知的財産権

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 知的財産権
科目番号 0118 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリントを予定しているが、出版が間に合えば教科書を指定する
担当教員 大槻 正伸,小泉 康一,鈴木 壯兵衛

到達目標

①特許制度、実用新案制度、意匠登録制度の重要事項を正確に理解できる。
②商標登録制度、不正競争防止法、著作権法、条約の重要事項を正確に理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
①特許制度、実用新案制度、意匠登録制度の重要事項を正確に理解 できる。 各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
②商標登録制度、不正競争防止法 、著作権法、条約の重要事項を正 確に理解できる。 各授業項目の内容を理解し、応用できる各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
技術者及び研究者として必要な知的財産権制度の知識を得るため、その概要について解説する。
この科目は、民間企業、大学や社会で活躍してきた弁理士が、その経験と今までの知財啓発のノウハウを活かして講義を行う。
授業の進め方・方法:
知的財産権の全体像とその制度について法域ごとに説明し、さらには権利の活用に関する実務について解説する。
この科目は集中講義を予定している。
注意点:
授業における講義内容を重視すること。
期末試験を実施する。試験を100%として評価し、60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 知的財産制度の意味と経済学 経済発展と知的財産制度の関係を歴史的にとらえ、経済学的になぜ
知的財産制度が必要か理解する。
2週 知的財産制度の法体系 民法の体系における知的財産制度の意味を理解する。
3週 特許と実用新案 特許権と実用新案権の違いを、その効力を中心に理解する。
4週 特許出願における審査主義 審査請求制度や特許庁における審査の内容を理解する。
5週 特許明細書等の読み方と論文 J-Platpatの検索方法を学び、特許明細書等をどのように読むのか理解する。
更に、学術論文の書き方と特許の書類がどのように違うのかを理解する。
6週 発明の仕方と、特許明細書等の書き方 「発明は蓋然の先見である」という意味を理解し、どのように発明し、どのように特許を描くのか、その基本を理解する。
7週 意匠登録制度と出願審査 意匠登録制度と出願審査の内容、保護される意匠、意匠権の効力
8週 ブランドと商標の関係、商標登録制度 ブランドと商標の違いを理解し、マーケティングの中でいかなる
ブランド戦略を採用するかを考える
2ndQ
9週 ノウハウの保護と事業収益の達成 オープン・アンド・クローズ戦略やノウハウのタイムスタンプを理解する。
10週 その他の知的財産権 著作権や不正競争防止法等関連法を理解する
11週 知的財産権侵害 特許庁と裁判所の判断は異なることを理解し、均等論について学ぶ
12週 国際的知的財産制度 特許独立の原則とパリ条約の意味を理解し、グローバルな知的財産権戦略を理解する
13週 企業の知的資産経営 機会主義の狡猾さと、知的財産権の手段として位置付けを理解し、経営における付加価値をどのように増大するのかを考える
14週 今後の知的財産権 AI時代における今後の知的財産権の動向を考える
15週 特許戦略の補足その他 特許制度を利用した動的な特許戦略を説明し、最後に質疑応答とレポートの説明の時間を設ける
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000