概要:
生物の観察、生物の性質を調べる実験および生体物質の化学的な分析を行う実験の実践を通して、生物学、生物化学への理解を深め、また生物学、微生物学、生化学の基本的な実験手法を習得する。
授業の進め方・方法:
オリジナルの実験書に基づいて行う。4名の班に分かれたグループ学習とする。1テーマは1日または2日にわたって行い、1テーマにつき実験レポートを作成する。
注意点:
基礎生物学使用の教科書を持参し、適宜、参照できるようにしておくこと。
遺伝子組換え実験の前に安全講習会を開催する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
概要の説明 |
実験において注意しなければいけないことを理解している。実験レポートの作成方法を理解している。
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2週 |
アミラーゼの性質(2回):ヒト唾液アミラーゼによるデンプンの加水分解を分析する。酵素活性がpHおよび温度によってどのように影響するか調べる。 |
ヒト唾液アミラーゼによるデンプンの加水分解の分析方法を説明できる。酵素活性がpHおよび温度によってどのように影響するかを調べる方法を説明でき、その結果を酵素の化学的性質と結びつけて説明できる。
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3週 |
微生物の培養と観察(2回):無菌操作により、微生物用培地を作成する。空中の微生物を採取、培養し、顕微鏡観察する。 |
微生物の性質を理解している。クリーンベンチでの無菌操作、オートクレーブなど滅菌操作をすることができる。土壌環境と微生物群について考察することができる。
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4週 |
DNAの抽出とアガロースゲル電気泳動(2回):植物試料からDNAの抽出とアガロースゲル電気泳動(2回):植物試料からDNAを抽出する。精製したDNAをアガロースゲル電気泳動により分析する。 |
植物試料からDNAを抽出する方法を説明できる。DNA抽出と精製における界面活性剤、アルコール沈殿、NaClの役割を説明できる。電気泳動法の基本について説明できる。
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5週 |
アルコール発酵(1回):パン酵母に糖を与えアルコール発酵を行わせる。二酸化炭素とアルコールの生成、糖の消費を定性的に調べる。 |
微生物の代謝について理解している。アルコール、糖の定性分析について理解している。
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6週 |
大腸菌の形質転換(遺伝子組換え実験)(2回):大腸菌にGFP遺伝子を含むプラスミドを形質転換する。抗生物質耐性とGFPの蛍光により形質転換が行われたことを確認する。 |
遺伝子組換え実験の危険性を理解し、安全に実験を行う方法を説明できる。大腸菌の形質転換法を説明できる。この実験結果がDNAが遺伝子の本体であることを示すことを説明できる。
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7週 |
光合成色素の抽出と分析(2回):植物から光合成色素を抽出する。これを薄層クロマトグラフィーにより分離する。分光光度計により吸光度を測定し、クロロフィル濃度、葉のクロロフィル含有量を推計する。 |
植物が数種の光合成色素を持っており、クロマトグラフィー法によりそれらを分離することができるとことを説明できる。薄層クロマトグラフィーの原理を説明できる。分光分析法の原理を説明できる。生体物質の含有量の計算方法を理解している。
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8週 |
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2ndQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6 |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6 |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6 |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6 |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6 |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6 |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6 |
試薬の調製ができる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 生物工学実験 | 光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。 | 4 | 前3,前5 |
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。 | 4 | 前3,前5 |
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。 | 4 | 前4,前6 |
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。 | 4 | 前4,前6 |
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。 | 4 | 前4,前6 |
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。 | 4 | 前2 |