電気電子システム工学実験

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気電子システム工学実験
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 3
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1.5
教科書/教材 電気電子工学実験指導書,福島工業高等専門学校電気工学科編
担当教員 鈴木 晴彦,大槻 正伸,山本 敏和,山田 貴浩,小泉 康一,豊島 晋,橋本 慎也

到達目標

①シーケンス制御の基礎概念を理解して所定の制御を実現できる.
②所定の仕様を満たすようにトランジスタ差動増幅回路・各種ディジタル回路・発振回路・オペアンプによる増幅回路などを設計・製作できる.
③各種センサの特性・熱電対による温度測定の原理・B-H曲線について説明できる.
④サイリスタによる電力制御回路・A/D,D/A変換回路・アクティブフィルタなどの回路の動作を説明できる.
⑤同期機および誘導機の動作原理や特性を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
各実験の内容を理解し自ら実践できる教員の助言がほぼない状態で、自ら指導書を見て実験を進めることができた教員の助言をいくつかもらった上で実験を進めることができた詳細な教員助言を受けても実験を進めることができなかった

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
各種センサや半導体素子等の基礎特性・各種電子回路の動作に関する実験,交流機器(同期機や誘導機)の特性に関する実験を行い,専門科目の講義で学習内容と現実のものとをリンクさせるとともに,実験結果に対して深く考察できる能力を向上させる.
この科目の一部では、企業において機器制御プログラミングを担当した教員が、その経験を活かし、プログラミングによるスマートメディアの実習を行う。
授業の進め方・方法:
実験レポートの内容や提出状況を90%,実験・実習の実施状況を10%で評価し,60点以上を合格とする.
前期・後期とも定期試験は実施しない.この科目は学修単位科目のため,事前,事後の学習について,レポート提出による確認を実施する.
注意点:
積極的に実験に参加し,実験の原理や実験結果について理解を深めること.
自学自習の確認方法―自学自習時間を利用して実験レポートを作成し,それを期限内に提出させる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 前期分指導書配布,レポートについての説明
2週 ローテーション実験① シーケンス制御の実習
3週 ローテーション実験② シーケンス制御の実習
4週 ローテーション実験③ 小型モータの実験Ⅱ
5週 ローテーション実験④ 小型モータの実験Ⅱ
6週 総合演習① 前半のローテーション実験のレポート整理
7週 総合演習② 前半のローテーション実験のレポート整理
8週 ローテーション実験⑤ ディジタル回路実習Ⅱ
2ndQ
9週 ローテーション実験⑥ ディジタル回路実習Ⅱ
10週 ローテーション実験⑦ 回路シミュレータの実験
11週 ローテーション実験⑧ 回路シミュレータの実験
12週 ローテーション実験⑨ 三相誘導電動機の実験
13週 ローテーション実験⑩ 単相誘導電動機と電気動力計の実験
14週 総合演習③ 後半のローテーション実験のレポート整理
15週 総合演習④ 前期実験の総括
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 後期分指導書配布,レポートについての説明
2週 ローテーション実験⑪ B-H曲線の測定
3週 ローテーション実験⑫ サイリスタの実験
4週 総合演習⑤ ローテーション実験のレポート整理
5週 ローテーション実験⑬ 光・磁気センサの実験
6週 ローテーション実験⑭ 熱電対の校正と温度測定
7週 総合演習⑥ ローテーション実験のレポート整理
8週 総合演習⑦ ローテーション実験のレポート整理
4thQ
9週 ローテーション実験⑮ スマートメディアに関する実習
10週 ローテーション実験⑯ スマートメディアに関する実習
11週 総合演習⑧ ローテーション実験のレポート整理
12週 ローテーション実験⑰ 同期発電機の特性
13週 ローテーション実験⑱ 同期電動機の特性
14週 総合演習⑨ ローテーション実験のレポート整理
15週 総合演習⑩ 後期実験の総括
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。3
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。3
理想変成器を説明できる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。3
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。3
網目電流法を用いて回路の計算ができる。3
節点電位法を用いて回路の計算ができる。3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。3
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。3
FETの特徴と等価回路を説明できる。3
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。3
演算増幅器の特性を説明できる。3
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。3
発振回路の特性、動作原理を説明できる。3
変調・復調回路の特性、動作原理を説明できる。3
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。3
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。3
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。3
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。3
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。3
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。3
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。3
電力量の測定原理を説明できる。3
オシロスコープの動作原理を説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3後15
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3後15
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3後15
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3後15
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。3後15
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。3後15
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。3後15
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。3後15
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。3後15
共振について、実験結果を考察できる。3後15
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3後15
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3後15
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3後15
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。3後15
ディジタルICの使用方法を習得する。3後15

評価割合

試験実験レポート相互評価実験・実習の実施状況ポートフォリオその他合計
総合評価割合09001000100
基礎的能力09001000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000