三相回路 不平衡三相回路について理解できる.
10週 対称座標法 対称成分への分解とベクトルオペレータの扱いを理解できる.
11週 対称座標法 対称成分への分解とベクトルオペレータの扱いを理解できる.
12週 不平衡負荷 不平衡負荷について理解できる.
13週 不平衡負荷 不平衡負荷について理解できる.
14週 対称座標法による電力 三相交流発電機の基本式を理解できる.
15週 対称座標法による電力 三相交流発電機の基本式を理解できる.
16週 学年末試験 後期の内容を包括的に理解できている.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4後2,後3,後4,後5,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4後4,後5,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

後期中間試験学年末試験課題,小テスト態度合計
総合評価割合35352010100
基礎的能力00101020
専門的能力353510080