到達目標
①導電性材料,誘電・絶縁性材料,磁性材料の、それぞれの基本特性、基礎物性、および応用について理解する。
②「電力の有効利用」,「センサ材料」、「アクチュエータ材料」として注目される「超伝導体」,「強誘電体」をとりあげ,実用のポイントがどこにあるかを理解できるようにする.
③導電材料,絶縁材料の電気的特性評価方法を理解し,また材料開発に欠くことのできない代表的な熱分析法の原理も併せて理解し、電気物性計測の実験計画が立てられるようにする.
③電気材料工学に関する英文文献の概要理解と図表理解ができるようにする.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
誘電材料 | 各授業項目の内容を理解し、応用できる。 | 各授業項目の内容を理解している。 | 各授業項目の内容を理解していない。 |
磁性材料 | 各授業項目の内容を理解し、応用できる。 | 各授業項目の内容を理解している。 | 各授業項目の内容を理解していない。 |
超伝導材料の基本性質,超伝導物質,超伝導応用 | 超伝導材料の基本性質,超伝導物質,及び実用機器の原理を理解し、応用について検討できる。 | 超伝導材料の基本性質,超伝導物質,及び実用機器の原理を理解している。 | 超伝導材料の基本性質,超伝導物質,及び実用機器の原理を理解していない。 |
強誘電性の基本性質,強誘電物質の特徴,強誘電性の応用 | 強誘電性の基本性質,強誘電物質の特徴,および実用デバイスの原理を理解し、応用について検討できる。 | 強誘電性の基本性質,強誘電物質,および実用デバイスの原理を理解している。 | 強誘電性の基本性質,強誘電物質,および実用デバイスの原理を理解していない。 |
電気的計測や熱分析による物質の状態変化 | 電気的計測や熱分析による物質の
状態変化について理解し、計測結果について十分な検討ができる。 | 電気的計測や熱分析による物質の
状態変化について理解している。 | 電気的計測や熱分析による物質の状態変化について理解していない
。 |
英文文献の読解、図表の英文タイトルの作成 | 英文資料の内容を理解し、図表の英文タイトルの作成ができる。 | 英文資料の内容を理解している。 | 英文資料の内容を理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
前期では導電材料,誘電・絶縁材料,磁性材料の基礎物性と,種類,諸特性について学習する.
後期では機能性材料として注目される新材料の中で,超伝導材料,強誘電材料などを中心に,基本特性と応用例について理解を深める.また電気物性計測と熱分析のポイントを理解する.
授業の進め方・方法:
授業は主に講義と演習によって進めるが,グループワーク等によって授業内容のまとめと振り返りをする.
適宜、授業項目に関連する英文文献を資料として活用し、電気材料工学分野の英単語や英文表現に慣れ、図・表の英文タイトルなどを作成できるようにする.
中間試験は授業時間中に50分で実施する.期末試験は期末試験期間中に50分で実施する.
定期試験の成績を80%,課題の総点を20%として総合的に評価し,60点以上を合格とする.
この科目は学修単位科目のため、事前、事後の学習として、レポートを実施する。
注意点:
各種材料の基礎物性を理解するためにも物理学,有機・無機化学等の基礎知識も必要であるので平常学習しておく必要がある.前期の「導電材料」、「誘電・絶縁材料」、「磁性材料」の理解は、後期の応用面で必要となるので、前期の内容を復習しながら後期の授業を理解すること。適宜グループ学習を取り入れて,まとめと振り返りをおこなう.
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
導電材料① |
導電材料
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2週 |
導電材料② |
抵抗材料
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3週 |
絶縁材料① |
誘電分極
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4週 |
絶縁材料② |
誘電特性
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5週 |
絶縁材料③ |
絶縁特性
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6週 |
絶縁材料④ |
絶縁劣化
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
総合演習 |
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2ndQ |
9週 |
絶縁材料⑤ |
絶縁材料の種類と特性①
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10週 |
絶縁材料⑥ |
絶縁材料の種類と特性②
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11週 |
磁性材料① |
磁性材料の分類
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12週 |
磁性材料② |
強磁性体
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13週 |
磁性材料③ |
ソフト磁性材料
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14週 |
磁性材料④ |
ハード磁性材料
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15週 |
磁性材料⑤ |
磁気記録材料
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16週 |
総合演習 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
常伝導体 |
常伝導金属・導電性セラミックスの抵抗,抵抗率の温度依 存,磁気抵抗効果について説明できる.
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2週 |
超伝導性① |
ゼロ抵抗,マイスナー効果について正しく説明できる.第一種・第二種超電導体の特徴と分類が説明できる.
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3週 |
超伝導性② |
臨界温度Tcと臨界磁界Hc,臨界電流密度Jcと磁束のピン留 め等の関連性を説明できる.
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4週 |
超電導物質① |
金属系超伝導体の歴史的背景と、これまでの材料開発のポイントを説明できる.
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5週 |
超伝導物質② |
酸化物系超伝導体等の歴史的背景と、近年の材料開発のポイントを説明できる.
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6週 |
超伝導応用 |
マグネット,SQUID,大電流導体,低損失導体,反磁性材料等、応用機器の原理と特徴を説明できる.
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7週 |
中間試験 |
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8週 |
総合演習 |
常電導性、および超電導性の基礎と応用についてのまとめ
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4thQ |
9週 |
強誘電性① |
自発分極と分極反転,D-E履歴曲線について説明できる.
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10週 |
強誘電性② |
自発分極の温度依存性、焦電性、圧電性について説明できる.
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11週 |
強誘電材料① |
強誘電体の構造と性質,分域構造,強誘電相転移について説明できる.
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12週 |
強誘電材料② |
代表的な強誘電体の特徴と比較ができる。
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13週 |
強誘電性の応用 |
高誘電材料,圧電材料,焦電材料,FEM等、強誘電性の応用について説明できる.
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14週 |
電気物性計測 |
誘電率測定,D-E履歴曲線観測,焦電荷計測につて、計測の原理やポイントを説明できる.
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15週 |
熱分析 |
示差熱分析,示差走査熱量計,熱重量分析について、分析の原理とポイントを説明できる.
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16週 |
総合演習 |
強誘電性、および電気物性計測についてのまとめ
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 |
専門的能力 | 40 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |