電力工学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電力工学
科目番号 0122 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 発電・変電 改訂版(最新版)、道上 勉、電気学会
担当教員 小泉 康一,小野 修一,石橋 督介

到達目標

①発変電の基本的な知識を習得する。
②水力発電に関する設備の理解と発電計算ができる。
③火力発電に関する設備の理解と熱効率計算ができる。
④原子力発電などに関する設備を理解し説明できる。
⑤変電の仕組みを理解し三相短絡電流計算と力率改善計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①発変電の基本的な知識を習得する。発変電の基本的な知識を習得し、応用できる。発変電の基本的な知識を習得している。発変電の基本的な知識を習得していない。
②水力発電に関する設備の理解と発電計算ができる。水力発電に関する設備の理解と発電計算ができ、応用できる。水力発電に関する設備の理解と発電計算ができる。水力発電に関する設備の理解と発電計算ができない。
③火力発電に関する設備の理解と熱効率計算ができる。火力発電に関する設備の理解と熱効率計算ができ、応用ができる。火力発電に関する設備の理解と熱効率計算ができる。火力発電に関する設備の理解と熱効率計算ができない。
④原子力発電などに関する設備を理解し説明できる。原子力発電などに関する設備を理解し説明でき、検討することができる。原子力発電などに関する設備を理解し説明できる。原子力発電などに関する設備を理解し説明できない。
⑤変電の仕組みを理解し三相短絡電流計算と力率改善計算ができる。変電の仕組みを理解し三相短絡電流計算と力率改善計算ができ、応用できる。変電の仕組みを理解し三相短絡電流計算と力率改善計算ができる。変電の仕組みを理解し三相短絡電流計算と力率改善計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
発電形態の違いについて学習すると共に、発電に直結する変電についても学習する。
この科目は、電力企業で発電業務や技術管理の従事者が、その実務経験を活かし、各種の発電・変電、自然エネルギー発電等について授業を行う。
授業の進め方・方法:
定期試験の成績を80%、小テストや課題の総点を20%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。
中間試験は50分間の試験を実施する。期末試験は50分間の試験を実施する。
注意点:
発電形態の違いおよび発電方式ならびにそれに直結する変電設備について、その内容を正しく理解することが必要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 発電エネルギー源、発変電の発達 発電用エネルギー源、発電方式と設備、変電技術の発達
2週 変電の仕組み、変圧器 変電所の種類と設備構成、変圧器の種類、変圧器の運用
3週 開閉設備 開閉設備の目的と種類、短絡電流計算、短絡容量低減対策
4週 母線、変成器、避雷装置 母線・変成器・避雷装置の目的と種類
5週 調相設備、監視制御方式 調相設備の目的と種類、力率改善計算、監視制御方式と保護方式の種類
6週 変電所の設計他 変電所の設計、試験および運転・保守
7週 まとめ 変電設備のまとめ、中間試験解説
8週 変電設備見学 変電設備の目的、配置、構造および動作原理
2ndQ
9週 水力発電の仕組み 水力発電の発電方式と水力学
10週 水力設備、水車 取水・導水設備の種類、水車の種類
11週 発電計画、発電計算 水力発電所の計画と出力等の計算
12週 水車、付属設備 水車の特性、キャビテーション、付属装置の種類
13週 水車発電機と電気設備 水車発電機の分類、励磁方式
14週 揚水発電所、水力発電所の自動化 揚水発電所目的と形式、水力発電所の制御方式、試験および運転・保守
15週 まとめ 水力設備のまとめ、期末試験解説
16週
後期
3rdQ
1週 発電設備見学 発電設備の目的、配置、構造および動作原理
2週 火力発電所の仕組み 火力発電所の仕組み、種類および熱力学
3週 ボイラおよび付属設備 ボイラの種類・構造および付属設備
4週 蒸気タービンおよび付属設備 蒸気タービンの種類・形式および付属設備
5週 タービン発電機と電気設備 タービン発電機の形式および電気設備
6週 発電計画・熱効率計算 発電計画および熱効率計算
7週 汽力発電所の環境対策、保安・保護装置、まとめ 汽力発電所の環境対策、保安・保護装置、まとめ、中間試験解説
8週 汽力発電所の自動化と運転・保守、コンバインドサイクル 汽力発電所の自動化、試験・検査、運転保守、コンバインドサイクル発電、ガスタービン発電・内燃力発電
4thQ
9週 原子力発電のしくみ 原子力発電の仕組みと核反応、構成要素と材料
10週 原子力発電の炉形式 原子力発電の炉形式とタービン発電機
11週 原子燃料の再処理,保護設備 原子燃料の再処理と原子燃料サイクル保全・保安・保護設備他
12週 太陽光発電,風力発電他 太陽・風力・地熱発電,燃料電池発電
13週 石炭ガス化発電他 石炭ガス化発電,その他の発電
14週 電気事業と新エネルギー 新エネルギーへの取組み
15週 まとめ まとめ、期末試験解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4後15
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4後15
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4後15
直流機の原理と構造を説明できる。4後15
誘導機の原理と構造を説明できる。4後15
同期機の原理と構造を説明できる。4後15
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4後15
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4後15
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4後15
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4後15
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4後15
電力システムの経済的運用について説明できる。4後15
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4後15
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4後15
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4後15
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4後15
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4後15
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。4
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。4
電力量の測定原理を説明できる。4
オシロスコープの動作原理を説明できる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000